イラン国境へのゲートウェイ、ドゥバヤズットの町でクルド問題を考えます。
自らの国家を持たない世界最大の民族と言われるクルド人。
トルコ、イラン、イラク、シリアを中心に2500万〜3000万の人口を持つクルド人は、民族的にはインド・ヨーロッパ語族であり、独自の言語、クルド語を話します。
古くからオスマントルコやペルシャといった大国に翻弄されてきたクルド人ですが、20世紀初頭のオスマン帝国崩壊後も独立国を持つことは叶いませんでした。
トルコ東部、ドゥバヤズットの町の郊外にあるイサク・パシャ宮殿です。
17世紀、この地域を治めたクルド人の知事イサク・パシャによって建造されました。
私は町から5キロあるここへ歩いて行ったのですが、途中、宮殿の方へと向かう車が私を乗せてくれました。
彼らは自らをクルド人であると語りました。
イサク・パシャ宮殿から見た荒涼たる岩山の風景です。
クルド人はそれぞれの国に於いて、彼らの民族的権利を保障されていません。
トルコでは彼らの存在自体が認められておらず、クルド語やクルド人の文化の教育も否定されています。
チベットやウイグルに対する中国のように、彼らもクルドに対して同化政策を推し進めているのです。
そんな状況に抵抗する活動家やクルド人政党も当然ありますが、彼らは非合法とされ現在でもトルコ政府から数々の弾圧を受け続けています。
トルコに限らずイランやシリア、イラクなどもクルド人の自治や権利を認めないという方向で利害は一致しています。
特にイラクではサダム・フセイン政権下、ハラブジャという町に於いて約5000人のクルド人が虐殺されました。その際、フセインは化学兵器を使用したとされ、国際的な批難を浴びたことは記憶に新しいところです。
イサク・パシャの近くではクルド人の家族がピクニックをしておりました。
左の可愛らしい子供もあと20年も経てば右の髭オヤジになってしまいます。。。
彼らは私にスイカとマスカットをご馳走してくれました。
もちろん彼らも生粋のクルド人だそうです。
岩山の山肌に茶色や白の小さな点々が見えます。
ゆっくりと移動しているその姿。
羊でした!
疎らに生えた草を一生懸命食べています。
羊飼いの少年です。
素朴なズボンがいい味出してますね。
クルド人の多くは牧畜を生業としています。
彼らは本来遊牧民であり、定住し始めたのは最近のことなのだそうです。
少年が羊たちを誘導し、岩山の向こうに去っていきます。
メェェ、メェェと羊たちの声がいつまでも岩山に響き渡っていました。
1984年、クルドの独立を掲げる「クルディスタン労働者党」はトルコ政府に対し武装蜂起をしましたが、政府はこれを弾圧しました。「無人化政策」といわれる政策により約4000もの村落が破壊されたのだといいます。
村を破壊されたクルド人たちはその多くが難民となってしまいました。
現在ではトルコ政府からの圧力は多少緩和されているといいます。
EU加盟を目論むトルコにとって、EU諸国からのクルド人権問題に対しての指摘を無視することはできないということなのでしょう。
イラクに於いても湾岸戦争の際、クルド人難民が大量に発生しましたが、その後事実上のクルド人の自治区が造られています。域内は石油資源が豊富だということもあり、イラク戦争後の混乱の中、現在ではクルド人地区は皮肉にも国内で最も安定した地域となっているという話です。
しかし、イラクの現況は混迷を極めています。今後、クルド人の立場がどのようになっていくのかは予断を許さない状況です。
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さとこさん、あの少年はたぶんズボンの股上をかなり高くしているのだと思いますよ。
2007/2/24(土) 午後 8:12
オーロラさん、そんなクルド人を討つためにトルコの若者が徴兵されて送られてくるんですよね。国益って何なのかと思ってしまいます。
2007/2/24(土) 午後 8:14
なかなか難しい問題ですよね〜。日本は島国だから、異文化があまりないですよね。ボクの街では、ブラジル人が多いのですが、「日本にいるんだから日本語話せよ」っていう声も、悲しいことですが少なくありません。 トルコのヒトもクルド人に対して、そんな気持ちを持ってるかもしれませんが、クルド人も帰る場所がそこにしかないんですよね。 正直トルコ人でもクルド人でもないので、わかりません…。
[ cap*_*f_goo**hope ]
2007/2/24(土) 午後 10:28
一番上の写真。。。。 感動してしまいました 素晴らしい風景ですね 色々な地域の問題、日本で報道されてない部分沢山あると思いますが猿耳さんのブログで学ぶこと多いです
2007/2/25(日) 午前 7:26
なんなんさん、全ての民族が自分のアイデンティティを大事にできるようにしてもらいたいものですね。日本にいると他の文化と共存していくという考え方がなかなか実感することができないです。日本にも在日朝鮮の人がたくさんいるんですけどね〜。
2007/2/25(日) 午前 10:35
もん介さん、ありがとうございます。日本でもこういう問題をどんどん報道してもらいたいものですね。
2007/2/25(日) 午前 10:37
実際、クルド人への圧は国レベルよりトルコ人一般人レベルの方が強いっていうところが悲しい実情です。昨日今日ではわからない、長く深い歴史の故に起こったことなのでしょう。やはり長く深い時間をかけて解決し和解して欲しいですね。せっかくこんな素晴らしい歴史ある建造物があるのですから…
2007/2/25(日) 午後 0:34
OYAKさん、そうなんですか。それは悲しいですね。日本人が在日朝鮮人を見るような感覚なんでしょうかね。全ての民族が自分のアイデンティティに誇りを持てる世の中になって欲しいものですね。
2007/2/25(日) 午後 9:43
そうですか。トルコだけじゃないんですね。もう一度聞いてみて教えてください。
2007/2/25(日) 午後 9:45
外国人の子どもってとってもかわいいですが、大人になると面影がびっくりするほどなくなりますよねwwクルド人のコトは私はあまり勉強してないのでわかりませんが、色々と問題が多いのでしょうね。。
[ mou*a*ue ]
2007/2/27(火) 午後 11:40
ピノコさん、可愛い子供たちも立派な男になるということなんでしょうね。
2007/2/28(水) 午後 10:59
2500万人〜3000万人もの民族がいまだに国を持たずに4つの国を流浪しているなんて異常なことだと思う。クルド人より少なくても独立した国を持つ民族はたくさんあるというのに。。。イスラエルのように国連で国を定めないといけないのかな。?しかしイスラエルも問題が大きいし・・・難しいですね。やはり4つの国が領土を出し合ってクルド国家を作るべきだと思う☆
2007/3/2(金) 午後 7:01
まさおさん、クルド人の土地は資源が豊富で4カ国とも領土を手放したくないのでしょうね。クルド人国家の建設はかなり難しそうです。
2007/3/3(土) 午前 0:56
クルド人は、資源で儲けて大発展しようなんて思っていそうにないのに、翻弄されてかわいそうです。チベットも同じ。20年後には髭オヤジの件、笑えました。2枚目の写真、建物が土に埋もれてしまっているのでしょうか?
2007/4/18(水) 午後 11:35
クルドもチベットもほんと不幸ですね。2枚目の写真、あれは多分城壁で、崖と一体化して造られたのだと思います。
2007/4/19(木) 午後 11:53
実は・・・私のブログに出てくるトルコ人の中には、トルコ国籍のクルド人も何人もいます。彼と雑談してる時「〜さんはトルコ人じゃなくてクルド人だよ」って何気なく言ったら「誰が聞いてるか分からないから、そういう事は言うな!」って言われたんです・・・問題の根深さを実感しましたね・・クルド語をちょっとだけ教えてもらいましたが難しかったですー。
2007/5/24(木) 午後 6:39
rikoさん、クルド人はやっぱりトルコでは差別されているんですかね。
トルコにはアフガン人だとか、いろんな人と出会いました。
2007/5/24(木) 午後 8:49
えっ、わたしの高校生の時のズボンと似ている。世界って、共通しているね。
[ shi*hi1**ion ]
2007/8/5(日) 午後 5:41
わたしの故郷羊ね、もっと白かったかな。
[ shi*hi1**ion ]
2007/8/5(日) 午後 6:04
shishi16lionさん、素朴なズボンはいていたんですね。羊のいる土地はやっぱりどこか似ているんですかね。
2007/8/5(日) 午後 10:01