エクセルシア Season 12

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雅談

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童謡「赤とんぼ」について ーー15でねえやはどこにいったのか?

今、ちょっと見たら、
童謡「赤とんぼ」

三木露風作詞・山田耕筰作曲

夕焼小焼の、赤とんぼ
負われて見たのは、いつの日か

山の畑の、桑の実を
小籠に摘んだは、まぼろしか


十五で姐やは、嫁に行き
お里のたよりも、絶えはてた

夕焼小焼の、赤とんぼ
とまっているよ、竿の先

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
十五で姐(ねえ)やは、嫁に行き
お里のたよりも、絶えはてた

これは、三木露風先生の、孫弟子から聞いた話で、
三木先生ご自身の意図を最も表している可能性が高い話です。

昔、日本の農漁村では、
「間引き(堕胎、胎児を殺す)」や
「口減らし」(自分の子どもを奉公に出す、といえば聞こえがいいですが、人身売買です)が、
普通に行われていました。

あの、漢字学の世界的権威の白川静さんも、そうです。
もちろん、売られていった先が、きちんとした商家ならばいいのですが。

特に女性の場合は、年齢的に言いますと、
6
歳ぐらいから、15歳までは、「子守り奉公」。
つまり、裕福な過程の、低賃金ベビーシッターです。

今、世界各地でもベビーシッターの奴隷労働が問題になってますが、
日本でも戦前はそれが当たり前でした。

もちろん、優しい家ならば、まだマシですが、
やはり、生まれた家から離れて、一人、知らないところで暮らすのはつらいです。

この「赤とんぼ」の「ねえや」は、まさにそうです。

年老いた、お手伝いさんは、「ばあや」と言いますね。
あれと同じで、「ねえや」は血のつながった「お姉さん」ではありません。

この誤解が、ネット上すごく多い。

さて、問題の「15で」です。
「子守り奉公」は、基本的に15歳まで。
15
歳からは、どうなるかというと、
「女中奉公」になります。

お手伝いさんとして、「子守り奉公」先にそのまま残るか、
口入屋
(周旋所、ここがしばしば悪徳暴力人身売買の温床となったので、
戦後、公の紹介所以外は、原則職業の斡旋はしてはならないことになりました。
だから、派遣労働は、労働法では禁止・規制されてるんですが、
小泉ー竹中改革のときに、それが普通になりました)
口入屋を介して、別のところに売られていくのです。

これが15歳から18歳。
18
歳以降がどうなるか、
それが「妾奉公」つまり、誰かの今で言う愛人として売られていくのです。
もしくは、「お女郎奉公」、つまり、不特定多数のセックスの相手をする売春宿に、
売られていくのです。

「赤とんぼ」で、幼い私をおぶってくれた、私の家に「子守り奉公」に来ていた、
あの優しい「ねえや」は、
別の家に、女中として売られていった。
でも、そのことが子どもに知られると悲しがるだろうなと、
お父さん・お母さんは、「ねえやは、幸せなお嫁さんになった」と、
ウソをついたわけです。

その「ねえや」の実家から、あいさつとして来ていた年賀状とかも来なくなり、
その「ねえや」は、私の記憶の中にあるだけの存在となったのです。

悲しい日本の歴史です。

三木露風さんは、日本が「世界に冠たる大日本帝国」とか言ってるときに、
東北を初めとする農漁村が、どれほど貧しく苦しかったかを、
こんな優しいメロディに載せて、
詠んだのです。

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