2016年度から使われる中学校の教科書について、文部科学省は6日、検定結果を公表した。社会科の検定基準が変わって初めての検定で、「東京裁判」や「慰安婦」などの記述に関連して、政府の統一的見解が盛り込まれていない、などとする意見が6件ついた。今回の検定では初めて特定の事柄を加筆するよう促し、各社とも盛り込んだ結果、政府の主張が教科書に反映される形となった。

 文科省は昨年1月、社会科の検定基準に、「政府見解がある場合はそれに基づいた記述」「近現代史で通説的な見解がない数字などはそのことを明示」などを追加した。教科書が妥当かどうかを見ていた検定に、具体的な事柄を書くよう求めたルールが加わる大きな転換となった。
 検定基準の改定をめぐっては、安倍晋三首相が13年4月、国会答弁で見直しの考えを示し、歴史教科書の一部を「自虐史観」と問題視する声が多い自民党が同年6月に提言した。
 地図帳を含む社会科の申請は、8社の歴史、地理、公民の計20冊。新基準を受け、今回の検定では、5社の歴史と公民の計5冊に対し、「政府見解に基づいた記述がない」との意見が4件、「通説的な見解がないことが明示されていない」が2件ついた。
 今回、初めて教科書をつくった「学び舎(しゃ)」の歴史では、旧日本軍の元慰安婦の記述が対象になった。同じページには旧日本軍の関与を認めた「河野談話」も書かれていたが、07年に閣議決定された「軍による強制連行を直接示す資料は見当たらない」など別の見解があるとして、追加を求めた。いったん不合格となり、出し直した教科書では、この見解が追加された。中学校教科書に「慰安婦」の記述が載るのは10年ぶり。河野談話の記述は小中高を通じて初めてだという。
 同様に一度不合格となった「自由社」は、日本の戦争責任を裁いた東京裁判の判決について否定的にとらえる記述に意見がついた。再申請で「裁判は受諾しており異議を述べる立場にはない」とする政府見解が加わった。
 下村博文・文科相は6日に記者会見し、歴史教科書について「これまで光と影のうち影の部分が多かった。政府見解と異なる記述がある場合に政府見解も載せることで、バランスをよりとる方向にまとまりつつある」と述べた。
 一方、領土をめぐっては、竹島と尖閣諸島についての記述が20冊全ての教科書に入った。文科省は今回の検定前、「学習指導要領解説」に竹島と尖閣を明記し、日本政府の立場を教えるよう求めた。解説は教科書づくりの際、各社が何を取り上げるかの参考にするため、検定前の段階で記述が充実することになった。2010年度の前回検定時では、竹島は20冊中13冊、尖閣は11冊にとどまっていた。文科省の担当者は「分量としては倍増といっていい」と話した。
 合格した104点131冊の総ページ数は現行の教科書から6・5%増え、検定意見は前回検定から36%減の4469件だった。(高浜行人)






 今回の検定では日本軍「慰安婦」、関東大震災の朝鮮人虐殺事件などの記述で”政府の統一的な見解に基づいた記述に”や“通説がないことを明示せよ”などと検定意見がつき、記述が修正される事例がたくさんあったようです。


 教科書に安倍政権の意見を強く反映させながら子どもたちを思想統制し、やがては全てを歴史上から葬り去りたい安倍政権の意図が露骨になってきました。


 また、各社とも「領土問題」の記述が増え、安倍政権の立場を子どもたちに教え込む動きも強まっています。


 一方、安倍晋三が率先して取り組んできた侵略戦争を美化する立場の歴史教科書である育鵬社(扶桑社)と自由社の2社も合格しています。


 両社の歴史教科書は、太平洋戦争を「自存自衛」「アジア諸国の解放」のための戦争と描くなど「日本は正しい戦争を行った」という事実無根の認識に立ち、子どもたち誤った歴史観を持たせる極めて危険な教科書です。


 さらに、育鵬社の公民教科書は現憲法を否定し改憲へと誘導する稀に見る偏向した内容の教科書であり、これら2社の教科書は採択されないよう国民的な運動を展開していく必要があると強く感じます。