|
こんにちは。今日は択一民法の事例式問題の解き方のコツについてお話したいと思います。
昨年度の行政書士試験問題をお持ちの方は、問25を見てください。
1〜5のいずれの肢でも、具体的な事実が述べられています。
このような問題を解く際には、しっかりと事実関係を把握しなければならないので、誰がどのようにかかわっているのか、必ず余白部分に図を描いて視覚的に判断できるようにしましょう。
さて、ここで肢を具体的に見る前に、もう一度この問題の最初の指示文を読んでください。
「不動産と登記に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし妥当なものはどれか。」と書かれています。
「判例の趣旨」!?と聞いて、「判例なんてしらねえよ!!」なんてビビッてはいけません。大抵、何時の判例か意識しながら勉強していなくとも、普段から使っているテキストなどは、基本的な判例の見解の理論を説明していますので、無意識に目にしていることが多いです。また、たとえ本当に判例を知らなくとも、条文とその趣旨を事実に当てはめ、出てきた答えが妥当がどうかでも、十分に正誤を判断することは可能です。
と、上記ですでに、事例式の問題の解き方も紹介してしまいました。「条文とその趣旨を事実に当てはめ、出てきた答えが妥当がどうか」という所です。
法律家の仕事とは、ある事実を認識し、その事実に当てはまる可能性のある法令・条文を検索し、場合によってはそれらを解釈し、規範を定立する。その規範を元にまた事実にたちかえり、妥当な答えを出すということですので、それを試験でもできなければならないことは言うまでもありません。
では、具体的に肢を読んでいきましょう。
1 Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後、Bが甲土地をCに売却したが、いまだに登記がある場合に、、Aに対して移転登記を請求することはできない。
とあります。この肢を分析すると、
「Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後、Bが甲土地をCに売却したが、いまだに登記がAにある場合に」までが事例です。
「Aに対して移転登記を請求することはできない。」が結論です。
「Bは、甲土地に対する所有権を喪失しているので」がその結論を裏付けるための理由です。
「Bは、甲土地に対する所有権を喪失している」かどうかを把握するために、しっかりと最初の事例を整理します。
ここで、肢を読む際の注意点。ただ肢をボーっと読んでも、一見、理解できたかのような錯覚に陥りますが、実は理解できていない事もありますので、しっかりと簡単な表現に変換できる力はつけておきましょう。
たとえば、「Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却した後」とはつまり、「Aが持っていた甲土地を、Bさんに対して売り飛ばした後、」というように。(慣れてくれば素早くできます。)
上記事例を簡単に説明すると「AさんからBさん、そしてCさんと土地が順次売られていきましたが、まだ登記簿上ではAさん名義になっている」ということですね。
ということは「Bは、甲土地に対する所有権を喪失している」という記述は正しいことになります。
では、BがAに対して移転登記を請求することはできないのでしょうか。
一見、そうとも思えますが、実はできるのですよね。この肢は×ということになります。
ここは各自で調べておいてほしいところですが、登記請求するためには、何も所有権に基づかなくとよいとテキストに書いてあると思います。債権的登記請求権や、物権変動的登記請求権などという説明のされ方がなされていることでしょう。特に何時の判例かは分からずとも、大抵のテキストに書かれている基本知識だと思います。ただこの知識をただ暗記するのではなく、なぜこのようなことを認めているかについても、必ず理解を先にするよう心がけてください。
この肢は結構いやらしい表現の仕方になっています。
「Bは所有権を喪失しているので」ということは正しいので、舞い上がって冷静さを欠いていると正しいようにも思えますが、冷静に考え、登記は所有権つまり物権に基づくものにかぎられず、他の請求権もある、という事に気づかなければならなかった肢でした。
途中までは原則どおりに考えた後、基本知識とも照らし合わせなければ正誤判断を誤ってしまういやらしい肢でした。
ふう〜結構長くなってしまいましたね。
少しブレイクして、次は肢2から見て行きたいと思います。
|
う〜ん。小難しい文章を、自分なりの言葉に置き換えるというには大事ですね。普段使わない言葉で構成されてると、どうしても頭に入りづらくていけませんwww
2006/5/12(金) 午前 11:51
まさしく私が攻略できなかった問題です。登記請求が所有権に基づかなくとも請求可能!という知識が引き出せず、判断が肢1からすでに揺らいでしまってました。しかし...テキストに載ってないと思うのですが...
2006/5/12(金) 午後 1:07 [ maruha ]
昨年度までの行政書士試験受験用テキストを見てみると、確かにこのことについては触れていないことが多いですね・・・各種受験対策予備校や出版社が勝手に行書試験ならこれくらいでいいというイメージを作りすぎてしまったんでしょうね・・・民法は出来なくてもしょうがないなんてことも平気で書かれていた本があったくらいですから・・・
2006/5/12(金) 午後 1:38 [ sam*ra*_kou**aku ]
しかし、大学の法学部生が1、2年生時に使う基本書や、司法書士試験対策テキストなどには当たり前のように書いてある基本知識ではあります。もう行書試験は、3ヶ月程度の学習期間で暗記だけでこなせるものではないという表れなのでしょうね。
2006/5/12(金) 午後 1:44 [ sam*ra*_kou**aku ]
おっしゃる通りです。行政書士受験用テキストには最低限度の知識になっているようです。攻略をするためには、その点も今後検討していきます。しかしながら、過去問をといて解説を読むと、今となってはこの問題に判断が揺らいでいた自分が情けなくさえ感じます。悔しいです。
2006/5/12(金) 午後 5:01 [ maruha ]
上記のコメントを読む限り、行政書士試験受験用テキストだけでは難しいという事なんですかね?(;^_^A アセアセ・・・私は完全にテキストだけに頼ってました。
2006/5/13(土) 午前 0:27
丁重に書かれている流れですね。
文章の読み方が明確に書かれておられたのでとても好感を持ちました。
2012/10/13(土) 午後 1:08 [ いちこ ]