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ボートに乗ってガンジス川の上から聖地を眺めます。

ガンジス川のガート(川沿いの石段)沿いを歩いていると、必ずと言っていいほどボート漕ぎが声を掛けてきます。


「30分、50ルピーでどうだ?」


頻繁に声を掛けてくる客引きは結構鬱陶しくもありますが、交渉が成立し、舟に乗ってしまえばそこはもう極楽。

引っ切り無しに現れる物売りやガイドたちに煩わされることなく、バラナシの沐浴風景をゆったりと満喫することができるのです。

川の上からしか見られない新たな発見も少なくないので、バラナシに行ったらボートに乗るのが是非ともお勧めですよ。

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ヒンドゥー教最大の聖地であるバラナシ(ワーラーナシー)。
ブッダの生まれた頃には既に古都として知られており、古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」にもこの町の記述があるといいます。

その後、バラナシは、12世紀にイスラム王朝の侵入によって、その支配下に置かれます。
特にムガル帝国皇帝アウラングゼーブの時代には多くの寺院が破壊され、かなり荒廃したといいます。
ヒンドゥー教の聖地として繁栄を取り戻すのはムガル帝国の勢力が衰えた18世紀のこと。
以来、ヒンドゥー教最大の聖地として、インド最大級の観光名所として多くの来訪者を集めています。


町の名前の由来は、北にあるヴァルナ川と南にあるアッシー川に挟まれた所に位置しているからというのが有力な説だと言われています。

人口は約116万人。ウッタル・プラデシュ州バラナシ県の県都です。
主産業は絹の生産。街の路地にはサリーなどに使う絹製品のお店が多くあり、界隈を華やかに彩っています。

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川沿いにはこのようなガートが南北約6キロに渡って続いています。
人々はここで毎日沐浴をします。


この写真は乾季の風景です。
雨季になるとガンジス川は増水し、建物の白い部分くらいまで水に浸かってしまいます。

壮大な沐浴風景を堪能したいなら11月から3月くらいまでの乾季がベストです。

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川沿いではよく洗濯をしている光景を見掛けます。
洗濯をしていると遠くからでもわかります。

「バン!バン!」

と大きな音がするからです。

ここでの脱水は洗濯物を叩きつけて行われます。
脱水が終わった洗濯物はガートの壁に甲羅干しにされます。
太陽の光が激しいので乾くのが早いです。

これらの仕事は洗濯を生業とするカーストによって行われています。
彼らは不可触民、アウトカースト(カーストの区分にも入れない最も差別されている人々)です。
安宿で洗濯を頼むと彼らにより、こうして洗濯されるのです。

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ガンジス川の対岸。
ここでも洗濯が行われていました。

あんなに建物が密集したバラナシとは対照的に対岸には建物ひとつありません。
ここは不浄の地だとされています。

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対岸では水牛も沐浴していました。
飼い主が水牛たちを洗ってあげています。

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川を南へと遡ると(この辺りではガンジス川は南から北へと流れています)、ラームナガル城があります。

ラームナガル城は、この辺りを治めたマハラジャの宮殿です。
バラナシの街からはかなり南に位置しているせいか、この建物は川の対岸にあります。

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ボート漕ぎのおっさんです。
後ろにはバラナシの街が見えます。



バラナシは死者の街として知られています。
ヒンドゥー教徒の最大の願いはこの町で死に、遺灰をガンジスに流されることです。

川沿いにはいくつかの火葬場があります。
無数の遺体が川沿いの火葬場に集められ、燦燦と降り注ぐ陽光の下、次々と焼かれていきます。

旅行者もその様子を見ることができます。
布に包まれた人型が炎に包まれ、灰になってゆく様は見る者に様々なことを考えさせます。

人間の生とは、死とは何なのか……。

バラナシは訪れる誰もを哲学者にしてしまうのです。



火葬場での写真はもちろんご法度です。
写真を撮ったことがばれたら、どんなことをされるかわかりません。

バラナシでは死体があるのが普通だという街ですから(ガンジス川にもよく死体が流れているのを見かけます)、殺されて川に流されても誰も気が付きません。

そのため、この街ではトラブルを起こさないことが肝要なのです。
以前私は、この街でリキシャの運ちゃんを殴った旅行者が翌日川に流されていたという噂を聞いたことがあります。

夜の外出も厳禁。
身包み剥がされ殺されて川に流されてしまっても事件にもなりません。

バラナシはインド最大の聖地ですが、死体となっても誰も不自然に思われない恐ろしい町でもあるのです。

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地元の人々に「ガンガー」と呼ばれ、崇められているガンジス川。

ガンガーはヒマラヤの麓のガンゴートリというところを水源としています(ここも聖地であると言われています)。
山を流れ落ちたガンガーは、その後、ヒンドゥスタン平原をゆっくりと流れていき、アラハーバードの近くにある「サンガム」でヤムナー川と合流します。

伝説ではこのサンガムでは地下を流れるサラスワティー川も一緒に合流しており、ここでは年に一回、それを讃える数週間に渡る祭りが開かれているのだそうです。
このお祭りは盛大なもので、なんと100万人の巡礼が集まるといいます。

また、12年に一回、ここでは「クンブメーラー」という祭りも開かれ、インド全土から数千万の巡礼者が集結するとして世界的に知られています。


ガンガーはサンガム、そして、聖地バラナシを経由した後、いくつかの分流に分かれてベンガル湾へと注ぎます。
コルカタを流れるフーグリー川やバングラデシュのデルタを形成するボッダ川もそんな分流のひとつです。



聖なる川、ガンガー。
ガンガーはそれ自体、神そのものでもあるといいます。

ヒンドゥー教の主神のひとつであるシヴァ神の絵では、たいていシヴァの頭の上から水が流れている様子が描かれます。
実は、この水がガンガーなのだそうです。

伝説によるとシヴァ神は天から流れ落ちるガンガーを頭で受け止めているのだそうです。
あまりに水量が多いガンガーをそのまま流していたら世界は大洪水になってしまう。
そのためシヴァが頭で大量の水を受け止めてくれているという話です。

「ラーマーヤナ」にも記述されているというこの逸話。
シヴァのご加護によって、ガンガーの水は聖なる水となりました。
そして、人々はその聖なる水で沐浴し、その水に抱かれて死んでいこうとこの川を訪れるのです。




「・印度病患者カルテ」書庫の記事一覧

  • 顔アイコン

    殺され流されても事件にならない とても怖いですよね・・・ 人々の優しさの裏に潜む 邪心を嫌がおうにも見てしまう 人間がやってはいけないことが通常に行われてしまう・・・ 哲学的になってしまう 考えが深くなるんでしょうね・・・

    [ MIY ]

    2007/5/3(木) 午前 2:55

  • 顔アイコン

    せぴさん、聖なる神の町なのにどうして殺人が横行するのか、不思議でなりません。ただ、人の死というものを実感できるというのは大事なことのような気がします。日本では人の死とか汚い物、嫌な物は全て隠されてしまっていますからねぇ。そういうことを実感できないと命の大切さなんかも実感できない気がします。バラナシの殺人はこれとは違って貧困のせいだと思います。強盗をするリスクを犯してもいいくらい貧しい生活をしている人が多いのでしょう。どちらの国も大きな問題を抱えていますね。

    さるみみの見た世界

    2007/5/3(木) 午前 7:55

  • 神秘的なものには必ず裏に恐怖が潜んでるような気がします。。生と死がこんなにもはっきり見える場所では本当に哲学者になってしまいますね。

    [ モチコ ]

    2007/5/3(木) 午後 0:01

  • インドにはまだ行った事がないのですが、いつか行ってみたいところの一つです!きっと行ったらいろいろなことを考えてしまうだろうなあ。

    cookie

    2007/5/3(木) 午後 10:41

  • 顔アイコン

    ピノコさん、人間が生まれ、日々を生き、老いて、または病を患ったり事故にあったりして死んでゆく。人間として当たり前の生と死が、当たり前のようにある町。それがバラナシです。ほんと、色々考え込んでしまう町でした。

    さるみみの見た世界

    2007/5/3(木) 午後 10:45

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    cookieさん、いろいろ考えると思いますよ。頭にも体にもかなりハードな所でした。だけど、絶対に貴重な経験になると思います。

    さるみみの見た世界

    2007/5/3(木) 午後 10:47

  • バラナシ、憧れの地です。今年こそはインド計画立ててます。さるみみさんの記事通り、11月頃にしようかな。。。

    [ - ]

    2007/5/3(木) 午後 11:40

  • しかし インド バラナシ 聖なる川、ガンガー かぁっ・・・

    [ 建築や ]

    2007/5/4(金) 午前 6:05

  • 顔アイコン

    たかさん、インド行くのですか〜。羨ましい。インドはゆっくりペースで旅した方がいいですよ。疲れ度が半端じゃない所なので、ムリすると必ず体を壊します。この写真、11月と2月の写真が混ざっているんです。この時期はこんな具合ですよ。

    さるみみの見た世界

    2007/5/4(金) 午前 7:35

  • 顔アイコン

    建築やさん、ここは火葬場から発展した町だといわれています。聖なる川に死体を流すための町だったのですね。

    さるみみの見た世界

    2007/5/4(金) 午前 7:44

  • きゃぁヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!!!なんだか怖いっΣq|゚Д゚|p 1枚目の写真…奥が霞んでなんだかスゴイ・:*:・(*´艸`*)ウットリ・:*:・インドにはまだカースト制度があるんですね、中学で習って以来、久しぶりに聞きました。

    Oyak

    2007/5/4(金) 午後 1:43

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    うーん。すばらしい記事だ・・・。紹介させてくださいね。

    kik*ou*17

    2007/5/4(金) 午後 2:15

  • よく写真でみる憧れの光景です。しかし一歩間違えると怖い街なのですね。ゾッとしました。火葬もお金のある人はじっくり焼いてもらえ、そうでないと割りといい加減だと聞きました。それを聞いてちょっと切なくなったのですがそのまま流されるよりはいいのですかね??

    [ ちび太 ]

    2007/5/5(土) 午前 4:45

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    OYAKさん、カーストについてはhttp://blogs.yahoo.co.jp/samberasam51/5380176.html?p=3&pm=l で紹介しています。怖い所ですよ、バラナシは。

    さるみみの見た世界

    2007/5/5(土) 午後 7:53

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    桔梗さん、ありがとうございます。こんなのでよかったら紹介してください。

    さるみみの見た世界

    2007/5/5(土) 午後 7:54

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    ちび太さん、それ、私も聞いたことあります。遺体を包む布も上等なのから安っぽいのまでいろいろあるみたいですね。

    さるみみの見た世界

    2007/5/5(土) 午後 7:55

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    紹介させていただきました。ありがとうございました。

    kik*ou*17

    2007/5/5(土) 午後 11:15

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    どう致しまして。こちらこそありがとうございました。

    さるみみの見た世界

    2007/5/5(土) 午後 11:48

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