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5月16日に行われた民主党の代表選挙で鳩山由紀夫幹事長が新代表に選ばれた。私はこの結果に失望した。なぜなら、第一に、小沢一郎前代表の辞任を受けて選ばれる新代表としての新鮮さが感じられないからだ。その点、岡田克也には未知数の魅力がある。
第二に、実はこの点の方がもっと大事な点だが、私には鳩山は感覚(ピント)がずれた政治家だと思われるからだ。そうしたことは、これまでいろいろな場面で、鳩山が幹事長として民主党を代表してコメントを話した場合に、ほとんどいつも感じていたことである。
マスコミの事前評では、鳩山が新代表になった場合には小沢前代表の「院政」が行われるのではないか、すくなくとも、鳩山は小沢の影響から脱することはできないのではないか、というものが多かった。そういう面があるかも知れないが、その点がどうなるかは、鳩山に「総大将としての器量」があるのかどうかによって決まってくる。
私はその点でも疑問を持つ。そのような私の判断が正しければ、鳩山由起夫党首の下で民主党がつぎの総選挙で勝つのは極めて難しいということになる。もっとも、総大将の器でなくとも、いろいろの偶然でそういう地位につく人もいるが。
ひるがえって考えてみると、小沢前代表も「総大将の器」だったかどうか、実ははなはだ怪しい。日本経済新聞の有力な「客員コラムニスト」田勢康弘は、この政治家は「理解の最も難しい政治家であることは確かだろう」と書いている(日経、5月15日)が、私はそんなことはないと思う。私は小沢を理解する鍵は結局は彼を「副将の器」だと見ることにあると考える。
小沢には「豪腕」だとか「壊し屋」といった伝説がつきまとってきた。それは確かにある種の力量を表してはいるが、決して総大将の力量ではない。総大将なら、途中で意に反する挫折に会うことがあっても、とにかく常に軍勢を集め、それを大きくしていき、やがて天下を取るに至るのである。
小沢にはそうした遠望と辛抱がない。だから、自ら参議院で多数を形成して政府与党を窮地に追い込んでおきながら、突如として(準備も展望もなく、思いつきで)福田康夫首相(当時)と会談して自・民の連立政権を画策したり、それが民主党内部からの反対で挫折すると、たちまち党代表を辞任してしまう。
確かに彼は、地方選挙区をこまめに歩き、その選挙区の自党候補を押し上げる上で大きな力を発揮してきたし、それが彼の民主党における力の大きな源泉となった。しかし、そうした努力と才能も、所詮は幹事長あるいは選対委員長としての仕事だ。
総大将なら、小沢のように、主戦場である国会をなおざりにしてまで選挙区行脚に精を出すことはしないだろう。すくなくともその両立を図るはずだ。
だからといって、私は「副将」たる者の力量を軽視しているわけではない。たとえば、鳩山一郎(由起夫の祖父)には、三木武吉、石橋湛山、河野一郎、大野伴睦などの力あるつわものが副将として仕え、支えた。このうち、石橋は鳩山退陣のあとで首相の座を勝ち取るが(1956年)、病気のためわずか2ヶ月で辞任するという不運に見舞われた。
石橋以外の副将は、三木武吉を除いて、やがて首相の地位を狙うが果たせなかった。やはり、首相になる上でのなにかが欠けていたと見るほかない。しかし、彼らの副将としての力量には凄みがあったし、彼らの助力があってはじめて鳩山一郎も吉田茂に横取りされた首相の座を手にすることができたと言っても過言ではないだろう。逆に言えば、鳩山一郎にはそういう副将を従わせる力量があった、ということだ。
小沢一郎が力を蓄えたのも、まず田中角栄の愛弟子としてであり、やがて田中に反逆して自立した竹下登の副将の一人にのし上がった(竹下内閣のあとの海部内閣で幹事長)。その後も、金丸信の下で経世会会長代行となり、結局は竹下と対立、自民党を離党、新生党(党首は羽田孜)を結成して代表幹事に就任し、非自民党の細川護熙連立政権を誕生させるに至る、等々。
要するに、小沢の豪腕伝説が出来上がるのも、結局は彼の副将時代のことである。そうして身についた副将としての政治家としての型を、小沢は最近における民主党党首としても引きずってきたように思われる。
鳩山由紀夫が今回民主党代表の選挙で勝ち得たのも、結局は彼の党内をまとめてきた力、すなわち小沢の下での幹事長としての実績がものをいったからだろう。つまりは副将としての力だ。だが、その彼が党首として民主党を率いて総大将として総選挙に勝つ力量を備えているかどうかは別のことだ。
現に、今回の代表選挙の過程でも、代表に選ばれたあとでも、鳩山由紀夫は私たちの胸に響くようなことは何ひとつ語っていない。
もし鳩山民主党にわずかでも勝機があるとすれば、国民の多数が自民党政治に愛想を尽かしているということが、そのまま素直に選挙に影響するという場合だけであろう。現に、麻生内閣への支持率が最近にいたって30%ぐらいにまで上がってきているといっても、不支持率が依然として50%ぐらいもあるほどだから。
実際、いわゆる55年体制(1955年における社会党統一と保守合同=自民党の結成)の発足以来、細川内閣などの短期間の例外期を除いて、わが国では北朝鮮並みの一党支配が続いてきているし、これも北朝鮮並みの政治家世襲が支配的となっている。いま、ようやくそうした体制を代えるチャンスが来たはずなのに、その芽を摘むことになったとしたら、民主党の責任はまことに大きいということになろう。 (この項、終り)
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こんばんは。
鳩山さんは軸がぶれているような存在&永遠のナンバー2ですから、
ここは月に飛ばすための最初の切り離し・燃料ロケットとして軌道に
乗せるような役割をあえてできればですね。
2009/5/17(日) 午前 0:03
政府・与党は「鳩山新代表は岡田氏よりいい」と”歓迎”しているが、それは誤りである。岡田はまだ若い、経験不足で政治の世界では幼稚だ。下手をすると分裂するだろうぐらいの事は与党は知りすぎるほど知っている。
ただ、世論を自分達に都合よく誘導するための戦術として田舎芝居をしただけだ。
実は鳩山は手強い相手だと心したがよい。彼は、昔の鳩山ではない。小沢と仕事をすることで、世間と云う魔物のノウハウを学び、精神面で大きく成長している。特に小沢と云う我侭な政治家の下で耐えて此処まで民主党を大きくした自信は恐るべきだと思う。
それに彼の専門は経営工学である。それを政治や行政にオペレションリサ−チ(OR)戦術を応用することは間違いない。それは古い体質の政治、官僚にとっては、ORの近代戦術には到底抵抗出来るものではない事は明白である。
彼は成長した精神力と彼の専門分野の科学的手法は正に鬼に金棒に相当する。それの鳩山家と云う名門は何より名誉を重ずる筈だ。政治にハジと言う代名詞を取り戻すだろう。また友愛と言う鬼の涙も持っていることは、一国民として日本の未来のために大きく羽ばたいてもらいたいと願う。
2009/5/17(日) 午前 1:02 [ tasgbino ]
youtube で新代表の発言を見比べていますが、「やりたいことは決まっているが、財源だけ決まってない」「国債発行はあり得るが、消費税は上げない」「いずれ消費税を上げることはあり得る」「国債発行はしない」と同日でも局によって回答が違っています。「ためしに一度やらせてほしい」と云っていますが、戦争とか結婚とかと同様、試しにやるもんじゃない、と思えますが。
http://www.youtube.com/watch?v=wacsBlgSjKc&feature=player_embedded
2009/5/18(月) 午後 0:02 [ ななめうら ]