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姉の家から伯父、叔母、義兄の墓参りあちこちへ
姉の地区のお墓は昔ながらのお墓で、広くて、昔は子どもたちの格好の遊び場でしたが、今はお墓で遊ぶ子なんていません。
不思議なことに、片方づつの靴やスリッパがお墓のあちこちに。
何のおまじない?と聞くと
狐の遊びやに。まぁずしょうないのやに。外に置いておくと片方づつ無くなるのやわ。
最初はまず不思議なことやに〜とみんなで話してたんやに。うちも、うちもって。それがお墓に放ってあるに。今はこんなイタズラ子どもはせんでね。
そしたら狐が咥えて嬉しそうにとんでくのみた
人がおってね、謎が解けたのよ。
姉はやめとき、誰も探しにこんでね。
と言うけれど、両方の靴やスリッパもあるではないか、子どもの洗って干してたんだなという可愛い靴もあって、お墓中のそれらを集めて、お墓の入り口の雨の当たらないところに並べました。通る人が見えるように。
何かほのぼのします。夜に開け放しの裏木戸から、靴やスリッパを片方づつ咥えてきては、放って遊ぶ狐。も一度同じ所へ取りに行く狐。
それと知っていて退治しようとしない人々。
狐は昔はどこも鶏飼っていたからね、それを穴掘って鶏小屋へ入っては鶏咥えて行ったから、嫌われとったけど、今は鶏飼う家も無いでね
狐はうり坊喰ってくれるから、農家には助かったりするのよ。
狐も居らんようになってみ、寂しい田舎になってまうに。田舎には狐も狸も居らんとね。猿や猪や鹿は増えすぎたら困るけど、あの子らも山が棲みやすければ、山からおりてこんに。
と、姉は言います。
狐は空き家が増えて、その床下に潜り込んで暮らしているようです。
叔母の家も空き家となり、今回片付けたので、もうすぐ取り壊されます。
叔母の家も床下へと掘った道がありました。
狐はひとつ棲みかを奪われます。
姉にその事を言うと
みんながええということは、中々無いのやに、と。
雨も上がって、今夜は月のない夜
狐は暗闇で嬉々と靴を投げて遊んでいるかも知れません。どうか、友達が沢山いますように。
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