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 11月9日土曜日に新文芸坐で催された『竜二』公開30周年記念・金子正次没後30年のオールナイトイベントを企画した映画評論家・谷岡雅樹氏の渾身の映画評論『竜二漂泊1983』。

以下の文章は月刊シナリオより依頼され10月号に寄稿した書評です。

2回に分けて載せますので、よく御読み下さい。

【 この谷岡雅樹著の『竜二漂泊1983 この窓からぁ、なんにも見えねえなあ』(以下は『竜二漂泊1983』と記す)を『仁義の墓場』(’75年東映 監督・深作欣二 主演・渡哲也 脚本・鴨井達比古)の「石川力夫のような本」である、と評すのは穿ち過ぎなのだろうか。戦後の無秩序状態から徐々に秩序が回復されていく中で、ヤクザより次第に小利口な小市民のようになり始めた親分や兄弟分に対し、「ある時点」に拘り時流に乗れないまま上下左右関係なく牙を剥き斬りかかって行った愚直なヤクザ、石川力夫。映画『竜二』(監督・川島透 脚本&主演・金子正次)と「その時代」を検証していく谷岡雅樹が、脳内で巡り遇った人物を「ヤクザか市民か」をキー・コンセプトとして歯に衣着せず本音で批評していく筆致に、私は石川力夫が重なって仕方がなかった。
 
 青春ドラマの定義の一つを「何を以って生きて往くべきなのかが判らない若者が主人公」だとすると、『竜二』が公開されセンセーションを巻き起こした1983年時点では「何を以って生きて往くべきなのかが判らなかった」二十歳の谷岡青年が、『竜二』と金子正次に遭遇して衝撃を受けたことに拘り続け30年後に上梓したこの本は、単なる映画評論に留まらず谷岡雅樹の「青春ドラマ」になっていて当然なのだろう。自分のトラウマ(青春の残滓)を確認するかのように「ある時点」=1983年周辺(正確には’78年から’83年)に拘り、映画界と芸能界と自分の右往左往を記している内容からもそれは明らかだ。『仁義の墓場』が優れた青春ドラマでもあったように。

 1983年(昭和58年)周辺は、映画界で云えば1976年にプログラム・ピクチャー・キングだった高倉健が東映を去り、1979年に『トラック野郎』シリーズ(監督・鈴木則文 主演・菅原文太)が終了した時点で大手撮影所発のプログラム・ピクチャーズは寅さんとロマン・ポルノを残してほぼ瓦解していた。しかし、撮影所育ちの巨匠、ベテラン監督たちと撮影所周辺で育った若手監督たちが、撮影所システムではない製作システムで拮抗して作品作りを競い始めていた面白い時代でもあった。ディレクターズ・カンパニーに象徴される若手監督集団やNCP等のプロデューサー集団、ブレイン・トラスト(後のメリエス)等の脚本家集団も参入し、フリーの助監督だった私も「映画」を撮れるかもしれないッ、と胸を奮わせた熱い時代。昭和30年代の撮影所黄金期の作品群を浴びるように見て育ってしまった我々世代が、それら作品群の「残り香」を求めて犇めいていた映画人最後の時代と云っても良いだろう。

 谷岡は、『竜二』をその時代の象徴的な作品と捉え、川島透監督と金子正次が具現化した「竜二的なモノ」に拘る、トコトン拘っていく。

 谷岡の「竜二的なモノ」に拘る筆致は、『竜二』公開までのバック・ステージをフィクションとして描いた拙作『竜二Forever』(’02 原作・生江有二 主演・高橋克典 脚本・細野辰興、星貴則)と符号している。谷岡が『竜二漂泊1983』で拘っていることを私は、「竜二に成れるか? 」と云う主題で模索していた。谷岡は、「『竜二Forever』は傑作だ。だけれども、その年のキネマ旬報ベストテンには一票も入っていない。」と『竜二漂泊1983』の中でその理由を自己分析するかのように触れているが、その『竜二Forever』と監督である私にも更に容赦なく言及して来る。(私と私に関係する情報に少なからぬ誤りがあるのは些か困ったことだが。)否、『竜二Forever』だけでなくTVドラマ『とんぼ』(脚本・黒土三男)にも『俺たちの旅』(脚本・鎌田敏夫他)にも、そして谷岡が恩師と慕う脚本家、神波史男の死にも容赦なく言及してくる。否、当時の映画人、芸能人、ミュージシャンでこの本の中に名前が出て来ない者は居ないのではないかと思うほどのオンパレードだ。「竜二的なモノ」「金子正次的なモノ」を手探りしながら正に右も左もなく満身創痍も厭わず谷岡はこのパレードに斬り込んでいくのだ。(続く)】
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『シャブ極道』(主演・役所広司)と並んで私の代表作と云われている『竜二Forever』(主演・高橋克典)を撮影したのは2001年の夏だった。

辻井孝夫プロデューサーからオファーを受けたのは前年の12月上旬。『竜二』組にも金子正次にも所縁の無い私に何故? とも思ったが、『シャブ極道』の細野だからのオファーかとも思った。

原作である生江有二氏のルポルタージュ『竜二 映画に賭けた33年の生涯』(幻冬舎)は抜群に面白かった。
自主映画であっても既に私が助監督として働いていた映画界と変わりが無い右往左往のドラマがあり猥雑な滑稽さと青春の痛みがあった。

何より、香川照之が演じることになる吉田氏は、私たちと同じ映画監督に成ることを憧れる若者としてその光と蔭が鮮烈に描かれていた。そして、彼の挫折。川島透監督の誕生。何もかもが私には興味深く、一度は映画の世界をモチーフにした作品を撮りたいと考えていた私には千載一遇の企画に思えた。

脚本を完成させるために調査を開始し、金子正次や松田優作に所縁のある人達に話を訊いて歩いた。(優作さんとは助手時代に2本仕事を一緒にして居て、その人となりは知っていたが。)
生々しすぎると断れた方も何人かいた。
既に金子正次の死後20年近くが経とうとしているにも拘わらずだ。

川島監督にも話を訊きたく辻井プロデューサー経由で準備稿を送らせて頂いた。
しかし、詳細は忘れたが結局、御会いすることは出来なかった。

そんなこともあり、亦、金子正次が既に鬼籍に入っていて話を訊く訳には行かないのに、関係者に一方的に話を訊いてもその裏付けを取ることが出来ないのはアンフェア、と取材をある処で打ち切ることにした。

映画は完成し、香川照之演じる降りた監督の吉田氏には試写で作品を観て頂いたが、川島監督には観て頂けていなかった。

その様なことも有り、今回の新文芸坐のオールナイトイベントで川島監督にお会いするのは私にとって一つのケジメだった。

それは会えなかった理由を訊くこととかではない。会えればそれで良かったのだ。
会って、『竜二Forever』の感想を聞かせて頂ければ、それが全否定でも私のケジメとなるはずだった。

しかし、残念ながら川島監督は『竜二Forever』をその時点に至るまで観ておられていないことが判った。
トークで話しておられたその理由にも納得がいき、腑に落ちた。
立場が逆なら私も観ることが出来ないに違いない。

川島さんにとって『竜二』と金子正次は、それほどの青春だったのだ・・・。

ケジメは半分しか達成できなかった。

が、『竜二』と『竜二Forever』を続けて上映出来、私も観客の皆さんと一緒に目撃出来たのが何よりのケジメと云う気もしている。

否、何人かの人たちの人生の真実を「架空の物語」として描く仕事にケジメなど無いのかも知れない。

それがモノを創る人間の覚悟と云うものだ。

かくして、私の『竜二』公開30年記念・金子正次没後30年オールナイトイベントは終わった。
この機会を作ってくれた『竜二漂泊1983』の著者・谷岡雅樹氏、新文芸坐、錦之助さんに感謝しております。

次に『竜二』と『竜二Forever』に遇えるのは何時のことなのだろうか・・・。

劇場に足を運んで頂き、共に朝まで過ごしてくれた皆様は、私にとって掛け替えのない盟友です。

有難うございました。
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 1994年、私は、2本目の監督作品で名優であり既に大スターであった30台半ばの役所広司と出遭う。

タイトルは『しのいだれ』(大映製作、後にサブタイトルとして「大阪極道戦争」を付けられるが)。

原作は、徳間書店から出版されていた山之内幸夫先生の同名の傑作小説。
大阪の弱小暴力団の二代目で金にも女にもだらしないロクデナシだが、何処か憎めない愛すべき俗物を役所さんが俗物に徹し切り、本当に見事に小っちゃな大阪人を演じてくれた。
 脱皮しかかっていた阿部寛君も大阪の老舗企業の気の良い二代目ボンボンを、これも見事に演じてくれた。(阿部君は、この作品で日本プロフェッショナル大賞を受賞している。)
 その二人に愛される悲劇のヒロインを仁藤優子、その二人を罠に嵌める悪徳極道に本田博太郎。
その外の出演者の方たちも個性派ぞろいで俳優たちの演技合戦が犇めき合い、監督冥利に尽きる仕事となった。

 『しのいだれ』の作品的、興行的成功を受けて、同じ役所広司主演、山之内幸夫原作、監督・細野辰興で第2弾をやろうと云うことになり、激動の1995年に撮影し、1996年に発表したのが『シャブ極道』だった。

 何故、このタイトルになったのか?
色々な理由があるのだが、それは置いておくとして、この作品は、故・金子正次脚本、主演の『竜二』のバックステージを描いた『竜二Forever』(主演・高橋克典、香川照之)同様、今に至るまで色々な処で話題に上る文字通り私の代表作となった。

それにはいくつか理由があると思うが、何より大スター役所広司がこの役を演じてくれたことが最大の理由であることは間違いない。

大スター役所広司のイメージと『シャブ極道』と云うタイトルのミスマッチが何と言っても興味をそそることは間違いない。

勿論、作品の評判も悪くなく、映画評論家の秋本鉄次氏が「90年代のベストワン作品」とまで言ってくれている。


とまれ、この年、役所さんは、『シャブ極道』を含む3本の主演作品で全ての主演男優賞を総ざらいする。
役所さん扮する真壁五味の恋女房を演じてくれた故・早乙女愛も「おおさか映画祭」で女優賞を受賞、作品そのものも老舗の映画専門雑誌を始め殆どのベストテンに選出され、私、個人も日本プロフェッショナル大賞特別賞を頂くことになった。

処が、この『シャブ極道』、タイトル故に名前は知られていても単館系上映だったこともあり、そう多くの人に観られている訳ではない。

『シャブ極道』と云うタイトルから来る強烈な先入観で敬遠する人も多いのでは、と思う。特に女性は。だから、観て頂くと先入観とのギャップに大概の方は吃驚する。
そこが作者としては面白い(笑)。

製作会社であった大映が角川に統合されたこともあり、DVDも絶版となったままだったが、何と中古のDVDに2万円近いプレミア値段!? が付いてしまう始末となってしまった。

そして、『しのいだれ』『シャブ極道』に続く第三弾として『売春暴力団』(主演・永島敏行、川名莉子、犬塚弘、鴈龍太郎)を1997年に発表する。
主演が役所広司から永島敏行に代わっているが、その経緯は亦の機会にするとして、『しのいだれ』『シャブ極道』で模索し続けた主題を更に純化させ純粋培養することを試みたのがこの『売春暴力団』。だから、どうしても完結作として作りたかった作品なのです。
そして、ここに【ナニワ破天荒極道三部作】が完結するわけです。

この三作のDVDは一度2002年にリリースされたのですが、その後、在庫が無くなり、久しく絶版と云う形でした。故に『シャブ極道』2万円、『しのいだれ』『売春暴力団』9千円と云うプレミア値段が付き、益々、観ることが難しい環境となってしまったわけです。

そんな中、今年の1月にシネマヴェーラ渋谷の『90年代のバイオレンス映画』特集で『シャブ極道』を2日間8回上映してくれたのですが、各回満席になり、4月6日の新文芸坐での私の特集でのオールナイト上映は暴風雨にも拘らず満席となった次第です。

さあ、そんな紆余曲折も有り、やっと明日、この三作が角川書店より装いも新たに(そんなに変わりませんが)再リリースされます。

リーズナブルな値段で皆さんに観て頂けるのが何より嬉しいです。
非常に嬉しいです。(勿論、劇場で観て頂けるのが一番なのですが。)

是非、この機会にタイトルに惑わされずに『しのいだれ』『シャブ極道』『売春暴力団』を製作順に観て頂ければと思います。

感想をツイッターなどで呟いて頂ければ更に嬉しいです。

明日、私も久し振りに幾つかのレンタル&セル店を覘いてみようと思います。

店で見かけたら声を掛けて下さい(笑)。

原稿、クラッシュ!?

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 久し振りにBlogを書き始めもう少しの処で原稿が消えてしまった。しかも2回続けて…。

いやあ、頭に来るもんですね。

なので暫く頭を冷やしてから書くことにします。

ま、情報としてはtwitterに書いてあることの重複なのですが、字数が限られていないので書き方が全然、違う訳です。行間を読み取って頂けるような書き方もしていた訳ですが、本日は頭に血が上って(笑)。

ま、お詫びと云っては何ですが、『007は二度死ぬ』に出演した浜美枝さんの水着姿を載せておきますね。意味不明ですが(笑)。

夏の色々な御報せ

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 既に何回かここでも話題にしてきました、私が主宰の創作ユニット【スタニスラフスキー探偵団】主催の合宿制workshopの締切が後3日と迫りました。

全く初対面の方から始まり、私の公演に出演してくれた方、昨年行った勉強会に参加してくれた方など色々な方々が参加してくれます。

初めての方は元より、リピーターの方も新しい資質と才能を見せて貰えればと思いますし、3日間をかけて見つけたいとも思います。

ワークショップ以外の時間でも時間はタップリありますので、雑談に花を咲かせたいとも思っています。

参加希望の方は是非、8月7日水曜日までに手続きをして下さい。

http://movie.geocities.jp/stanis0117/workshop.html

※追伸: 明日5日㈪、午後2時過ぎから『かわさきFMの岡村洋一のシネマ・ストリート』に出演します。主題は、『竜二』『竜二Forever』の時代を鋭く論評した『竜二漂泊1983』(谷岡雅樹著)の紹介です。
かなりディープな内容になるかも知れませんので映画ファンならず  とも必聴ですッ。
サイマルラジオから聴けます。→http://www.simulradio.jp/

 更に追伸:私が90年代後半に大映(現・角川書店)で演出した【ナニワ破天荒極道三部作】『しのいだれ』(役所広司、阿部寛)、『シャブ極道』(主演・役所広司)、『売春暴力団』(永島敏行、犬塚弘)が9月下旬にDVD再リリースされます。
公開当時、何かと世間を騒がせた三部作ではありますが、この機会に未見の方は元より、既に観て頂いた方も是非、御覧下さい。

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