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私が好きな画家、エドワード・ホッパーです。


エドワード・ホッパー(Edward Hopper, 1882年7月22日-1967年5月15日)は、20世紀アメリカの具象絵画を代表する画家のひとりです。

ホッパーは、都会の街路やガソリンスタンド、カフェやホテルの室内、郊外の住宅地や海沿いの灯台など、アメリカのどこにでもある日常的な風景を、単純化された構図と色彩、大胆な明度対比、強調された輪郭線で具象的に表した画家です。

彼の絵に描かれているのは何でもない日常風景。
けれども、そこには見る者の心に残るような「何か」が含まれています。



ロルフ・ギュンター・レンナーは、ホッパーの絵について次のように解釈しています。

「絵の題材それ自体と、ホッパーの絵に描写されている『情景』が二重の象徴性を持っているという事実である。いかにもアメリカらしい情景の描写は、現実的な細部の光景の中に、とりわけそれ自体の亀裂を浮き出させているのである」(エドワード・ホッパー TASCHEN)


象徴的な題材、それは具象的でありながらも、なぜかリアリティーのない非現実性を感じさせる。
その風景は、まるでジム・キャリーが主演した映画「トゥルーマン・ショー」に出てきた、あまりにも明るく綺麗すぎる「アメリカ的」な風景のよう。

ホッパーの絵に描かれている風景は、何だかポスターのように見えるんです。
それが、当時のアメリカという世界(いや、現代も)の風景なのかもしれませんが。

イメージ 1
Night Hawks 1942

絵はホッパーの代表作「ナイト・ホークス」です。



ホッパーの絵画の魅力。
それは、絵に表わされる「人」です。

写実的ではあるけれども、何だか非現実性を感じさせる風景。
その中にホッパーの描く人は佇んでいます。

そして、その姿、表情はトゥルーマン・ショーのようなニコニコ顔ではなく、憂いと孤独に満ちています。
一人でいる人だけでなく、会話している人も、二人で寄り添っている人も、なぜか憂いに満ちた孤独を感じさせます。

描かれた人は、その佇まいや表情が何かを語っています。
彼らそれぞれが持つ人生のストーリーが、その姿から垣間見えるような気がしてくるのです。

陽気でニコニコしていても、大勢で騒いだりしても、個人として生きて行かなければならない現代人は、ひとり孤独に闘っていかねばなりません。

そんな人々が一人になった時にふっと見せる内面。それがホッパーの描く人物には表現されているような気がするのです。
それは、見る者にとって、とてもリアリティーを感じさせられるものです。

そして、それと同時にホッパーの絵からは、そういった人々に対する彼の温かい視線も感じられるような気がしてきます。

イメージ 2
Western Motel 1957

ホッパーの絵は現代的なアメリカンライフ、現代の孤独や憂いを描いたものとしてもてはやされ、現在でも高い人気を得ていますが、ホッパー自身はそのような見方をされることは好まなかったといいます。

また、絵に配置されている人や物も実際にそこにあったものではなく、絵を構成する要素として付け加えたことも多かったとされ、彼は絵の構成や光の描写のために絵を描いていたのだと言っています。


けれども、一枚の絵として表わされたホッパーの作品は、意図的に構成されたものも含めて、彼が見たアメリカの風景、彼が受けた印象としての当時のアメリカという社会をリアルに表していると言えるのではないでしょうか。

そして、画家の意図は別にして、見る者にそのように感じさせるということは、現代人の孤独や憂いを見つめる、それも温かい眼差しで見つめるという視点が、彼の中にはあったのではないでしょうか。

そんな風に私は思っています。



「見ざる言わざる聞かざる」書庫の記事一覧

  • 顔アイコン

    この画家のことはよく知りませんでしたが、独特の味わいがありますね〜。なんだか観てほっとしますし、ホッパーの人々に対する優しい目線を感じますね。私も好きになってしまいました。

    カッツー

    2008/8/10(日) 午後 11:47

  • 顔アイコン

    ナイス害さん、ホッパーいいでしょう。
    ホッパーの絵は「旅」的な印象も受けるんですね。
    彼の絵を見ると、遠い異国のカフェで見知らぬ人々が会話をしていたり、通りを行き交っている様を眺めている当時の自分を思い出します。

    さるみみの見た世界

    2008/8/11(月) 午後 11:51

  • 普通の風景画のように見えますが、なぜか惹きつけられますね〜

    やっぱりそれは「陽気でニコニコしていても、大勢で騒いだりしても、個人として生きて行かなければならない現代人は、ひとり孤独に闘っていかねばならない」と、なんとなく感じているからなんでしょうねぇ。。

    [ モチコ ]

    2008/8/11(月) 午後 11:58

  • 顔アイコン

    ピノコさん、なぜか惹きつけられるんですよね、ホッパーの絵。
    もしかしたら、絵の中に表現されている人々や風景に自分の内面を見ているのかもしれません。

    さるみみの見た世界

    2008/8/12(火) 午前 0:19

  • 顔アイコン

    ジェイです。サイモン&ガーファンケルに引き続き書いちゃってます。
    エドワード・ホッパー、私も大好きです。都会の絵はゴチャゴチャしがちなのに、ホッパーの作品は静かで。人物がいるのもいないのも、どっちも好きです。雰囲気があって、温かみもありますよね。海が見える作品も好きです。

    [ ミント ]

    2008/8/14(木) 午後 1:48

  • 顔アイコン

    ジェイさん、エドワード・ホッパー好きですか〜。
    ホッパーの絵は静かで孤独感が漂っているのに温かみがありますね。
    「サイモン&ガーファンクル」と「エドワード・ホッパー」「映画ひかりのまち」の記事、個人的に3部作の記事です。

    さるみみの見た世界

    2008/8/14(木) 午後 7:36

  • 顔アイコン

    ホッパーの絵、私も好きです♪
    以前、私の好きな作家がホッパーについてエッセイを書いていたの
    ですが、“旅人の懐かしさがある”と書いてあって、
    (観る者をひきこんで疎外する・・・人間は一人一人みんな、
    確かに世界から疎外されているのだ、と確認させられるような)
    なるほどな〜と思ったのです。

    mie**tro*e

    2008/8/17(日) 午後 8:42

  • 顔アイコン

    Mielさん、ホッパー好きですか〜。
    「旅人の懐かしさがある」私もそのように感じました。
    その作家さんのおっしゃること、なるほど〜ですね。
    観る者を引き込んで疎外するですか。なるほど。

    さるみみの見た世界

    2008/8/17(日) 午後 11:12

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