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織田裕二の世界陸上がひんしゅくを買っているという。
確かに、視聴者無視で一人盛り上がりすぎ。いかに命かけているかもしれないが、それも「独り善がり」だ。
役者としての織田裕二は嫌いじゃないから、「こういうもんだ」と思ってしまえばどうにか見ていられる。
問題は、そうしてでも視る視聴者に対し、「視聴者の視たいものが解っていない」TBSである。
ナショナリズムをかき立てるこのようなイベントは、どんな番組構成でも視聴率がとれるだろう、というまさにコンテンツにあぐらをかいたTBSの番組制作。
この番組に「コンテンツ」はあっても「番組コンテンツ」は無い。
思い出すのは4年前のこのころだ。
話はプロ野球の中継の話になる。
TBSが横浜ベイスターズのオーナーになったとき、これで大魔神以降下り坂だった横浜の人気も回復するかもしれない、と思ったものだ。
最近はすっかり地上波では野球中継は凋落してしまったが、当時はパリーグの試合も時々放送されていた。
神奈川県でこそTVK(テレビ神奈川)で放送されていたが、東京ですら試合をテレビで満足に視ることはできない。そこへTBSの出資だ。テレビ放送が少しでも増え、選手も映ることでだいぶ変わるだろう。
ファンではないが神奈川県民として、そう期待した。
その期待は完璧に裏切られた。
最下位で苦闘している横浜を無視して「巨人−中日」を放送する局だ。
TBS社屋の玄関に貼り出されていたポスターがむなしい。
2003年、星野阪神が優勝したこの年、横浜は最下位。
「横浜−阪神」戦もTBSではもちろん放送されない。
阪神ファンである自分はCS放送で阪神の試合を探しては視ていた。
それは横浜の主催で札幌で試合が行われた日だった。
いつものようにCS放送を探してたどり着いた試合を視て、愕然とした。
横浜の打者がバッターボックスに立ちピッチャーをにらむ。
そのヘルメットに大きく貼られたシールの文字。
「世界陸上」
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プロの野球選手が生活を賭けて闘っている試合、そのオーナーである会社は、彼らに自社の別番組の宣伝をさせている。
彼らは試合をしながら「世界陸上を視てください」と叫ばされている。
「TBSでは僕らの試合はないけど、世界陸上はぜひ」
TBSがプロ野球球団のオーナーになってやりたかったことは、こんな事だったのである。
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それから数年後、新興ネット企業が横浜球団を買収することに、猛反発したTBS。
球団を保有することの意味をどの口が言うのか、放送局として球団に対して何をしてきたのか、仙台の実績に対抗できるデータを是非出してほしい。
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今日、世界陸上の合間に「横浜−巨人」戦が54分間放送されている。
放送局がついても援護無く球団は低迷、プロ野球自体の人気も落ちたのは、そういう態度が悪循環を作ったのだ。
もはや土曜の午後の54分間はむなしい時間、試合途中で打ち切られたあとに続くは「美女100人」なる番組。
一刻も早くプロ野球関係から退場してほしい。
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