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先日財務省が発表した2011年貿易統計によると
輸出額から輸入額を差し引いた、貿易収支は2兆4927億円の赤字となり
日本は31年ぶりに貿易赤字になることが分かりました。
円高、ヨーロッパ経済危機、東日本大震災の部品不足などで輸出が落ち込む一方
火力発電用の液化天然ガスの輸入量が大幅に増加したことなどが原因。
貿易収支の赤字は1980年の第二次オイルショックで原油が高騰した時以来31年ぶりですが
今回の赤字転落は円高の影響で、海外への生産移転を進める「産業の空洞化」の問題が潜んでおり
貿易赤字定着のおそれがあります。
▲貿易赤字になった原因
一時的な要因
・東日本大震災後に部品が足らなくなり、作ろうにも売ろうにもできなくなったことや
・タイの洪水による部品不足で輸出入に影響を与えた。
外国の経済事情
・欧州の債務危機に端を発する海外経済の減速で欧州にモノを売れなかった。
・中国経済に陰り・・2ケタ成長が1ケタになったと、言っても凄い成長率ですが・・・。
・新興国の台頭で、日本の得意分野の商品を作るようになり、世界市場でシェアを拡大している。
エネルギー事情
・火力発電用のLNG液化天然ガスの輸入量が増大。石油よりもLNGの方が発電コストは3分の1
日本は世界最大のLNG輸入国
・原油高、イランの制裁で今後が不透明
31年前にオイルショックの影響で貿易赤字に転じたが
なぜ今オイルショックの時のように大騒ぎにならないかは
円が非常に強いからです。円高でここに関しては守られてはいます。
しかし、その円が強いことで海外にモノが売れにくい側面もあり、このバランスが難しい所。
構造的問題
・1ドル70円台が定着してしまい、歴史的な円高とそれに伴う企業の海外移転
エネルギー高、世界でも非常に高い法人税の問題もあり
産業の空洞化が起きると、取り戻すのは並大抵ではなく
雇用問題にも響いてきます。
中長期的な問題として最後の構造的問題に注視する専門家もいます。
自動車をはじめSONYなどの製品はその70%は海外生産という現状。
貿易収支の赤字の次に注目されるのが、所得収支
▼所得収支
日本が海外から得た利子や配当などと、海外に支払った利子や配当などの差額
今までは輸入より輸出が多かったので、儲かってました。
その儲かったお金を海外に貯金し、その利子がつき、その利子で海外に子会社を作って
儲けたり、海外の金融資産に投資したり、とにかく儲けに儲け
2011年11月までで13兆3000億円の黒字
ちょっと漢字と数字が増えますが
日本と海外との資金のやりとりを総合的にみると
経常収支=貿易収支+所得収支
なので
貿易収支が2兆4927の赤字であっても、所得収支13兆3000億円を+すれば
約11兆円以上の黒字
しかも
日本の海外純資産は世界最大の250兆円(2010年末)
利子や配当を生んでくれるので、当面は経常黒字を維持できますが
貿易赤字が続くと、儲かってないので海外投資も減ります
すると
経常赤字に転落することもあり得ます。
そうなると海外から借金をしないと経済が回らなくなり
海外投資家に日本の国債を買ってもらわないといけなくなる。
日本の信用が低いと判断されると
日本国債が売られ、利息が高くないと誰も買わないので
金利が急上昇し、1000兆円以上ある借金の金利も上がります。
単純に1000兆円で1%金利が上がっても10兆円で消費税4%分
今回の貿易赤字は一時的な要因で起きてると言われ
黒字に戻る見通しですが
輸出が大きく伸びる見込みは少なく、海外資産が減って行く傾向にあるので
今の水準のままでいくと、貿易黒字が続いても経常収支は赤字になるのではないかとの
試算もあります。
こういうことからも
今急ぐべきは消費増税ではなく、デフレ景気、経済対策であることは明明白白
森田実氏のブログから
いま日本の政治が緊急に取り組むべき課題は、 |
政談 「財政・経済」
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