エクセルシア Season 12

大震災 原発災害 東北を忘れない

要談「琉球 沖縄県」

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転載元 沖縄タイムス


阿波根さんが残した資料は反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」の展示品のほか、倉庫や物置にあふれていた。アーカイブズ学を専門とする国文学研究資料館教授(当時)の安藤正人さん(66)=神奈川県=らが2002年に阿波根昌鴻資料調査会を立ち上げ、以来15年間にわたって毎年2回の調査に通ってきた。
 安藤さんは「鼻紙以外には何にでも文字が書き込まれていた。阿波根さんの記録に対する強い意志を感じた」と振り返る。「刊行を契機に、生の資料を閲覧できる体制整備が進むことを願っている」と語る。
 調査会の辛抱強い作業を見守ってきた謝花さんは「専門家がボランティアで作業を続けてくれていることに驚き、感謝している」と話した。「戦争は人災だが、平和をつくるのもまた人だと教えられた」
 調査の成果第1弾となる「真謝日記」刊行はインターネットで資金を募集し、25日の期限を前に目標の30万円を上回る37万8千円が集まっている。わびあいの里監事の渡嘉敷紘子さん(34)は「阿波根さんを知らない世代や層にも関心を広げられたのではないか」と手応えを語る。
 12月にも500冊を刊行し、伊江村内の学校や県立図書館、大学の図書館に寄贈する。一般向け販売も予定している。今後、調査が終わった資料は順次刊行していく。
 問い合わせはわびあいの里、電話0980(49)3047。
米軍のでたらめに事実で対抗

 ■鳥山淳沖縄国際大教授
 「真謝日記」は米軍による土地の強制接収から1カ月半という早い時期の伊江島土地闘争の記録である。生活の手段を全て失い、ゼロから闘いを始めていった経過が見える。当面の生活をどうするか、何をどう訴え、交渉すべきか。全て住民自身が考え、動いていった。追い込まれたがゆえの創造性があった。
 驚かされるのは厳しい状況の中で付けていた記録の克明さ。阿波根昌鴻さん自身は島外に出る機会が多く、現地記録であるこの日記を書いたかは分かっていないが、常に記録の重要さを説いていた。
 米軍のでたらめに対して事実を突き付け、広く知らせることで社会の意識は変わっていくという信念、運動の方針がうかがえる。
 真謝区の住民が土地取り上げに正面から異議を唱えず沈黙していたら、その後の島ぐるみ闘争があったかも分からない。具志、伊佐浜とともに導火線の役割をした。その出発点を伝える貴重な記録といえる。(沖縄現代史、談)



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