彷徨える法の支配

司法改革過渡期における軋轢の考察録

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 つい一昨日、以下のような報道がありました。去年の裁判所法改正に基づく司法修習生給与の貸与制の1年間の延期に関するものです。
 
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修習生の給費制打ち切り=11月から貸与制―政府
時事通信 84()1227分配信
 
 政府は4日午前、法曹養成改革に関する関係省庁副大臣らの検討会議(転載者注記:「法曹の養成に関するフォーラム」のこと)を法務省で開き、司法修習生に月額約20万円を支払う「給費制」を打ち切り、11月から無利子の「貸与制」に移行する方針を確認した。また、奨学金返済を抱える低所得者の負担軽減策を講じることでも一致した。8月末に同会議を開き、正式に決定する。
【出典】
 
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 ところで、前出報道にある「検討会議」こと法曹養成フォーラムの第4回会議では、以下のような資料も委員から提出されていました。以前にも触れたとおり、この弁護士会に弁護士が納入することを義務付けられている会費は、やはり異常に高額だというのが世間一般の反応でしょうね。
 
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法曹の養成に関するフォーラム第4回会議(平成23年8月4日開催)

【資料10宮脇委員提出資料 [PDF]
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
【出典】
 
【構成員名簿】
 
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 この上記の宮脇委員提出に係る資料にある、
 
「個々の司法修習終了者の経済的状況等を勘案した措置」のイメージ(案)

 
1.政府および裁判所

② 債権管理と非行抑止の観点から、刑法犯や一定以上の懲戒処
分を受けた者に対しては、直ちに(貸与した金銭の)全額返済を求めることを可能としてはどうか。
 
 を拝見すると、「貸与金」と「給費金」との相違はあれ、その意図するところは、日本弁護士被害者連絡会(日弁被連)会長である「弁護士と闘う」さんの日頃の主張と一致することが理解できます。以下に、関連記事を転載します。一部私が編集してます。
 
 もっとも、これから弁護士になる人たちにだけに適用されるのでは不公平な気もします。やはり現役の弁護士、なかんずく一番素行が悪いとされる「ベテラン・ボス弁」にも適用したいところですが、それは禁反言の法理に抵触するおそれがあり、難しそうです。
 
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【給費制打ち切り、11月から貸与制】
 
弁護士懲戒非行専門です
 
私は給費制存続反対を掲げていました
それは悪徳弁護士、非行弁護士は過去に貰った給費を返せです
そうすれば弁護士の非行は無くなると考えていました
若い人には気の毒ですが悪徳弁護士は給費を返せと言えば日弁連はどうでるかと思ったからです
しかし日弁連はなんら議論もしませんでした
給費がなくなるのと懲戒処分を受けたら給費を返すという天秤なら給費はいらないという事です
ベテラン弁護士が運動しているのですから
給費を貰った弁護士が若い司法修習生のことなどどこまで考えていたでしょうか
 
日弁連は真面目に給費制存続運動をしたでしょうか
とにかく給費を出すのが当たりまえとしか言いませんでした
 
宇都宮日弁連会長はフォーラムで意見を述べたでしょうか
弁護士の身内だけで支持を固めた運動だったのではないでしょうか
 
まだ、政府で決定しただけで国会で通るかどうか分りません
最初から国会議員を相手にしか運動はやっていないようにも見えました
これからは弁護士あがりの国会議員に攻勢をかけるでしょう
 
ひとことでいいから
懲戒処分を受けたら給費返しますと言えば展開は少しは変わったはずだ
 
【出典】
 
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 以上の弁護士と闘うさんの御指摘は、私にも心当たりがあります。それは、司法修習生の給与については、去年の10月に貸与制へ移行することが政治部門で再確認され、その根拠法である裁判所法も同年11月1日に法律として施行までされたにもかかわらず、その施行の一か月後には、日弁連による給費制の維持を求める運動とこれに呼応した国会議員たちによる横車を押すがごとき裁判所法の改正により、司法修習の現場での実施前に貸与制が延期され、給費制が1年間延長されたということです。
 
 どうやら、与野党が国会対策(党利党略)を優先させたがために生じた理不尽な現象だったようです。これは、「政・官・業の鉄の三角形」(互いになされる見返り便宜の供与)を媒介として族議員と大臣・官僚と業界団体により形成される政治上の癒着構造)とは異なりますが、国民と国家との間に本来存在すべき信義に違背する行為であることに変わりはありません。それこそ、デュー・プロセス(適正手続:日本国憲法31条参照)に鑑みると、あまりにも問題が多い対応だったと思います。
 
【参考記事】
ブログ『戦闘教師「ケン」激闘永田町編』
サブタイトル「2010年11月28日:禍根を残す結末」
 
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【参照】
 
裁判所法の一部を改正する法律案(法務委員長提出、衆法第13号)の概要
 
 本案は、平成231031日までの間、暫定的に、司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金を国が貸与する制度を停止し、司法修習生に対し給与を支給する制度とするとともに、所要の経過措置を設けるものである。
 
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしている。
 
【出典】
 
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 いずれにせよ、再度の裁判所改正が無ければこのまま今年の11月1日には貸与制の規定が発効して、その月の終わりごろ=司法修習の開始時期には給費制が全廃され、貸与制がようやく名実共にスタートすることになります。本来は2006年度から実施するはずだった貸与制が、同法の改正により5年間延期され、さらに2010年に1年間延期されたため、合計6年間も延期されたわけですから、換言すれば、大義名分もなく給費制は結局6年間もしぶとく延命したことになります。
 
 こんなことを、司法制度を支える法曹たる弁護士(日本国憲法77条1項参照)と、国権の最高機関にして我が国唯一の立法者たる国会議員(同憲法41条参照)がやっていたら、国民は馬鹿馬鹿しくて法を遵守する気が失せるというものではないでしょうか。なぜなら、法律を制定する政治家と法律を解釈適用する法律家が揃いも揃って信頼を損なう所業をなしたが故に、彼らが取り扱う法律そのものの権威も失墜してしまうからです。
 
 もっと、国民が司法制度や政治を信頼し、安心して暮らせる世の中になって欲しいものですが、漫然と傍観していては、また去年の「逆転劇」が「再演」されかねないわけですから、我々一般人にもできる範囲のことで貢献する必要があるように思われました。昔から有識者が指摘するように、民主政治(国民主権:日本国憲法の前文および1条を参照)はフリーランチ(=タダ飯のように無償)では維持できないと痛感した次第です。

閉じる コメント(6)

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最初から日弁連は給費存続運動は大きな社会運動としてはやりたく
ないのはミエミエでした
必ず懲戒制度の問題が出てきます。これからフォーラムで出てきますが。給費については国会対策としてやっていく予定です
こっそりやることが一番いいのです

2011/8/6(土) 午前 9:39 弁護士自治を考える会

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めんどくさがりの自分と違って、丁寧に見易くまとめていただいているので転載させてください(不都合あれば削除します)。

これからどうなりますかねえ。

2011/8/6(土) 午後 6:26 [ shiho ]

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shihoさん、コメントありがとうございます。

これからの見通しについては、正直な話、わかりません。
まさに、「神のみぞ知る世界」ではないでしょうか。

転載の件、光栄です。何ら不都合はありません。
どうかよろしくお願いします。

2011/8/8(月) 午前 1:10 [ フットマン@LAW ]

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内緒さん、コメントとポチありがとうございます。

お褒めにあずかり恐縮です。今後とも精進する所存です。
未だ道半ばという御指摘はまさにその通りだと思います。

これからも相手方の妨害工作に負けずに、どうか御自愛のうえ
言論活動を継続なさって下さい。応援させて頂きます。

2011/8/8(月) 午前 1:15 [ フットマン@LAW ]

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弁護士と闘うさん、コメントありがとうございます。

しかし、姑息ですねえ、日弁連は。たんなる国会議員たちを説得するアリバイ作りのための運動だったとは呆れますね…!

そんな姿勢では、これからのフォーラムにおいて、懲戒制度や強制加入制や会費という弁護士自治の問題と、国家予算の問題とを絡めた、櫻井財務副大臣や宮脇北大公共政策大学院長たちからの追及をかわせるかどうか疑問ですね。

いや、かわせずに弁護士法が改正されるのがベストですが。(笑)

2011/8/8(月) 午前 2:04 [ フットマン@LAW ]

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【弁護士会費と懲戒処分の関連性を論じた御記事】

日弁連と弁護士会の会費のために働く弁護士(ブログ弁護士と闘う)
http://blogs.yahoo.co.jp/nb_ichii/32824813.html

2011/8/31(水) 午後 10:53 [ フットマン@LAW ]


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