彷徨える法の支配

司法改革過渡期における軋轢の考察録

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議事録

 
(承前)
 
○櫻井財務副大臣 すみません。今の南雲委員からのことについては,さすがの財務省もちょっと資料がまだ準備されていないので,貸与制のところだけではなくて,この新システムになって国の法曹養成にかかっている費用全体を次回までに提出させていただきたい。ここだけ切り出してくるのはちょっとおかしいと思っていまして,どのぐらい全体として国家として支出しているのかと,そこは次回にちょっと提出させていただきたいと思います。
 
 
【転載者注記:参照】
 
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(櫻井財務副大臣の発言の続き)
 
 一つは,我々も,本当に国家財政が非常に厳しくて,正直申し上げて平成24年度の予算がどうなるのかという議論を今させていただいている最中でもございます。(中略)そういう意味では,一度決めた政策ですから,これについては是非このままやっていただきたいと,すべてのものがみんな動いていて,ここだけ動かないというのは,私はやはりおかしいと思っております。
 
 ただし,その一方で,今回の資料で見せていただいたように,収入が何らかの事情で少ない方がいらっしゃるので,この方に関してはきちんとした措置をとらなければいけないというのもこちら側として感じたことであって,一律に入口のところで皆さんにということではなくて,やってみて,お支払いいただけないという方々に対して手当てをしてくるということのほうが私は筋なのではないかと。これは,税金で負担するということは国民の皆さんの負担ですから,そういう点でいうと,もう少し考えなければいけないのではないのか。
 
 それから,我々が今議論しているのは生活費の話であって,修習生の勉強のところに対しては国費を投じていますので,それはちょっと誤解のないようにしていただきたい。ですから,その生活費が一体どういうところに充てられているのか,この辺ももう少しきちんと見ていかなければいけないのではないのかと思います。
 
 それから,この日弁連から出てきたパンフレットですけれども,私はよく理解できないのは,なぜ給費制を維持すると市民のための法律家が育ってくるのかと,ここの論法が全く分かりません。我々医者と弁護士さんのこの問題はよく出てまいりますが,絶対的に違うのは,我々はきちんと医師免許を得て,本来仕事ができて収入が入るのに,あなた方は一定の勉強をしなければいけないと制限をされたから,我々のところは,国からお金というか,基本的には病院からという形になっていますけれども,それで収入を得ているのであって,そこがまず全く違うと思っております。そういう点で申し上げますと,私は,そういった形で国からというか,援助をいただいていない口の人間からすると,この文章だけをそのまま見ると,まるで自分たちでお金を稼いだ人たちは市民のための医者ではなくて,なぜか国から給費されると市民のための医者が育っているかのような感じを受けてまいります。そういうことではなくて,市民のための法律家になるかならないかというのはお金の問題ではなくて教育の問題であって,これをまるで市民のための法律家が育たないかのようにおっしゃってくるというのは,私はちょっと筋が違うのではないかと思います。
 
 それから,宮脇先生から会費のお話がありましたが,我々医者は,会費が払えないと思えば,医師会には加入いたしません。私は5年半無給医局員でしたから,その間は当然のことながら医師会費も払えませんから,医師会に入っておりません。それから,今はいろいろな関係があって医師会に加入いたしましたが,相当な減免措置がありまして,開業医の先生方と僕らは全然会費が違ってきているので,そういったことも実際に必要ではないのかと思っています。とある弁護士さんから「ひどくないですか。」と私が直接言われたのは何かというと,「自分たちが稼いだ額から会費のほかに上納しなければいけないのだ。こういう負担がものすごく大きいので,この辺をきちんと変えてもらいたい。しかも,これは会館を維持するためにどうも上納しているようだ。」ということも言われて,全体的なことを変えていかないといけないのではないのかと感じております。
 
 (中略)その質の担保の中で,今日は資料を出させていただきましたが,これは今日のテーマではありませんで,次回以降のことでちょっと見ておいていただきたいのですが,弁護士被害者連絡会というところの会長さんから,もう少し質の向上のところでシステムとして考えてもらえないだろうかと。つまり,僕ら医者は,最終的には厚生労働省からずっと監督されていまして,何か問題があればそこから処分を受けるようになってきていて,これを是非医師会の中でやらせてくれと言うと,医師会などは信用できないから絶対駄目だと言われているわけでして,それが,日弁連の中で,例えば懲戒処分の請求などをしてもほとんどが棄却されているような状況です。こういった組織全体の在り方そのものをお考えいただかないとどうも先ほどの宮脇先生のお話ではありませんけれども,組織のために何かすごく苦労しているとか,そういったことも改めて御検討いただきたいと思っております。
 
【転載者注記:参照】
【資料8】財務副大臣提出指示資料 [PDF]
日本弁護士被害者連絡会(日弁被連)会長提出に係る要望書
 
(中略)
 
○岡田委員 (中略)最近,私もびっくりしたのですが,出会い系サイトの問題でインターネットで探偵社に飛び込んだという消費者が結構いるということを知りました。その結果解決しないものでセンターへ入ってくるのですが,「何でそこへ行ったのか」と聞きましたら「弁護士は高いから」という回答だそうです。まだまだ弁護士に対してはそういう認識なのです。消費者センターで,これは絶対弁護士さんにやってもらわなければいけないからということで,センターとして信頼できる所へ誘導するのですが,なかなか動いてくれません。それは高いからということなのです。つまり私が申し上げたいことは,最終的に大変弱い立場である高齢者であり消費者というのは,弁護士さんに頼るしかない。でも,そこまで送り込むのにいかに私たちが苦労しているかということからいいますと,弁護士会ももう少し国民の理解を得るような活動をすべきではないかと思います。
 
 今年,去年からですか,弁護士会は司法修習生の給費制に関していろいろ活動をされていらっしゃるのですが,私たちの周囲では,16年のときに決まったことを何でここで苦労されるのか,どうして16年のときにもっと活発に国民に対して理解を求めるようなことをなさらなかったのかと,そういう声が圧倒的に多いのです。もちろん私たちは,弱者のために理解してくれる法曹家,これは弁護士さんに限らないのですが,そういう方にどんどん出てきていただきたいという部分では,そういう方が増えるような体制というのは絶対必要だと思います。先ほど翁委員がおっしゃいましたけれども,給費制にすれば志願者が増えるということに私も賛成しかねるというのが一つと,一度法律で決まったものをここで変えろということは,言わば法律の番人の役割も期待される弁護士さんは最も分かっていらっしゃると思うのです。だとすれば,少なくとも私どもが理解できるような説得力のある根拠を示してほしいのです。そうでないと,私は国民の声,消費者の声をここへ届けるために来ているものですから,私の役割が果たせないと思います。私は,今の時点で絶対貸与制であるべきだとは決めていませんけれども,弁護士会として今のような主張をなさるのであれば国民が納得できる根拠を示していただきたいと思います。
 
(中略)
 
○山口委員 簡単に感想なんですけれども,先ほどの弁護士会のオブザーバーの方の説明で,2点ほどちょっと違和感を感じたのです。例えば,まとめのところで米百俵の精神というのが出てきましたけれども,人材育成に国が一生懸命やるというのはそのとおりだと思うのですけれども,もしこれを言うのならば,先ほど櫻井副大臣が言われましたけれども,一人の法曹をつくり出すのにどれぐらいのお金を国が負担しているのかという全体の中で,これが減っているのであれば,これは正に米百俵の精神がどんどん崩れてきているという話になるのだけれども,制度改革をやって増えたのだと思うのです,それはどれぐらい増えたか分かりませんけれども。増えたので,この部分は減らしましょうということで給費制の話をしているわけで,給費制だけ取り出して,これをやめると米百俵の精神からずれるのだというのは,ちょっと論理的に飛躍があるのではないかと思いました。
 
 もう一つは,法曹志望の心理的障害を除去しなければならない。その心理的障害というのは,要するに所得がどんどん減っているということなのだと。そうすると,所得が減っていることが心理的障害になっているわけですから,だから給費制というのは,これもどうも僕はよく分からなくて,だとしたら,所得が減らないようにどうしていくかという議論になるので,例えば同じお金を使うのであれば,例えば中小企業などが弁護士をもっと活用できるように制度をつくって,そこに少し補助金を出しましょうということにして,弁護士が活躍できる場を増やすことでそういう障害を取っていこうということで論理的にはつながると思うのですけれども,所得がどんどん減っているところでみんなが心配しているから給費制にしろといっても,これは問題解決にはならないように僕は思うんです。どうも給費制維持というのが先行してちょっと強引に議論がつくられているような印象を,税金を払う側の感覚で言うと,そういう感じがちょっとしたんです。それだけです。
 
 
 
【構成員名簿】
 
【第3回会議の議事録の出典】
 
 
 
 

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