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国家公務員の給与を決めるシステムに
人事院勧告というものがあります。
社会一般と比べて、これくらいが適正・・・
と人事院が毎年少なくとも一回勧告⇒国会と内閣→勧告の実施を議決
この社会一般というのが50人以上の従業員がいる優良企業
大阪にいるとこれが一般的かどうかはちょっと疑問もありますが
2011年度の人事院勧告は
世間も下がってるから、国家公務員も下げましょかと
給与を0.23%引き下げ、平均年収は1万5千円減
というものでしたが
野田総理はもっと引き下げて人事院勧告は実施しないと
見送りを決め、平均7.8%削減する法案の成立を優先すると発表
大震災の復興財源確保が理由。国家公務員給与削減法案
野田総理が自分の給与を2〜3割カットすると表明したのは
これがあるからで、自分だけぬくぬくともらうのは・・・というわけにはいかないから。
俸給表はそのままで、2013年度まで基本給を職責に応じて
10%、8%、5%削減
ボーナスも10%一律カットするので合わせて年間2900億円の人件費削減
(人事院勧告のままだと120億円)
10%、一人また一世帯あたりでみると結構痛手は痛手。
▼これに対して、民主党の最大支持団体の労働組合「連合」は
(連合の中でも力がある「国家公務員労働組合連合会」や「自治労」など公務員系の労働組合)
削減法案を了承した・・・なぜか?
人事院勧告を無視して給与大幅引き下げは労働組合側にも美味しい果実が・・・
その果実とは
悲願の「労働協約締結権」
労使交渉で給与水準などを決める権利
公務員にはスト権や労働協約締結権が認められていない代わりに
人事院が賃金を決定するシステム (その代わり、基本的にクビにはならない)
↓
JRが国鉄時代にスト権を得るためにストを行っていたらしく
今ギリシャの公務員や官僚がストを行っているのを見ると、分かりやすいかもしれませんが
そういうことが認められていなかったので
この権利を獲得することが、長いあいだの組合の悲願でした
↓
民主党政権は労組に労働協約締結権を与える代わりに、給与削減法案への理解を得て来た
これに対して自民党は
「公務員同士が賃金交渉したらお手盛りになるに決まっている、かつての国鉄がそうだった。
長い目で見たら公務員の給料引き上げに繋がる」
「次はスト権をよこせと言うに決まってる」
「憲法違反だ」と批判。
また、組合の組織力が低下しており、求心力が無い状況からこの権利を得ることで
組織力の向上を目指しているとの見方もあります。
さらに民主党のマニフェストで国家公務員の人件費20%削減を揚げたが
労働協約権を与えてそれができるのか?
人事院勧告を大幅に上回る賃金カットは一般企業の経営者に対して
「ウチの会社も」と賃金カットの口実を与えてしまわないか・・・
地方自治体も真似してくるだろう・・・との見方も。
ある「脱藩官僚」は
「一度大きく給与が引き下げられても、労使交渉の権利を獲得しておけば
2年後には交渉で元に戻そうとするでしょう
民間は10年以上続くデフレの中で、すでに給与はかなり下がっており
公務員が今まで高すぎただけ。
公務員の給与が引き下げられても連れだって民間企業の人件費に
影響が出るとは思わない。
この程度の削減ができないなら、野田政権は相当ヒドイ政権ということになる」
と語る。
全公務員の給与を2年間2割カットすれば、復興財源としての10兆円は捻出できるとの試算もあり
また人事院のもともとの給与試算のサンプリングもかなり甘く
民間労働者の実態を反映しているとは必ずしも言えず、お手盛りの面は最初からあるといえるでしょうね。
人事院勧告を無視するという一見小さいようなニュースも、大きな転換期になりえるのかもしれません。 |
政談 「財政・経済」
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