バングラデシュ西部、クルナ近郊にあるバゲルハットのモスク群です。
クルナから南東へ約20キロ、バゲルハットはあります。
バゲルハットには15世紀に建立されたモスクがいくつも残っていて、それらは世界遺産にも指定されている貴重な建築物であるというのです。
私はそんな古いモスクを見るため、バゲルハットに行くことにしました。
街の外れにあるルプシャ・ガットの船着場まではリキシャで10TK(21円)、ほんの10分ほどの距離です。
ルプシャ・ガットから向こう岸のルプシャまでは渡し舟が出ています。
向こうからまるで鉄板のような船がやってきました。
屋根のない赤い錆びた一枚板。その上に何台かの車と大勢の人々が載っています。
やってきた人と物が降り切ると、我々は船に乗り始めました。
そして、ひと通り人と物を載せ終わると、鉄板船はゆるゆるとルプシャヘと向けて動き出していきました。
茶色のルプシャ川を静かに進む鉄板船。
しばらくすると、そのうち向こうからこちらと同じような鉄板船が近づいてくるのが見えてきました。
色んなものを山積みにした鉄板と鉄板がゆっくりとすれ違います。
鉄板の上に突っ立ってお互いの鉄板を物も言わずに眺め合う人々……。何だか妙におかしな光景でした。
ルプシャに渡るとそこには何台ものバスがひしめきあっていました。
私はバゲルハットへと向かうバスを探します。
「バゲルハット、バゲルハット!」とそれぞれのバスの客引きに訊いて回ると、ほどなくバゲルハット行きのバスを見つけることができました。
料金は20TK(42円)。私はそのバスに乗り込み、20分ほど掛けてバゲルハットへと向かったのです。
緑に包まれた田舎の風景。椰子の木がゆらゆらと揺れ、鳥の鳴き声があちこちから聴こえてきます。
黄金のベンガルと称されるバングラデシュの風景です。
のどかな道をのんびりと歩いていくと緑の芝生の中にレンガ色の平べったい建物が現れました。
シャイト・ゴンブズ・モスジットです。1459年に建造された茶色のレンガ造りの古い建物です。
シャイト・ゴンブズとは60のドームという意味だそうで、平べったい屋根の上には60の小ドームと17の大ドームが載せてありました。建物の四隅にはずんぐりとした背の低いミナレットがあり、正面にはいくつものアーチ門が連なっています。
遠めから見ると倉庫のようなそのモスクは、何だか昭和初期の赤レンガのようなレトロ風情を感じさせました。
モスクの中に入ると世界は一変しました。
60本もの白い石柱が空間を埋め尽くし、それらの上部には無数のアーチが掛かっています。
シンプルで幾何学的なその景観は、外観のレトロさとは裏腹に何か近未来的なイメージを感じさせました。
このモスクは世界遺産に登録されているにも拘らず、訪れる観光客はほとんどいないようです。
地元の人の姿もあまり見かけません。数人の男女が中に入って祈っているだけで、モスクは閑散としていました。
建物の前に広がる緑の芝生には上半身裸の少年たちがぶらぶらと遊んでいました。
彼らは私の姿を見つけると、写真を撮ってくれとせがんできました。
カメラを構えます。
少年たちはお互いに肩を組み、ニッと笑いました。
青々とした芝と渋い赤レンガのモスクをバックに上半身裸の子供たちがファインダーに収まりました。
シャイト・ゴンブズから2キロほどぶらぶらと歩いていくと、マジャール・カン・ジャハン・アリ(カン・ジャハン廟)があります。
カン・ジャハンは塩害に悩まされるこの土地を開拓し、都市や貯水池を造ったとされる聖人です。
建物はシャイト・ゴンブズと同じように渋い赤レンガで造られています。
正方形の建物の上に大きな丸いドームがひとつ乗っかっていて、内部にはカン・ジャハンの棺がありました。
地元では彼はかなり崇拝されているようです。私が訪れた時も何人かが棺に祈りを捧げていました。
写真、車椅子の人がいますね。牛も草を食んでいます。
マジャール・カンの西側にはナイン・ドーム・モスジットがあります。
文字通り、9つのドームを持つ無骨なモスクです。
マジャール・カンとナイン・ドームの向こう側にはタクル池という貯水池があります。
広大な貯水池。これも塩害と戦い、この地を干拓したカン・ジャハンが造ったものなのでしょう。
池の前にある石段の上で、地元の人々が駄弁っています。
のんびりとしていてとても静かな風景。
そのうち空模様が怪しくなり、池の色が灰色に沈み始めてきました。
雨が降ってきました!
ぽつぽつと降り出した雨は次第に勢いを増していきます。人々はいそいそと木陰に避難し、赤レンガの建物と緑の芝生は雨に濡れ次第にその色彩を濃くしていきました。
しっとりと濡れたバゲルハットの風景。
それは晴れのときよりも更に美しいのではないかと思えるほど、雨は風景によくマッチしていました。
詳しい地図で見る
|
雨が似合う建物ですか。雨は観光には向いてないと思っていましたがそうでもないのですね。観光客のいないひっそりとした世界遺産。ツアーでは感じることのない魅力がありそうです。
[ ちび太 ]
2007/3/26(月) 午前 11:51
何だか不思議・・・♪モスクの中は近未来的なのですね ^ ^ すごいな〜。
[ aurora ]
2007/3/26(月) 午後 11:07
なんだか怖い建物ですねw お化けが出てきそうww きっとせぴ一人では入れないかもw でも絵画にはとってもいい味の建物ですよねヾ(>▽<)
[ MIY ]
2007/3/26(月) 午後 11:16
面白い屋根の建物ですね。中もドーム型の屋根なのでしょうか?雨に濡れたバゲルハットの風景が一番心に染みる風景に感じました。
[ - ]
2007/3/27(火) 午前 1:25
人知れず 建っているんですね しかし さるみみ さん ほんとに 良く見つけられますね しかし ビックリです。貴重な建物だと思います
[ 建築や ]
2007/3/27(火) 午前 4:06
観光地化していない世界遺産もあるのですねぇ〜〜。。でも「遺産の保存」にとっては良い環境かもですね☆さるみみさんの記事を読んでいると、東南アジアや東アジアの人は写真を撮ってもらうのが好きな人が多いですよねww
[ mou*a*ue ]
2007/3/27(火) 午後 2:02
こういったモスクがあるなんて、知りませんでした! あまり人が訪れていないなんて、世界遺産なのに意外ですね〜! 私は観光化されていない都市って、素朴な感じがとても好きだったりします…^^
2007/3/27(火) 午後 8:43
ちび太さん、雨にしっとりと濡れたレンガ色のモスクと緑の木々。心が落ち着いてくるような風景でした。観光客がいないのがいいです。
2007/3/28(水) 午前 0:25
オーロラさん、写真がないので忘れてしまいましたが、日記にはそう書いてありました。イスラム的な幾何学的空間だったと思います。
2007/3/28(水) 午前 0:27
せぴさん、ここで絵を描こうともしたんですが、うまくいかず断念してしまいました。雨も降ってきたし。
2007/3/28(水) 午前 0:29
たかさん、中もドーム型の屋根でした。中は薄暗かったです。雨は風景を優しくしてくれます。バングラデシュは雨が似合いますね。
2007/3/28(水) 午前 0:33
建築やさん、このモスクはガイドブックに載っていましたよ。この辺りはモスク以外何にもありませんでした。
2007/3/28(水) 午前 0:34
ピノコさん、東アジアや東南アジアはそうなのかもしれませんね。逆に中東やアフリカは写真がNGなことが多いです。
2007/3/28(水) 午前 0:36
エリーナさん、観光地化されていない世界遺産っていいですよね〜。ここは観光客どころか地元の人もあまり来ていませんでした。まったりとした感じでしたよ。
2007/3/28(水) 午前 0:42
建物にコケ?見たいな物が付いていて何かカビているように見える、不思議な建物ですね☆閑散としてるようだし、世界遺産と教えられなければ、廃墟と思いそう^^;
2007/4/7(土) 午後 10:36
まさおさん、そのボロさがいいんですよ。あまり綺麗にし過ぎてしまうと味がなくなってしまいます。日本人的な発想ですかね〜?
2007/4/8(日) 午前 0:33
15世紀のモスクなのですね。バングラに世界遺産の遺跡があるとは知りませんでした。草の緑と遺跡のくすんだ色が美しいです。雨、似合う風景ですね。
2007/4/8(日) 午後 4:36
桔梗さん、バングラには他にも世界遺産がありますが、私が行ったのはここだけです。雨に濡れるとバングラは美しくなる気がします。
2007/4/8(日) 午後 9:32
猿耳さん、そうかもしれない。日本人は綺麗好きが多いですからね。とくに現代は。CMも殺菌、消毒の製品が多いですよね。
2007/4/8(日) 午後 11:46
まさおさん、古びた味わいのある建物が私は好きですよ。廃墟も好きです。
2007/4/9(月) 午前 6:38