1. フランス革命/French Revolution
ナポレオンかルイ16世を歌った歌。北アフリカを支配したナポレオン、死んだ王はギロチンの露と消えたルイ16世(1830年の7月革命ならシャルル10世)。背景の弦楽は1800年代風、ジャケもドラクロワのフランス7月革命画で、自由の旗を振っている。「王になりたいと誰が思う?」は王政撤廃・人権宣言。曲名「viva la vida(人生万歳)」は「viva la france(フランス万歳)」を思わせる。ただしスペイン語。
2. すべての革命/All the Revolutions
中国革命(溥儀/Last Emperor)、ロシア革命(帝政ロシア最後の皇帝ニコライ2世)、フランス革命(ルイ16世)、17世紀のイギリス市民戦争などなど。いずこの時代も権力は崩壊し、古い王は流血に果て、新しい王が生まれ、その新しい王もやがて…歴史は繰り返す。これは政治、経済、社会、殊に芸術の革命を謳歌する歌。革命なくして進歩はない。この4枚目のアルバムも前作『revolution』からの発展形だ。
3. ヘンリー王8世/King Henry VIII
イギリスでは王が死んだ瞬間、王子が王に君臨する。「long live the new King」はそこから来ている。
4. 新約聖書のヨハネ/John the Baptist of the New Testament
「革命家が待つ 」の段はイエス降臨まで救世主と思われていたヨハネ。彼は自分を救世主と崇める信者に、「後にくる者こそが救世主だ」と諭した。また、ヨハネの首は銀盆でヘロド王に捧げられた。
5. 砂の柱/Pillars of sand
「賢者は岩の上に、愚か者は砂の上に城を築く」というイエスの言葉(マタイの福音書)。イエスは最初の弟子に「ペトロ(岩)」と名づけ、天国の鍵を授けた。その骸はサン・ピエトロ(聖ペトロ)寺院の下に眠る。
7. ローマカトリック教会の没落/decline of Roman Catholic Church
Kingsはプロテスタントの宗教分裂、missionariesは十字軍遠征(crusades)、Seas Risingは出エジプト、Pillars of Saltはソドム崩壊。これなら「ローマ・カトリック教会聖歌隊」のくだりも符合する。
8. コールドプレイ自身/Coldplay
人気の絶頂に立つと、もう誰も本当のことは言わない。裸の王様。このアルバムで「もう一度ファンが“コールドプレイが好き”と胸を張って言えるようにしたかった」と彼らは言ってる。これは彼ら自身を歌った曲。
9. ジュリウス・シーザー/Gaius Julius Caesar
エルサレムの鐘と聖ペトロの鍵以外は全部シーザー。
10. ジョージ・W.・ブッシュ/George W. Bush
異郷の地はイラク。自由の名のもとに使徒=罪のない若者を大勢送り込んだ。敵は9/11後のアルカイダやタリバン。嵐は父の代の「砂漠の盾作戦(Operation desert shield)」? 嘘まみれの8年。Coldplayはイラク派兵に反対だったことでも有名。
11. 盛者必衰、万事オーライ/Everything is gonna be alright
奢る者久しからず。世界の頂点を極めた者が、それで因果を免れるかと言うと、そうは問屋が卸さない。天国の門の鍵を預かる聖ペトロは名前を呼ばない=天国には行けない。
12. イエス・キリスト/Jesus Christ
この「私」はゲッセマネの園で越し方を偲ぶイエス。「群集の歌」はイエスがエルサレムに入場した4月1日のパーム・サンデーで、このとき民衆は棕櫚を敷きつめ「ホザナ!(万歳!)」と救世主到来を讃えたが、「そこに着いた途端 一言も正直な言葉は出てこなかった」―つまりパリサイ人は嘘と策謀で彼を投獄し十字架にかけた。「聖ペテロが私の名前を呼ばない」はペテロにイエスが「あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう」と予言したエピソード(ルカ福音書14章29-30)。
13. フラれた男/man who broke up with girlfriend
彼女がいるとき自分は神に思えた。畏れを知らぬ傲慢な自分。だが、彼女は去って一人。時は流れ、どんな関係も永遠には続かない。砂と塩の柱=砂時計のように時は過ぎる。彼女がそばにいない時は嘘づくめだった。付き合ってると言っても誰も信じず「そんなわけないじゃん」と窓を叩き割った。「たった1本の寂しい糸」(彼女)のために友だちみんな失くした馬鹿な俺。ペテロも呆れて王になるセカンドチャンスはくれない。
14. クリムゾン・キングの宮殿/In The Court Of The Crimson King
とっさに連想。理由は不明。
15. 悪魔/Satan
「変わり果てた姿」は天使になって飛び立つサタン(「エゼキエル書」28:12-19)。ペテロが彼の名を呼ばないのは…悪魔だからさ!
16. ヘロデ・アンティパス/Herod Antipas
ヨハネの首をはねるよう命じた人。父ヘロデ大王から譲り受けた領地はローマ、イスラエルとも関係がある。ユダヤ総督ポンティオ・ピラトから来た処刑前のイエスを審問した。
17. エルサレムはイギリス/Jerusalem=England
ウィリアム・ブレイクの預言書シリーズ『エルサレム』より。And did those feet in ancient time Walk upon England's mountain green? 」−ELPも1973年にこの詩で曲を作ったがイギリスの国民感情を害するためBBCが放送禁止にした。
18. マクベス/Macbeth
っぽい。
19. フリーダ・カーロの絵/Title is taken from Frida Kahlo's painting
波乱の生涯を生きた美貌の画家フリーダの遺作=写真下=がタイトルの由来(リッキー・マーティンのvive la vida locaとは関係ない)。アルバム全体も2006年南米ツアーにインスパイアされた。
20. 鏡・剣・盾/Mirror, Sword, Shield: Ephesians Chapter 6
これは『エペソ人への手紙』第6章にある神の護り。剣は神の御言葉、盾は信仰、鏡は神の映し鏡イエス・キリストの生き方を見習え、という意味。道を掃く=人に仕える=足を洗うイエス。歌い手は、救いは自分の業績ではなく神の寵愛によってもたらされる、という悟りに至っている。信仰を歌った歌。
21. 騎兵隊(Cavalry)はCalvaryにかけてる?/Cavalry or Calvary (Golgotha)?
カルバリーの丘(ユダヤ語でゴルゴタの丘)はローマがキリストをはり付けた丘で、今は聖墳墓教会(Church of the Holy Sepulchre)が建っている。
22. リチャード1世/King Richard I
「新王万歳」とあるのでフランス革命ではない。12世紀末十字軍遠征したリチャード1世ではないか。勇猛果敢で獅子心王と恐れられ、弟ジョンと王位を争った。
23. テンプル騎士団/Knight Templar
24. ダビデとゴリアテ/David and Goliath