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(またまたコメントして下さった方のお返事前にすみません!)
おそよ30年ほど前、世界のヴァイオリン界に驚愕な衝撃を与えた名盤 パガニーニの24のカプリスを
録音したシュロモ ミンツ氏。
その演奏から聴き取れる、信じがたい左手の正確かつ強靭な、驚異的なテクニック
ボーイングの、あらゆるどんなテクニックの種類も、今だかつて、誰もがここまでパーフェクトにコントロールする事は出来なかった領域に、世界に初めて到達している事を、証明してしまった、恐ろしいまでのボーイング テクニック。
それに加え、ミンツ氏の凄いところは今までの長いヴァイオリン界の歴史の中で
聴いたことのない、新しい響き、全くオリジナルな美学を持ったスタイルを生み出した事。
本当に独自のヴァイオリン演奏スタイル。
それに加え、あまりにも豊かで自在な音楽性、今まで誰もやらなかったような大胆で凛々しい、アタック、迫力、弦3本の重音も全く同時に、いや4本の重音までも同時にまるで1本の弦が4重音のように鳴らす事が出来る、しなやかで強靭な右手。
驚異的なワンボウ・スタッカートや高速スピッカート
強力で完全にコントロールされたマルテレ。
逞しいデダッシェ。
輝くようなリコッシュ。
それらが寸分の乱れも無くコントロールされている驚き。。
これほどの内容の演奏を超えるテクニックと音楽性を備えたパガニーニを僕はこの30年
聴いた事はない。
そしてなによりも、ミンツ氏の豊かで深く、超密度の濃い、それでいて現代的なクールさを備えた、セクシーな音色がたまらなく好きだ。
僕にとって、エベレスト山より高くそびえ立つ演奏内容がそこには吹き込まれてた。
そんなミンツ氏のパガニーニの24曲全曲をまさか生で聴ける機会があるとは、夢にも思っていなかった。
まずはこんな夢のようなコンサートを実現してくれた音楽関係者に心の底から感謝の気持ちで一杯。
コンサート当日は自分のコンサートも2日後に迫っているにも関わらず、練習が全く身に入らず、
興奮を抑えきれず、紀尾井ホールに向かった。
自分のコンサート前の緊張とは全く違う緊張感を感じながら、ミンツの登場を待つ。
そこに遂に圧倒的なカリスマ感と逞しさを、兼ね合わせたようなオーラと同時に、
普通の人のような自然な雰囲気、しかし若々しいエネルギーを感じる、本当に複雑な存在感を放ちながら、
ゆっくりと落ち着いた雰囲気で登場した。
手に持っているのは、とても手入れの行き届いたように見える、美しいストラディヴァリウス。
テールピースや顎あては意外にもローズウッドのように見受けられたけど、違うかな。。
肩当は今までのミンツの映像では使用を確認出来なかった、KUN製のものだった。
ミンツ氏がヴァイオリンを構えた瞬間、30年前の構え方とは違うフォームを確認した。
顎当てのタイプも肩当の種類も位置も違っていた。
ミンツ氏のような人でも、常に奏法を研究し改善していくのを実感して、それだけで感動してしまう。
強力なサウンドを、ヴァイオリンから引き出すミンツ氏にも関わらず、思いのほか弓の毛を、張っていない事を確認。
その状態でリコッシュ満載、3度満載の1番から。
1曲目に弾くには、普通に考えたら最も弾きたくない曲の一つだと思う。
それをいとも、普通に当たり前のように弾き出したミンツ氏に、僕の集中力は最高潮に登りつめた。
低音のビロードのような豊かな音を聴いて、現在ミンツ氏がストラドを弾いている訳を感じた。
1曲終わるたびにヴァイオリンを下ろし、精神を集中させる姿が、パガニーニの1曲、1曲に深みを与えた。
そんな雰囲気の中24曲を、強靭な集中力と体力と驚異的なテクニックで見事に弾ききったミンツ氏。
このエベレスト山登頂を、見事に成し遂げた素晴しい偉業に、思わずブラヴォーを叫び、
思わず涙ぐんでしまった。
特に圧巻はあの見たことも無い、脅威的なワンボウ・スタッカート。
全曲を通して、一切乱れる事の無い、左と右のフォームバランス。
しなやかで強力で筋肉質な奏法は、やはりミンツ氏だけが到達した領域だった。
最近知った宗次エンジェル ヴァイオリンコンクールでの審査委員長としての活動や数々の国際コンクールの審査員、教育活動、平和活動
そしてサイン会での、一人一人に対するあまりにも誠実な態度から受けた、素晴しい人間性。
宗次エンジェルコンクールで直接、アドヴァイスを受ける事が出来た出場者は、本当に本当に最高に貴重な経験となり、生涯の財産となると思う。なんて素晴しい事なのだろう。
ちなみに7日のコンサートの前日まで、宗次エンジェル ヴァイオリンコンクールの審査委員長を務めていらしたのだ。
そして7日に東京公演である。いくら弾きなれているとしても、僕にはとても想像すら出来ない。
そんなミンツ氏の信念や人間性の全てが凝縮された、
本当に深く豊かでありながら、誠実で大胆で勇敢な
ひと言や1000言ではとても言い表せない、パガニーニだった。
紀尾井ホールにブラヴォーの嵐が鳴り響いた。
そしてこの人はこれからもズーッと進化し、又僕らの想像を超えて変化し続けていく、果てしない向上心と情熱を持っている方なのだと、確信した。
こんな素晴しいヴァイオリニストと同時代に生きれているなんて、なんて幸せな事なのだろう。
今日の素晴しい出会いは、これからの僕のヴァイオリン演奏にも絶対影響してくると思う。
そしてこれからもミンツ氏の活動を追いかけ、学んでいく。
心の底から敬愛します。
サイン会では自分が使用している肩当にサインしてもらったら、ミンツ氏に僕も同じの使っているよと言われ、超感激してしまった。
そしてミンツ氏の、あまりにも誠実で謙虚な自然な人間性に心から尊敬の念を抱いた。
今までのミンツの映像を見る限り、この肩当を使っているのを見た事がなかったので、本当に感激の嵐だった(笑)
これからもどんどん録音も残して欲しいし、出来る限り多く来日して欲しいと心から願う
進化し続ける世界最高のヴァイオリニスト、シュロモ ミンツ氏であった。
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