白亜の殿堂、真っ白に輝く真珠、ヤムナー川のほとりに佇む夢……。
タージ・マハル!
それは人類がこの地球上に残した最も優雅で、最も完璧な美しさを備えた建造物である。
そう言っても決して過言ではないでしょう。
世界遺産「タージ・マハル」のご紹介です。
(写真はクリックすると少し大きくなります)
赤砂岩で造られた入り口の楼門です。タージの姿が微かに見えます。
あそこで荷物検査をしてから中に入ります。いよいよです!
見えました!タージです!
楼門をを抜けると視界が一気に広がります。
広大な空間。
碁盤目状に区画された庭園は緑の絨毯に敷き詰められています。
その中央には豊かな水を湛えた泉水と、それを十字に貫く水路がありました。
そして、鏡のような水面にはでっかくて白い伽藍が、「ドン!」と逆さに映っています。
魔法のような建物、タージの姿です。
教科書やガイドブックの写真そのままの「タージ・マハル」。
しかし、実際に見てみなければわからない事があります。
それはその大きさです。
広大な庭園をタージに向かって歩いていくと、徐々にその白い伽藍が大きくなっていきます。
圧倒的な量感、凄まじい迫力、間近で見るタージは想像以上に巨大でした。
タージ・マハルの構成はシンプルで、そして、完璧なものです。
タージは95メートル四方の基壇の上に建てられています。
基壇の四隅には、高さ43メートルのミナレットが聳え立っており、基壇の真ん中に鎮座するタージを取り囲んでいます。
本体の大きさは57メートル四方、高さは67メートルあります。
ペルシャ式の「イーワーン」と呼ばれる開口部を中心とした構成が四つの面を囲み、その上に真ん丸い巨大な玉葱形のドームがどっかりと載っかっています。
ドームの周りには四つのチャトリ(小亭)が配されています。
四方どこから見ても同じ形に見える、完璧な造形です。
これら、基壇からミナレット、チャトリなどの全ては真っ白な大理石で統一されています。
タージは、遠目からは純白に輝いて見え、近くからは優雅なマーブル模様の彩りを見ることができます。
そして、その白は時間や光の具合により微妙に色合いを変えるのです。
朝の日の光に照らされた黄色。夕焼けは茜色に、そして、時間と共に薄紫色にドームを彩ります。
雨季の曇天がドームを暗灰色に沈ませ、満月の夜は伽藍を青白く浮かび上がらせる……。
私はつるつるに磨かれた大理石の基壇の上をピタピタと歩きながら、白い、夢のようなこの建物を見て周りました。
かつては無数の宝石が埋め込まれていたといわれる壁面には、象嵌細工の唐草模様が緻密に描かれています。
雄大な構成と緻密な細工を持つタージは、ムガル帝国のありとあらゆる「粋」が凝縮されたものなのでしょう。
万人を虜にするような美しい「タージ・マハル」。
しかし、その魅力は透き通るような白い姿態だけに留まりません。
「タージ・マハル」にはドラマが、それも、美しくも哀しい、人々をうっとりとさせてしまうようなドラマがあるのです。
ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーン(在位1628〜58)は、最愛の妃ムムターズ・マハルが亡くなると大いに嘆き悲しみました。
彼は、その悲しみを癒すため、そして、彼女の魂に安らぎを与えるために壮大な墓を建設することにしました。
ムガル帝国の技術の粋を結集して、また、帝国の莫大な財産を浪費して、22年の工期をかけて、廟は完成します。
それが「タージ・マハル」です。
「タージ・マハル」は、皇帝の妃に対する愛の結晶なのです。
ひとりの女性のためだけにこれほどの物を造ってしまう。
妃ムムターズにとってこれ以上の喜びはないに違いありません。
ロマンチックです。
けれども、これを造らされる国民はたまったものではないことも確か。
しかも、です。
なんと彼は、信じられないことにタージの裏に流れるヤムナー川の対岸に、黒い大理石を使った自らのタージをも造ろうとしていたというのです!
困った王様です。
けれども、もし、真っ黒な「タージ・マハル」が建造されていたのだとしたら、白いタージに負けず劣らず美しかったことだろうな、と私は思いました。(↓イメージ)
結局、黒タージは夢と終わりました。
シャー・ジャハーンは息子のアウラングゼーブの反乱により捕らえられ、アーグラー城に幽閉されてしまったのです。
アーグラー城の一角にある塔「ムサンマン・プルジュ(囚われの塔)」からは、ヤムナー川のほとりに佇む「タージ・マハル」の美しくも哀しい姿が見えます。
彼は晩年、この塔の上から、自らの造営した「タージ・マハル」を眺めながら過ごしたのだといいます。
亡き愛妻の思い出と、夢と消えた黒タージの幻想をうつろな目で思い描きながら……。
そして、幽閉されてから7年後、彼はこの部屋でひとり、静かに息を引き取ったのだそうです。
「タージ・マハル」の建造は、国の財政を傾かせ、後の帝国の瓦解を早めることとなりました(タージが造られなかったとしても、イギリスの軍事力の前には為すすべもなかったでしょうが)。
しかし、たったひとりの女性のために造られたこの廟が、いまや世界中の観光客を集めるインド随一の観光資源となっているのです。
妃に対する個人的な「愛」が、数百年後の国民たちの懐を潤している。
これは、シャー・ジャハーンにも思いも寄らなかったことでしょう。
私は、このタージを眺めながら、そんなことを考えていました。
詳しい地図で見る
ひろえさん、ここ料金が最近かなり高くなっているんですよね。
無料とはラッキーですよ!
棺のある地下、それは羨ましい。
2007/12/4(火) 午後 11:40
何故かチェスの王と王妃の駒を連想します。。
ちまき
[ zof*x ]
2007/12/5(水) 午前 1:13
昨日ディズニーシーに行って来ました。でも、ディズニーよりやっぱり本物みたい♪
[ mid**ino345 ]
2007/12/5(水) 午前 11:37
前に読んだ猿耳さんのトイレの記事を読んで、私にはインドは無理だーと思ったちこりですが、やっぱり自分の目で見たいです、タージマハル!
[ ☆chikori☆ ]
2007/12/5(水) 午後 10:26
ちまきさん、確かにチェスのキングとクイーンはこういう形してましたね。
2007/12/5(水) 午後 11:24
みどりのさん、ディズニーシーはかなりおススメだと聞きますね。
一度行ってみたいです。
2007/12/5(水) 午後 11:26
ちこりさん、普通のツアーで行けばインドも問題ないと思いますよ。
タージはおススメです!
2007/12/5(水) 午後 11:27
<妃に対する個人的な「愛」が、数百年後の国民たちの懐を潤している。>
とても面白く、尚且つ、とても大切な視点だと思います。バブルで金をこれでもかと使い込んだ日本。でも、将来のタージ・マハルは見当たらない気がします。
[ hajmo_rakija ]
2007/12/6(木) 午前 11:12
ラキアさん、だけど、今の時代、こんな豪奢なものを造ったら大バッシングですけどね。ブカレストの「国民の館」は、ある意味これに近いかも。
2007/12/6(木) 午後 11:51
威風堂々。こんなの良く作ったな〜、素直な感想です。
一度行ってみたいです。
[ 高橋美香 ]
2007/12/7(金) 午前 0:42
チャウシェスクは巨額の税金を無駄使いして観光資源を残し、国民に抹殺されました。日本の道路族は近い将来どうなるのでしょう?観光資源にもならない世界一整備された道路を日本国中に敷き詰めて…。ブラックジョークでスイマセン。
[ hajmo_rakija ]
2007/12/7(金) 午前 1:50
メストさん、ひとりの女性のためにこんな物を。。。
周りの取り巻きたちは、反対しなかったんでしょうかね。
それだかシャーの権威は絶大だったということなのでしょうか。
2007/12/7(金) 午後 10:14
ラキアさん、日本はやばいですね。
もう30年も経てば世界は中国に、WEBの世界はアメリカに支配されそうな感じです。日本はどちらともうまく付き合っていかなければいけないんですけどね。中国の批判ばっかりしてる場合じゃないですね。
2007/12/7(金) 午後 10:20
なるほど、ごもっとも、ごもっともですよ。
お気遣いありがとうございます。
2007/12/8(土) 午後 10:35
インドの荘厳さ!
やがて日本を追い抜いて大国へ変貌するでしょう。
[ 近い人 ]
2009/3/30(月) 午前 11:13
おろかもの!さん、あっという間に追い抜かれそうですね、日本。
だけど、ヒンドゥーナショナリズムが草の根で浸透していて、イスラムとの対立がいつ爆発するかわからない不安定な要素もありますね。
2009/3/30(月) 午後 10:48
2007年に行ったのですが、とにかく暑くて(酸欠)になりそうでした扇子をあおぎながら歩きましたよ。タージマハルも素足では、とても歩けないから(ビニールの靴カバー)を、利用しました。 ジャイプルの暴動後で、思案しましたが行ってきて良かったです。さるみみさんの写真は美しいて素晴らしいですねー おじゃましました。。
2009/6/30(火) 午前 10:17
めだかさん、ありがとうございます。
タージマハルは秋と冬に行ったのでそれほど暑くはなかったです。
いつ頃行かれたのでしょうか?
2009/7/2(木) 午後 11:51
たしか 5月末か6月始だったと? 香港経由(香港では飛行機内で2時間待機でした)次回はボンベイに と 思っていましたが。飛行機の、乗り継ぎが 大変ですからねぇー
2009/7/3(金) 午前 2:43
めだかさん、4,5月って一番暑い時期ですよね。
確か4月は、連日40℃を超えるって聞いたことがあります。
香港経由便は私も使ったことがありますよ。
2009/7/5(日) 午後 7:01