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被害者である後輩自衛官に対して、加害者たる先輩自衛官がなした加害行為につき、指導目的が認められても、重大な違法性を認め、かつ、被害者の自殺との因果関係を認定し、さらには、逸失利益(得べかりし利益。生きていれば被害者が稼げたはずの金額)の賠償まで認めるとは、最近の裁判所のこの分野における裁判例の発展には目を見張るものがあります。
しかし、この裁判では認められなかった、直接の加害者ではない、監督責任者である上官(上司に当たる自衛官)の監督不行き届きを安全配慮義務違反とする原告側の主張は退けられました。
今回認められた国家賠償法1条1項に基づく請求権は、民法上の不法行為責任に基づく損害賠償請求権の特則であり、要は、国家賠償責任の法的性質は不法行為責任ということになります(余談ですが、国賠は行政法の教科書に出てきますが、国賠訴訟の法的性質は、民事訴訟であって、行政事件訴訟ではないと解するのが最高裁の判例法理です)。
いっぽう、今回認められなかった安全配慮義務違反ですが、この「安全配慮義務」とは、過去に自衛隊の基地内で発生した事故を原因とする訴訟において最高裁が判例で認めた概念であり、「法律関係(例:雇用契約等)に付随する信義則上の義務」と解されています。この安全配慮義務に違反すると、民法上の債務不履行責任に基づく損害賠償義務を負うことになります。
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いじめ・体罰関連
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こちらも一カ月前の新聞報道の転載です。
こうした報道を見ると、やはり泣き寝入りしていては被害者本人やその家族・遺族も救われないのだなと実感します。被害者の方々にすれば、艱難辛苦が伴う法的責任の加害者側への責任追及行為の最たるものが訴訟提起(提訴)ですが、こうした取り組みの積み重ねが、事件の再発や事態改善のための新しい判例や法制度の創造・構築につながることも確かです。
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大震災によって発生した福島第一原発の事故によって、以下のような心無い風評被害が発生しています。ある程度こうした事態は事前に予想されていたとはいえ、既にして地震や津波や原発事故の被害者である被災者の方々がこうした二次被害を受けてしまうのを目の当たりにすると、やはり胸が痛みます。
さすがに、法務省や外務省も事後的救済に当たっておりますが、こうした事態を招かぬように、我々一般人も、放射能に対する正しい知識を身に付けて、軽挙妄動しないよう肝に銘じなければならないと思います。
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調査をするのは、その結果を分析して一定の傾向・法則性を見出し、それを今後の問題解決に役立てるためであって、単なるアリバイ作りならば、やらない方がマシでしょう。我が国では、地道な事実調査およびその集計・分析が軽んじられているように思われました。遺憾の極みです。
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ゆえに、裁判官(司法権)と国会議員(立法権)とがチェックしているわけです。裁判官・裁判所の持つ裁判権にしても、国会の各委員会が有する国政調査権にしても、やはり絶大な権力だと実感します。
「法の支配」という国家システムないし国家権力は、上手く使えば人を救えますが、悪用したら大変なことになります。やはり、法律(制度)を武器とか破壊兵器というふうに評するのは妥当なのかもしれません。
ちなみに、警務隊とは、自衛隊内の警察組織というか監察(内部取り締まり)組織のことで、旧軍時代は憲兵隊と称されていました。国によっては、軍警という場合もあるようです。
今回の判決の意義は、国の安全配慮義務違反に基づく国家賠償責任のみならず、事件当時に自衛隊員という特別職の国家公務員だった加害者本人の民法上の不法行為に基づく(個人としての)賠償責任まで認めた点にあります。
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