エクセルシア Season 12

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【急性期から、復旧期に移行しつつある今必要なこと】
沖縄の高山義浩ドクターは、地域医療、在宅緩和ケアで、最前線を走っている方ですが、長く、行政と地域医療のコーディネートをされていて、
現在、熊本県庁に設置されている医療救護調整本部に沖縄県から派遣され、主に現場と行政との調整支援に携わっておられます。
同じく、石巻から、行政の支援にいかれている長ドクターが、高山ドクターのポストをシェアしていらっしゃつたので、再シェアします。
とともに、それ以降(復旧期→復興期)の問題として、どのような社会を作るべきかを、最後に書いてていらっしゃいます。
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高齢者や障がい者、妊婦などが災害弱者として挙げられますが、復興期においては「貧困」こそが弱者の要因であることを直視すべきなのかもしれません。避難所で仮設住宅への入居を待ち続ける高齢者に対して、食事と寝具を提供し、訪問診療を行い、励ましの言葉をかけ続けることが、私たちの社会の到達点ではないはずです。
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避難所から仮設住宅、また自宅、公営住宅へと帰って、「災害弱者」の姿が、ニュースから無くなったとき、それは無くなったのではなく、見えなくなったということです。
社会の格差を無くして行くことが、私たちが、自分たちの地域で、足元からなすべきことなのだと思います。

多くの地域でライフラインは復旧し、医療体制は平時に近づきつつあります。しかし、これまで緊張状態で仕事をつづけていた現地スタッフが疲労しています。医療従事者のみならず、事務や清掃の担当者にいたるまで傷ついた心と体を休めることが必要です。
おそらく自宅は散乱したままで、使命感に従って仕事を続けてきているでしょう。彼らに休息をとらせるためには、医療ボランティアによる日常業務の代行支援が必要です。避難所に併設されている救護所での診療業務だけでなく、再開している医療機関の支援も考えた方がよいかもしれません。
減ってきたところもありますが、いまも救護所を受診する患者さんがおられます。地域の診療所の復旧状況を日々確認しながら、かかりつけ医を受診するよう誘導してゆくことが必要です。避難所における診療を定着させてしまうことは、(いまは必要な状態であったとしても)あるべき復興の姿ではないのですから・・・。
救護所の受診者が減っていって、やがて閉鎖できるようになることが地域医療復興のメルクマールですね。いま、救護所を受診している患者さんとはどのような方々でしょうか? この観点から検討してゆけば、これから被災地で取り組むべき課題が見えてくるかもしれません。
まず、避難所から診療所等への交通手段のない方です。
ほとんどの診療所が再開しはじめています。しかしながら、震災で車を失ってしまったとか、バスが営業していないからといった理由により受診することができなくなっている方々がいます。仕方なく救護所で薬をもらっているわけですが、できるだけ主治医につなげてゆかなければなりませんね。たとえば、避難所と診療所を巡回するバスを運行するといった方法があるかもしれません。ただし、認知症や精神疾患を有する患者さんでは、正しくバスを利用できない恐れもあることから、ヘルパー機能をつけるといった工夫が必要になるかもしれません。
次に、かかりつけの医療機関が再開していない方です。
発災2週間が経過しても再開できない医療機関については、これ以上、再開を待つよりは新たな主治医を確保しておいた方がよいかもしれません。できれば、元のかかりつけ医により紹介状を出していただくことが望ましいのですが、困難な場合には救護所からの紹介状を発行しなければなりません。このような患者さんが基幹病院に集中しはじめている地域もあるようです。外来患者数が平時の倍近くなっているとか・・・。地区医師会と行政とが連携して整理してゆかないと、基幹病院の急性期医療が破たんしかねません。
最後に、通院困難であって在宅医療が必要な方です。
もともと訪問診療を受けていた方や避難生活でADLが低下して通院困難となっている方で、本人や家族の意思で避難所に残っている場合には、在宅医療を提供することが必要です。なお、ここでいう在宅医療には、訪問診療や緊急往診のほか、訪問看護、訪問薬剤管理指導、訪問リハビリテーションを含みます。本当に避難所にいても大丈夫なのか、代替案の提示も含めたアセスメントも必要でしょう。既存の地域医療で対応いただければ良いのですが、そのような余裕はないかもしれません(ないでしょう)。
地域の診療所に対する在宅医の派遣であるとか、訪問看護ステーションに対する訪問看護師の派遣などによって、仮設住宅が建つあたりまでを目途に支援が求められるような気がします。その後は・・・? 今回の震災をきっかけに入院を停止している医療機関もあり、在宅医療ニーズが高まったまま推移する可能性が高いです。高齢者福祉施設の建設などおカネのかかる話もあり、政府レベルでのサポートが求められると思います。
◇   ◇   ◇
本題から外れますが、災害のたびに感じざるをえないことがあります。それは、日本における老老格差の問題です。「被災者はなべて被害者であり平等だ」というメンタリティが働きがちですし、それが被災地の団結において大切なことは理解しています。ただ、高齢者間の保有資産の不平等はかなりの大きさがあり、深刻なことには資産ゼロという高齢者も少なくありません。
このことが、これから被災地における格差として顕在化してくるでしょう。高齢者や障がい者、妊婦などが災害弱者として挙げられますが、復興期においては「貧困」こそが弱者の要因であることを直視すべきなのかもしれません。避難所で仮設住宅への入居を待ち続ける高齢者に対して、食事と寝具を提供し、訪問診療を行い、励ましの言葉をかけ続けることが、私たちの社会の到達点ではないはずです。
貧困にある高齢者は、そのことについて口をつぐみがちです。なかには、「こんな老後を迎えたのは自分に責任がある」として、災害による辛苦ですら自らを責める人々がいます。復興の光の部分ばかりに目をとられず、災害と貧困の問題についても考えてゆかなければと思っています。


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