とにかく熱気に耐えながら、街の方々を見て周ります。
けれども結局、あまりの暑さのため、バマコでは土産物屋が並ぶアートセンターとマルシェ(市場)しか見ることが出来ませんでした。
といっても他に見るところなどほとんどない街なのですが……。
街をしばらくぶらついた後、宿から15分ほど歩いたところにあるスーパーへ向かいました。
しかし、暑いです。我慢できるレベルではありません。
けれども、驚くべきは、こんなに暑いのにみんな普通に歩いたり仕事したりしているということです。
平気なのでしょうか……。
私は、通りを行き交うボロボロの緑色ミニバスを眺めたり、信号のところで歌っている大道芸人の子供の美しい歌声を聴いたりしながら何とか楽しもうとしていましたが、ダメです。
歩いていると直射日光と熱気のため頭がくらくらしてきてしまいます。
凍らせたペットボトルの水がいつの間にか熱いお湯になっています。
全く想像を絶するところです。
(写真は仮面屋です。マリの様々な民族の仮面が掛かっています。)
スーパーには冷たく凍った水やジュースがたくさんありました。
その時の私にとって、それらは宝の山です。
キンキンに冷えたジュースを喉に流し込むときの幸せと言ったらありません。
人間は肉体的な苦痛を感じたり、過酷な環境を強いられたりすると、その欲望はどんどん低次元になっていってしまうようです。
私はマリにおいて、北部にある世界遺産の都市「ジェンネ」や神秘的な民族「ドゴン族」の村などを訪れる予定だったのですが、もうそんな所へは行きたいとも思わなくなってしまっていました。
恐らくそれらの場所はここよりさらに暑く、マラリアの危険度も高いのです。
とにかくその時の私の欲望は、この暑さから逃れたい!そして、マラリアの恐怖から解放されたい!
ただそれだけでした。
貧弱旅行者です。冒険家にはなれません。。。
(人形がかわいいですね。ひとつ買って帰ればよかった。)
バマコでの日々はシンプルでした。
朝、起きて水シャワーを浴びた後、冷房の効いたパン屋で朝食を摂ります。
2、3時間粘ってから、意を決して酷暑の街を見て周ります。
しばらくすると熱気で頭がぼーっとしてくるので、帰り際スーパーに寄り、水とジュースを何本か調達します。
昼はパン屋へ。
ヤッサやリ・ソース(マフェのマリ版のような食べ物)を食べ、クーラーの効いた店内でコーラをちびちびと大事に飲みます(たくさん飲みたいけど節約)。
宿に戻り30分おきに水シャワーを浴び、次第にぬるくなるジュースや水を飲みながら猛暑の昼を乗り切ります。
夕方近く、またスーパーへ行き、夜の分の水とジュースを調達。
夕食はパン屋や食堂で食べるか、バナナとマンゴーを露店で買って宿で食べます。
夜、マラリア防御を完全にし、1時間おきくらいに水シャワーを浴びながら寝苦しい夜を乗り切ります。
まったくうんざりする様な生活……。
しかし、とにもかくにも、いつでもシャワーが使えるということは大いに助かりました。
シャワーのみならずこの宿に移ったのは正解でした。
笑顔が優しいおばちゃんは、買ってきたマンゴーを冷蔵庫で冷やしてくれたし、若い従業員は蚊帳を吊るロープを私にくれました。
宿の人々は皆、親切でした。
(写真はジャンベ工場です。でかいのから小さいのまでいろいろあります。)
次の日、結局私はマリの旅を断念しダカールへ戻ることに決めました。
貧弱旅行者、情けないです。
言い訳するようですが、そもそも時期が悪かった。
この時期は3月、最も暑く最もマラリア蚊の多い時期だったのです。
ジェンネやドゴン村に行くことが出来ないのは残念でしたが、外を歩くだけでふらついてしまうような気候では観光していても楽しくはないでしょう。
おまけにフランス語も話せないし、重篤なマラリアにでも掛かって奥地から緊急空輸されることにでもなったら大迷惑になってしまいます。
諦めよう……。
航空券を変更し2日後に戻ることが決まると、正直私はホッとしてしまいました。
真夏のアフリカに挑戦するには、どうやら私の経験地は足りなさ過ぎたようです。
私は甘ちゃんでした。アフリカは舐めちゃいけない。私はアフリカに敗北したのです。
宿の人々にダカールへ帰ることを言うと、
「モプティやジェンネに行くんじゃなかったのか、どうして帰るんだ」
と聞いてきました。
「あまりに暑くてだめだ」
と言うと、優しいおばちゃんがいかにも残念そうに、
「今度は12月に来なさい。その時期なら涼しいわよ」
と言ってくれました。。。
せっかく彼らの国、マリに来たのに何も見ないで帰ってしまうのです。なんかみんなに悪い気がしました。
「また、必ずここに来るよ」
私は、心の底からそうみんなに言いました。
(写真は床屋の看板です。いろんなヘアースタイルがあるんですね〜。右下の漫画が笑えます。)
2日後、私はダカールへと向かいました。
宿の人々と挨拶し、おばちゃんと握手し、タクシーに乗り込みます。
砂漠の遊牧民「トゥアレグ」の血を引いているというタクシーの運ちゃん。
彼に「バマコは暑くてだめだった」と言うと、
せせら笑うようにこう言います。
「今の時期バマコは45℃になるけど、奥地のトンブクトゥは48℃で、隣国ニジェールは52℃にもなるんだぜ。このぐらい普通の暑さだよ」
本当かよ!って感じですが、私はつくづく奥地へ行かなくてよかったと思いました。
飛行機は赤茶けた大地を徐々に離れていきます。
ニジェール川が陽炎にゆら〜りゆら〜りと揺らいでいました。
そんな地獄の一丁目のような過酷な風景を眺めながら私は心に誓いました。
「さらばバマコよ、いつかまた、必ずここに来る!おばちゃんたちが見せたがっていた遺跡や街を見るために……」
飛行機は大西洋へ向かって、ダカールへ向かって大きく旋回を始めました。
そして、マリの赤茶けた大地はいつしか白い靄に隠され、見えなくなってしまいました。
(写真は、石炭かなんか詰めているんでしょうか。ノリのいい兄ちゃんがポーズを取ってくれました。でっぷりとしたおばちゃん(もしかして若いのかな?)のファッションもいいです。)
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私の実家の玄関には、シンガポールで買ったお面&日本の能面が飾ってあって怖いのですが、これだけたくさんのお面が並んでると怖いっていうより壮観ですね。2枚目の写真の小さな人形もかわいい。45℃の暑さを「これぐらい普通」って言う運転手さん凄い!私は30℃でダウンしてます。
2006/7/9(日) 午後 10:31
とらばこさん、アフリカのお面のバラエティーはすごく、そのデザインは魅力的です。一つ買って買えればよかったと思っています。45℃の暑さは尋常じゃないです。ダカールにもどった時、30℃くらいはあったと思うけど涼しく感じました。
2006/7/9(日) 午後 10:39
『人間は過酷な環境だと、欲望がどんどん低次元になる』ってよくわかります!!私も一睡もせずにプレゼンをまとめていた時に、やっぱり勉強って一次欲求が満たされて初めてできるんだナァとしみじみ思いました。。ちょっと子どもを学校に行かせたがらない途上国の人の気持ちがわかりました;
[ mou*a*ue ]
2006/7/10(月) 午前 0:51
いい出会いがありましたね。いつの日かまたマリに帰って「ウルルン再会シリーズ」楽しみにしてます♪それにしても42℃は暑い・・・さるみみさん、床屋で絵のオーダーはしましたか?(笑)
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2006/7/10(月) 午前 1:06
ピノコさん、そうですね。食と睡眠と、最低限快適に暮らせる環境がないと他の事がなかなか考えられないですよね。
2006/7/10(月) 午前 7:13
たかさん、ほんとにまたマリに行きたいです。床屋でカットしてもらえばよかったですね〜。日本人の私に似合う髪形はあまりなさそうでしたけど。
2006/7/10(月) 午前 7:16
人形の真ん中、お医者さんですかね?色んな人形おもしろいです
2006/7/11(火) 午後 9:30
さとこさん、この人形、買ってかえればよかったな〜って今でも思います。
2006/7/11(火) 午後 9:56