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サリエリ読むゼミ
『サリエリの生涯と作品』講読ゼミ記録

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 今回の範囲は引き続きサリエリのオペラ処女作「女文士たち」の作曲をめぐるエピソードになります。昼ご飯中も曲作りのことで頭がいっぱいになっていたサリエリ。もちろん構想をそのままにするはずもなく、猛然と書き始めます。

・p. 32, l. 5〜 Nach der Tafel machte ich,
 以下、昼食を食べた後のサリエリの若いころの日課が書いてある。このmachteが支配している名詞が二つあり、l. 6〜7のmein Mittags-Schläfchenとl. 7のmeinen täglichen Spaziergang。つまり、)椶鬚發辰特訖押↓∋曲發離瓮縫紂次
・p. 32, l. 7 darauf
「それに続いて」の意味。
・p. 32, l. 7〜8 auf den Ringmauern der Stadt
 ヨーロッパの都市は城壁に囲まれた中心部(たいてい現在はAltstadt(旧市街)にあたる)とその外側から成っている。だいたい丸く都市を囲っている城壁沿いには環状の道があり、人口が増えたりすると城壁を壊してこの環状の道だけが残る。このように現在のヨーロッパの都市にもこの古い街づくりの痕跡が残っているので、このことを頭に入れてパリやウィーンの地図を見てみると面白い。ちなみに本文では、Ring-mauern(環状の-壁)なのでまだ城壁があった模様。その城壁に沿って散歩していたらしい。
・p. 32, l. 10 indem
 少し現代語のinより広い意味を持つらしく、「〜しながら、〜してすぐ」という同時を表しているらしい。
・p. 32, l. 10 der Magd
 「女中」の意味。l. 12にDie gute Alteとあるところを見ると、かなり年配の女性のよう。
・p. 32, l. 11 etwaigen
 「あるかもしれない、その類の」の意味。etwasから来た語。
・p. 32, l. 12 Die gute Alte
 l. 10で言及のあった女中さんのこと。この語を先行詞として、l. 12〜l. 15のwelcher die gewichtigen Mienen … vorkommen mochtenという関係代名詞節がかかっている。
・p. 32, l. 13 ihres sonst so fröhlichen jungen Herrn
 直訳すると、「彼女(=女中さん)の普段はとても朗らかな若い主人」であり、サリエリを指す。
・p. 32, l. 14 der erhaltene wiederholte Auftrag
 「前と同じように繰り返された」の意味。
・p. 32, l. 14 vorkommen
 「起こる、現れる」の意味だが、ここでは「思われる」と訳すべき箇所。
・p. 32, l. 15〜l. 16 eine halbverborgenen Lächelns
 2格目的語。この文の動詞、l. 15〜l. 16のsich enthalten「断念する」が2格目的語を取るため。
 女中さんは、普段は明るいサリエリが改まって真面目に「誰かが訪ねてきてもいないと言ってくれ(オペラを書くので)」と繰り返すのが面白くて、笑いが堪えられなかった様子。サリエリにはどこかこんなふうに相手をクスッとさせるところがある。
・p. 32, l. 17 die arme Närrinn
 Narrは「馬鹿者」の意味で、Närrinnはその女性形。「この哀れな馬鹿者(女)」は女中さんのこと。自分が仕事に真面目なのに笑われてしまったからといってここまで言わなくても。
・p. 32, l. 19 So bald
 今なら一語にするところ。「するやいなや」の意味。
・p. 32, l. 19 mich allein sah
 「一人になって」の意味。
・p. 32, l. 19 befiel
 befiel(過去)< befallenは「(感情が)突然起こる」の意味。
・p. 32, l. 19〜l. 20 unwiderstehliches
 この語に含まれるwiderは、日常的によく見るwieder「再び」と一文字違いで「〜に逆らって」の意味なので注意。英語のagain「再び」-against「〜に反して」の関係性と同じ。
・p. 32, l. 21〜l. 22 der Personen
 2格になっていて、l. 21のden Characterとdie Situationにかかる。
・p. 32, l. 22 eine Bewegung
 直訳すると「動き」だが、「オーケストラの演奏」を指していると考えられる。これを先行詞として、l. 22〜l. 25のdie … zu verbinden schienが関係代名詞節でかかっている。
・p. 32, l, 23〜l. 24 den, dem Te"xte nach zerstückten Gesang
 名詞本体はden Gesangで、間の部分は冠飾句。冠飾句が挿入される際のコンマは現在ならばいらない。冠飾句の中のdem Texte nachは「テクストに従って」の意味。
 難読フラクトゥアのxがあるので注意。
イメージ 1
・p. 32, l. 25 Geist
  ここでは「気持ち」の意味。
・p. 32, l. 28 So
「そのようにして」の意味。
・p. 32, l. 28 stand
 「書きあがった」という状態の意味。
 たった30分でオペラのイントロの草案を書き上げてしまったサリエリ。
・p. 32, l. 29〜l. 30 Wer war vergnügter als ich!
 直訳すると、「誰が私より楽しかっただろうか!」となる。作曲が楽しくて楽しくて仕方のない様子。ここからサリエリの筆は冴えわたりまくり始める。この時点で夕方6時(l. 30による。
・p. 32, l. 31 Ich ließ mir Licht bringen.
 「明かりを持ってこさせた」なので、自分で明かりをつけたわけではなく召使に頼んだようだ。
・p. 32, l. 32 du
 サリエリの発言の中の人称代名詞で、サリエリ自身のことを指していて自分に言い聞かせている言い方。あまりに作曲が楽しくて筆が乗っているので、「今夜は寝ないぞ」と決心する。
・p. 32, l. 32 Phantasie
・p. 32, l. 33 soll
 「なければならない」のsollen。
・p. 32, l. 33 das erste Finale
 「第一幕の最後」の意味。この語を先行詞として、p. 32, l. 33〜p. 34, l. 2のdas, … Introductionという関係代名詞節がかかっている。この関係代名詞の中に、dasと同格のp. 33, l. 1のwas die Worte betrifftがかかり、p. 33, l. 1のsoの具体的な内容としてp. 33, l. 1〜l. 2のwie die Introductionが示されている。
・p. 33, l. 3 der Tact- und Ton-Arten
 このTactは「拍子」、Tonは「調(音)」の意味。曲の全体像を定めるために基本的な要素を決めた模様。
・p. 33, l. 3〜l. 4 wozu cih drei Stunden verwendete
 12時前に「今夜は寝ない」と決めて3時間経ったところなので、深夜3時くらいまで作業が続いたということになる。
・p. 33, l. 5 die Wangen brannten mir
 直訳して、「私の頬は燃えるようだった」。さすがに作業が続いたので眠くなってきて、神経が昂ると頬が熱くなるのはどうやらサリエリの癖というかタチだった模様。他の所でも出てくる。
・p. 33, l. 6 auf und ab
 「いったりきたり」の意味。眠かったので部屋の中を歩き回ったのであろう。
・p. 33, l. 6 zog
 zog(過去)< ziehenでやや意味が取りにくいが、「引き寄せられた」の意味で、「気が付くとそうなっていた」と訳すとそれっぽい。
・p. 33, l. 7 das Schreibepult
 「書き物机」のこと。この語を先行詞として、l. 7のwo cih … begannが関係代名詞節でかかっている。
・p. 33, l. 8 Mitternacht
 これまでの記述からすると、深夜3時くらいと考えられる。

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