カメムシの仲間で、クヌギカメムシ科に属する種類は全て、
これから紹介するように、成虫だけでなく幼虫時代も、
大まかな体型(?)が、小判型(楕円形)である。

 ⇒全てと言っても、日本で見られる種類は、
  クヌギカメムシ類3種とヨツモンカメムシ、
  そして、今回のナシカメムシの5種のみである。






まずは、幼虫から・・・


ナシカメムシ終齢幼虫(クヌギカメムシ科)
イメージ 1
2012年5月29日 南湖公園・福島

通常の幼虫はもう少し明るい色をしているようなので、
過去に種名不明の幼虫として紹介したことがある。

【一本の桜の木に、4種のカメムシが!!】
  ↓   ↓   ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120617/1/










ナシカメムシ終齢幼虫(クヌギカメムシ科)
イメージ 2
2012年5月29日 南湖公園・福島

2匹が並んで写っているが、この時点で終齢幼虫であり、
おそらく、昨年の晩秋に、この桜の木に産卵された卵塊から、
孵化した幼虫が越冬したものと思われる。

 ⇒ナシカメムシは、カメムシの仲間としては珍しく、
  樹皮の隙間に入り込んで、集団で幼虫越冬する。
  








そして、成虫は・・・


ナシカメムシ成虫(クヌギカメムシ科)
イメージ 3
2010年8月8日 郡山・福島

楕円形から少しはみ出した腹部(結合板)の縞模様が印象的で、
何故か和風の雰囲気があると感じるカメムシである。

 ⇒和名がナシカメムシであるが、この子は、個人的な感想だが、
  珍品だと思っているので、少なくとも梨の害虫ではないはずだ【注】










ナシカメムシ成虫(クヌギカメムシ科)
イメージ 4
2016年7月28日 戦場ヶ原・栃木

この子は、戦場ヶ原の遊歩道(木道)脇のクマザサで見つけた。

 ⇒付近を見渡しても、サクラの木はもちろん他の樹木はなく、
  もしかしたら、風に飛ばされてきたのかもしれない。





【注】多少気になったのでネット検索してみると、
   ナシの害虫の項目には、ナシカメムシは出てこない。

   ただし、手持ちのカメムシ図鑑(第1巻?)には、
   「ナシ、リンゴ、ウメ、サクラなどの果実を吸収し、
   果樹害虫として知られている」
とある。

   しかし、第3巻では、果樹害虫に関する記載はなくなり、
   「第1巻でサクラの樹幹でよく見られることを述べた。
   幹に産み付けられた卵は冬期を迎える前に孵化し、
   年内に3齢程度まで発育する
」となっていた。




   

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大型で貫禄のあるオオヘリカメムシだが、
北国では、比較的普通に見られる種類である。

国内で最大のカメムシの仲間とされているが・・・【注】

 ⇒私が知る限り、カメムシ類の幼虫で、
  同定が気楽にできる種類はそんなに多くないが、
  オオヘリカメムシは、さりげなく例外だと思う。






まずは、分かりやすい幼虫から・・・

オオヘリカメムシ3齢幼虫(ヘリカメムシ科)
イメージ 2
2016年7月31日 裏磐梯・福島

他に近似種がいないオオヘリカメムシの場合は、
例外的に3齢幼虫でも同定が容易である。

 ⇒やはり、よく似ている種類のホオズキカメムシとか、
  オオトビサシガメの幼虫とは違っている。









オオヘリカメムシ4齢幼虫(ヘリカメムシ科)
イメージ 1
2016年7月31日 裏磐梯・福島

定番のアザミに葉っぱにいることが多く、大型種なのでよく目立つ。

しかも、まるで成虫のような前胸背測角の形状で、
この4齢幼虫の写真でも、大きさが想像できると思う。

 ⇒幼虫時期には、ホウズキカメムシのように、
  集団になっているのが、ときどき観察される。
  もちろん、過密な大集団ではないが・・・









オオヘリカメムシ5齢幼虫(ヘリカメムシ科)
イメージ 5
2010年8月29日 だんぶり池・青森

5齢幼虫になると、まるで翅の短い成虫である。

 ⇒背中に4か所の小さな突起が見えるが、
  この部分が臭腺の開口部であり、成虫との識別点でもある。

  ヘリカメムシ類の匂いは、どちらかと言うとマイルドで、
  カメムシ科の匂いほど強烈ではない(と思う)。









そして、成虫・・・

オオヘリカメムシ成虫(ヘリカメムシ科)
イメージ 3
2011年9月15日 白岩森林公園・青森

かなり頻繁に見かける朝露に濡れた成虫。

大型種なので、見た目は物凄く迫力があるし、
小さなアリなんかは、蹴とばしてしまいそうである。

 ⇒実際に、匂い成分を放出しないで、
  アリを吹っ飛ばしている場面を見たことがある。









オオヘリカメムシ交尾(ヘリカメムシ科)
イメージ 4
2011年6月7日 白岩森林公園・青森

こちらは、交尾中の比較的珍しい写真で、
明らかに体の幅が、雌雄によって異なっている。

 ⇒ひとつ上の写真の成虫は、
  体の太さ(幅)の違いから、雄であったことが分かる。





【注】日本のカメムシ類の中で、最大種と言われることも多いが、
   体長だけの比較だと、オオトビサシガメの方が大きいような気がする。

   念のため、手持ちの北隆館の図鑑でしらべてみると、
   オオヘリカメムシの体長は、19〜25mmで、
   オオトビサシガメの体長は、20〜26mmとなっていた。

   さらに、日本原色カメムシ図鑑第3巻によると、
   2006年に記載されたミナミオオヘリカメムシ
   【Molipteryx asahinai Kikuhara,2006】という種が、
   九州・四国・本州の温暖な地域で見つかるようだ。
   その体長は【19.9〜26.3mm】とされており、
   ミナミオオヘリカメの方が、わずかだが大きいことになる。

   だから、世界最大級の蛾と言われるヨナグニサンのように、
   さりげなく日本最大級のカメムシとすれば良いことなのだが・・・





次回から、【虫たちの生き残り戦略シリーズ】⑭から再開します。








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黒色と赤色の縞模様が特徴的なアカスジカメムシは、
セリ科植物上で見られ、日本全国に分布する普通種である。

 ⇒成虫と幼虫が同じ植物にいて、外観も似ているので、
  誤同定の危険性(?)は全くないと思う。





まずは、幼虫から・・・


アカスジカメムシ幼虫(カメムシ科)
イメージ 1
2014年7月30日 だんぶり池・青森

この子は、前胸背の模様が成虫と同じで、
近似種がいないこともあって、誰が見ても(?)、
アカスジカメムシの終齢幼虫である。








アカスジカメムシ幼虫(カメムシ科)
イメージ 2
2014年8月9日 だんぶり池・青森

これは、記事には出来ないピンボケ写真なのだが、
よく見ると、ちょっとだけ不思議な瞬間である。

 ⇒注目は左右の脚の位置で、完全に2本の花茎をまたいでいる。
  一体どうやったら、この体勢で静止できるのだろうか?
  バックしてきたのだろうか??









アカスジカメムシ脱皮直後(カメムシ科)
イメージ 3
2014年7月30日 だんぶり池・青森

およそ10年以上前から、虫たちを採ることがなくなり、
基本的に撮るだけになったので、野外(の自然状態)で、
虫たちの脱皮中の瞬間に遭遇するのは、幸運なことだと思う。

 ⇒残念ながらこの写真は、脱皮の瞬間ではないのだが・・・








そして、成虫は?


アカスジカメムシ成虫(カメムシ科)
イメージ 4
2010年6月14日 だんぶり池・青森

セリ科と言えば、すぐに頭に浮かぶカメムシだ。
この赤と黒の縞模様は、警戒色の典型である。

 ⇒ネット情報で、赤い縦条は濃淡と幅に、
  個体差が見られるとされている。
  この情報の出所は、「日本カメムシ図鑑」だと思われるが、
  私の撮った写真で見る限り、そのような変異は全く気にならない。










アカスジカメムシ交尾中(カメムシ科)
イメージ 5
2010年6月18日 だんぶり池・青森

越冬成虫が、北国の遅い春を迎えて、
ようやく(?)交尾しているところだと思う。

 ⇒有毒とされるセリ科の植物から吸汁するのだが、
  ときどき人間も食べて、独特の味を楽しんでいるように(?)、
  そんなに強烈な有毒成分を含んではいないだろう。

  セリ科植物は、いわゆる「微妙な有毒植物」の範疇だと思う。

  【警戒色の虫たちと有毒植物⑤ セリ科】
    ↓   ↓   ↓
   http://kamemusi.no-mania.com/Date/20160331/1/







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幼虫での同定がかなり難しいカメムシの仲間でも、
季節や植物が特定される場合だとか、あるいは、
過去にその場所・植物で、何度も成虫を見かけている場合など、
幸運が重なると、さりげなく同定できることがある。

今回は、そんなふたつの条件が偶然重なった、
珍しい(幸運な!)例を紹介したい。




有名な酸ヶ湯温泉から少し上った大駐車場周辺にあるダケカンバでは、
何故か、様々なカメムシ類に出会うことがある。

あまり目立った存在ではないが、スコットカメムシも常連客である。

【ダケカンバにも、7種のカメムシが!!】
 ↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131129/1/

関東では、虫たちが少ない森林限界付近に見られるダケカンバが、
自宅から車で2時間程度の酸ヶ湯温泉周辺(標高900m)に生育するので、
その果実を求めて、想像以上に色々な虫たちが集まって来る。

 






まずは、別の場所で単独で見つけても、
絶対に同定できないような幼虫・・・


スコットカメムシ終齢幼虫(カメムシ科)
イメージ 4
2013年9月11日 酸ヶ湯温泉・青森

あまり目立った特徴のない幼虫であるが、
前述のブログ記事のように、成虫を何度も見かけており、
この子は、スコットカメムシで間違いなさそうである。

 ⇒いずれにしても、多くのカメムシ科の幼虫は、
  色彩と形状に関しては、こんな雰囲気なので、
  他の場所で見つけた場合には注意が必要である。









スコットカメムシ終齢幼虫(カメムシ科)
イメージ 1
2013年9月11日 酸ヶ湯温泉・青森

スコットカメムシは、前回のツマジロカメムシと同様に、
雑食性(たまに肉食?)の性質があることが知られている。

 ⇒幼虫時代に、おそらく動物性蛋白質(?)を摂取しないと、
  正常な発育ができないのかもしれない。









そして、成虫は?


スコットカメムシ成虫(カメムシ科)
イメージ 2
2013年10月10日 酸ヶ湯温泉・青森

スコットカメムシは、晩秋に多数の成虫が家屋に侵入し、
強い悪臭を放つことがあるので、いわゆる不快害虫とされている。

 ⇒ごく少数の例外を除き、多くの人たちは、
  家屋内でカメムシの大集団に遭遇すると、
  視覚的に不快な感情を抱くようである。










スコットカメムシ交尾中(カメムシ科)
イメージ 3
2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

ちょっとだけ不思議なことに、本種は越冬の前後に、
さらには越冬中にも、交尾することが知られている。

 ⇒正確に記載すると、越冬初期の12月上旬までと、
  越冬終了時の3月下旬の期間とされているようだ。

この交尾の際に、雄成虫は精子だけではなく、
婚前贈呈とされる栄養成分も、雌の体に注入することが知られている。

 ⇒もしかしたら、前述の肉食性(?)と関連するかも・・・



この特異な交尾行動および適応的意義については、
別の機会に、まとめて紹介出来ればと思う。




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農業害虫ではなく、不快害虫に分類されるツマジロカメムシ。

幼虫には金属光沢があり、似たような雰囲気の幼虫は少ないので、
同定はそんなに難しくないと思う。







まずは、幼虫から・・・


ツマジロカメムシ幼虫(カメムシ科)
イメージ 1
2013年9月11日 白岩森林公園・青森

この写真は、自画自賛の一枚である。

なんたって、カメムシがお尻を上げた瞬間を見つけると、
貴重な写真が撮れる可能性があるのだ。

 ⇒空中にオ〇ッコ(一般的に言うと糞?)が、
  赤矢印の先に、ぼんやりと写っている。


この写真は、マメ科植物から吸汁して、
必要な栄養分を摂取した後、余剰分を排泄している場面である。

ところが食性に関しては、ちょっとだけ不思議な習性を持っているようで、
この子は「肉食系」である可能性も指摘されているのだ。

 ⇒手持ちのカメムシ図鑑(第1巻?)によると、
  「山地のキイチゴ、クヌギ、キリ、フジ、ミズナラ、ノリウツギ、
   ニワトコなど多くの植物に寄生し、初夏から夏にかけて産卵する。
   クロタマゾウムシの幼虫を捕食すると言われている

  とされ、雑食性の可能性も示唆されている。

もしかしたら、ツマジロカメムシや、同属のスコットカメムシなどは、
幼虫時代に、他の虫たちから特殊な栄養分を摂取しないと、
正常な発育ができないのかもしれない。








ツマジロカメムシ幼虫(カメムシ科)
イメージ 2
2013年9月3日 だんぶり池・青森

そういえば、私も、(ずいぶん前の話だが)
サクラの木で見つけた多分ツマジロカメムシの幼虫を、
枝ごと持ち帰って、そのまま飼育しようとしたことがあった。

そのときに、偶然葉っぱに産み付けられていた蛾の卵塊から、
幼虫が吸汁しているのを見かけたことを覚えている。

 ⇒図鑑に載っていたクロタマゾウムシの幼虫も、
  多分移動性が少なく、卵のようなものだと思う。



というわけで・・・・

もしかしたら、ツマジロカメムシは、肉食もする雑食性(?)で、
単に、動物質の餌を求めて歩き回っているところを採集されて、
沢山の植物が、ホストとして掲載されている可能性があるようだ。

こんなことは、幼虫を捕まえてきて、飼育してみれば、
簡単にわかることなのだが・・・・
 
【君は肉食系なの?? ツマジロカメムシ】

  ↓   ↓   ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131126/1/








そして、成虫は?


ツマジロカメムシ成虫(カメムシ科)
イメージ 3
2010年6月22日 梵珠山・青森

成虫は、やや金属光沢のある黒っぽい紫色の体に、
真ん中の白斑がひときわ目立つカメムシだ。

 ⇒都市近郊の雑木林にも普通に分布し、
  前述のように、どんな植物上でも発見されるイメージがある。
  







ツマジロカメムシ成虫(カメムシ科)
イメージ 4
2012年5月29日 南湖公園・福島

これは珍しい(?)ツマジロカメムシの産卵場面である。

ところが、産み付けている植物が、
今まで、ホストとしてリストアップされたことがない(多分?)、
有毒成分を持つケシ科のタケニグサの葉裏なのだ。

カメムシ科でも、何種か食草外産卵は知られているが、
この種でもそうである可能性は、十分ありうるだろう。

 ⇒本種が特定の植物に寄生しない雑食性なので、
  おそらく肉食のクチブトカメムシのように、
  どんな植物にでも産卵するのかもしれない。







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