メジャーリーガーにとって最も栄誉ある賞は何か。 我々日本のファンの感覚から見たら、もちろんMVP(最優秀選手賞)と答えるでしょう。 投手だったら、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)と言う人もいるかもしれません。 ところが、メジャーではMVPよりももっと栄誉ある賞があるというのです。 そう、それがロベルト・クレメンテ賞です。 ロベルト・クレメンテはプエルトリコのカロリーナ生まれの黒人選手です。 1954年にピッツバーグ・パイレーツに入団したクレメンテは、その後18年間パイレーツ一筋でプレーし続けました。 弱小だったパイレーツの中で彼の実力は抜きん出ており、すぐに頭角を現します。 彼の通算打撃成績は、打率3割1分7厘、240本塁打、1305打点、3000安打。 1961年には打率3割6分1厘で首位打者のタイトル獲得、その後も1964、65、67年と通算4度も首位打者に輝いています。 1966年にはナショナル・リーグのMVP、オールスターにも12回選ばれました。 打撃だけではありません。彼が最も注目を集めたのは守備に於いてでした。 右翼手であった彼の強肩は当時のファンを特に魅了したようで、彼の手は「ライフルアーム」と呼ばれランナーに恐れられていたそうです。 また、彼の活躍によりチームは1960年に35年ぶりのワールドチャンピオン制覇をもたらしています。 パイレーツは1970年にも世界一に輝き、クレメンテはこのシリーズのMVPにも選出されました。 そんな輝かしい成績を残しているクレメンテですが、彼がいまだに中南米系選手のスターであり続けている理由は他にあります。 彼はプエルトリコの英雄でした。 それは、そのプレーが素晴らしかったという理由だけではありません。 彼は慈善活動に熱心な人格者で、オフの間には中南米を中心に積極的にボランティア活動を行い、人々にとても慕われていたのです。 1972年のことでした。 ニカラグアに巨大地震が起こり、多くの被災者が出ました。 それを知ったクレメンテは、さっそくニカラグア支援を呼びかけ、自らも救援物資を持って当地へと向かいます。 しかし、ここで悲劇が起こってしまいます。。。 彼を乗せた飛行機はプエルトリコ沖に墜落、偉大な中南米の星は帰らぬ人となったのです。 1972年12月31日、享年38歳でした。。。 偉大な英雄を失ったプエルトリコの人々は悲しみに暮れました。 偉大な名選手を亡くしたメジャーリーグも彼の死を悼み、本来なら引退後、5年を経たなければ得られないといわれる野球殿堂入りの資格を急遽与え、彼を殿堂入りさせたのです。 そして、積極的に慈善活動をした選手に与えられる賞の名を「ロベルト・クレメンテ賞」と改称したのでした。 死後30年以上が経過した今日でも、彼は中南米系選手のヒーローであり続けています。 彼の背番号21は、中南米系選手の憧れの的であり、あのドミニカのサミー・ソーサも21番を付けていました。彼のドミニカ支援の活動は有名でしたね。 今年同賞を受賞したメッツのカルロス・デルガドも背番号21です。 メジャーリーグではある意味、この賞はMVP以上の価値を持つと言われています。 ロベルト・クレメンテ賞の受賞式はメディアでも大きく取り扱われ、受賞者は大きな栄誉を手にするのです。 ちなみに過去5年の受賞者は、 2006年 カルロス・デルガド(メッツ) 2005年 ジョン・スモルツ(ブレーブス) 2004年 エドガー・マルチネス(マリナーズ) 2003年 ジェイミー・モイヤー(マリナーズ) 2002年 ジム・トーミ(フィリーズ) です。 ところで日本のプロ野球はどうでしょう。 実は日本にもロベルト・クレメンテ賞と似たような賞があるのです。 それは「ゴールデンスピリット賞」といいます。 初耳ですね〜(知っている人は知っているのかもしれませんが)。 これは報知新聞社の主催によるプロ野球選手の社会活動貢献優秀者を称える賞です。 1999年に第一回の表彰が行われ、この時の受賞者は松井秀喜選手でした。 今年はソフトバンクの和田毅投手が選ばれましたね。 なんでも、和田投手は「世界の子供にワクチンを日本委員会(JCV)」の活動に賛同し、公式戦で1球投げるごとに10本(勝ち試合は20本)のワクチンを送っているのだそうです。 素晴らしいですね。和田投手。 ちなみに過去5年間の受賞者は、 2006年 和田毅(ソフトバンク) 2005年 ボビー・バレンタイン監督(ロッテ) 2004年 赤星憲広(阪神) 2003年 井上一樹(中日) 2002年 飯田哲也(ヤクルト) です。 もっと評価して、たくさん報道してほしいですよね。 |
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プロ野球選手に限らず、社会貢献しているアスリートたちをもっともっとメディアで取り上げて欲しいですね。松井秀喜選手にいたっては5億円近くいろんな団体に寄付していて「野球得たお金でこれまで育ててくれた社会へ恩返ししたい」とおっしゃってました。肉体も精神も鍛えぬかれた人たちはもれなく優れた人格も持ち合わせていると常々思います。やはり「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」のでしょうか…。
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2007/1/7(日) 午後 6:18
kushipyさん、ほんとそう思います。松井選手、5億円ですか!桁が違いますね。新庄選手とかイチロー選手もすごい額を寄付しているみたいだけど、日本人的な奥ゆかしさのせいかあまり積極的にアピールしません。ロールモデルとしてどんどんアピールした方がいいのにと思います。タイソンは体鍛えていても健全じゃないです。クレメンテらは肉体と精神の両方が鍛えられているんですかね〜。
2007/1/7(日) 午後 10:53
去年のオールスターゲームはPNCパークでやりましたよね。その時掲示板でクレメンテのことを書いたんですが、反応なしでした。イチロー、城島のことを書くと必ず反応してくるんですが、リアルタイムではないですから無理もないですけど。時代が変わったのか人間が変わったのか日本人の活躍ばかりでなく、MLBを見るならMLBの歴史にも関心を持って貰いたいです。猿耳さんの一言コメントは世界を旅したものが持つ世界観を感じます。トラバします。
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2007/1/8(月) 午後 6:31
既存記事から既存記事は、なかなか勉強になりました。クリップボードはどこだとか、トラックバックに失敗しましたとか、何回も繰り返しました。新規だと簡単そうですが、ブログは奥が深いです。ブログを教えている人は本が書けますね。でも、それだけだとやり取りが出来ませんけど。一応成功?
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2007/1/8(月) 午後 9:56
フィールドさん、メジャーだけでなく日本の野球の歴史もあまり知られてないですよね。かつて素晴らしい記録を残した選手が大勢いるのにあまりに紹介されなさすぎです。トラバ成功ですね!私も何度もやり直したことあります。
2007/1/8(月) 午後 11:50