文太郎の日記帳

景気、財政赤字、国際経済、政治・政局、世界情勢、日米関係など現代の諸問題を広い視野で解明します。

世界大不況

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経済好転、政府崩壊

 日経平均株価は11月30日以降5日間の連騰となり(上昇率は10.4%)、12月4日終値は10,022.59円と10月30日以来の10,000円台回復となった。これは、11月に入ってからの低迷相場とは様相を一変したものであり、12月1日以来の日銀・政府による緊急デフレ対策の決定が経済界の空気を変えた可能性がある。外国投資資金も東京市場で買いに転じたと伝えられる。
 他方、海外では米国の11月の失業率が前月の10.2%から10.0%へ低下した。
 ところが鳩山内閣の迷走ぶりは目を覆うばかりで、普天間基地問題だけではなく、2009年度第2次補正予算の決定問題でも鳩山由起夫首相はほとんど統治能力を喪失し、亀井静香金融相(国民新党代表)の意向に振り回され、内閣は実質的に「亀井内閣」に変質してしまったかのようである。ブルームバーグ(Bloomberg、電子版4日)は「ハト振り回すカメ」と揶揄した。そのような状況を見ていると、鳩山首相の退陣はもはや不可避だと思える。
 このような政府の実質崩壊が経済にどういう影響を与えるかだが、とにかく09年第2次補正予算と10年度予算を決めてしまえば、当面実質的に政治空白でも経済は動いていくのか?
   
 普天間問題についての鳩山首相の迷走ぶりについてはあらためて書くまでもない。さらに問題なのは 09年第2次補正予算に盛り込む追加経済対策をめぐっての「総理不在」の状況である。
 政府は12月4日の臨時閣議でこの対策を決定をする予定をしていた。ところが事態は急転する。「亀井静香金融相…が、7.1兆円までまとまっていた予算規模を8兆円まで積みますよう要求。閣内の調整がつかず、午後に予定されていた臨時閣議は中止された」のだ(朝日、12月5日)。
 さらに具体的には、「この日は連立3党の党首級が出席する基本政策閣僚委員会で経済対策を了承した後、閣議決定する予定だった。だが、7.1兆円では規模が小さすぎるとする亀井氏が欠席する意向を示したため、閣僚委が開催できない事態に。平野博文官房長官が亀井氏と会談するなど調整を続けたが、不調に終わった」(同前)。

 そもそも、7.1兆円と8兆円との違いなど、それこそ閣僚委員会で調整すべきもの(また調整できるもの)であるのに、それを欠席を通告するなど、亀井氏はまさにルール違反、礼儀知らずである。また、そのような事態を打開するためには、鳩山首相自身が乗り出すのが当然なのに、官房長官に打開を図らせて自らは動かない。そのあげくが、この大事な時に、対策の閣議決定の延期である。まさに実質の総理大臣不在である。
 要するに、鳩山首相は亀井氏になめられているのだ。亀井氏は、この問題に限らず、自分の主張は我を通そうとすれば通せると見ているようだ。まさに「亀井内閣」の出現である。
 
 似たようなことは、普天間問題をめぐる福島瑞穂消費者・少子化担当相(社民党党首)の動きについてもいえる。同党首は12月3日の社民党常任幹事会で、いきなり「もし辺野古沿岸部に海上基地を造るとこの内閣が決定した場合には、社民党としても私としても重大な決意をしなければならない」と述べ、鳩山内閣が辺野古案に決定するなら連立を離脱する意向であると示唆した(読売その他、3日夕刊)。
 このような意見は、普天間基地の県外・国外移転はもともとの社民党の主張であるとはいえ、閣僚としては基本政策閣僚委員会などで主張・議論すべきものである。それを、いきなり自党の幹部会で発言するとは、12月4日公示の社民党党首選挙を控えたパフォーマンスだとはいえ、やはりルール違反、礼儀知らずである。これも鳩山首相をなめた行動というべきである。果たせるかな、鳩山首相はこの福島発言を受けて、すぐさま普天間問題の年内決着を断念する意向を表明した。 

 いまのような鳩山氏の総理大臣としての実質的な任務放棄と迷走ぶりは、ケースは異なるが、私には今年2月のG7(先進7カ国財務省・中央銀行総裁会議)終了後の記者会見に酩酊朦朧状態で臨んだ中川昭二財務相(当時)を彷彿させる異常なものと思える。
 もともと私は鳩山由紀夫氏には「感覚(ピント)がずれた政治家」という印象を持ち、また「総大将としての器量」があるかどうかも疑問であると考えていた(当「診断録」5月16日号)。しかし、最近の同氏の迷走ぶりは、以上のような私の鳩山観をも越えたひどいものである。おそらく彼は、偽装政治資金問題をめぐっての野党・マスコミ・世論などからの批判・追求に、実は自らを失ってうろたえているのではないか。そして、大事な国政のことを冷静に考える余裕を失っているとしか見えない。
 また、閣内・与党内の誰もそうした政府危機を打開しようとする動きを見せないのも異様だ。

 実際、鳩山内閣は「死に体」内閣のようである。小泉純一郎元首相は12月4日夜、山崎拓元自民党幹事長らと会食した席で、「鳩山政権は(来夏の)参院選までもたない」と予言したそうだが(朝日、12月5日)、危機の深刻さからいうと、私には内閣は今年内もつかどうかという瀬戸際にあるように思える。
 不可思議といえば、党内一の実力者といわれる小沢一郎民主党幹事長がまったく動いていないこともある。いくら“政府は首相、党は幹事長”と役割分担を決めているとはいえ、自党出の(かつ自らが党首に推薦した)首相がこれだけの迷走ぶりを見せ、内閣が危機状態に陥っているのに、アドバイスひとつ与えていないようにしか見えないのは理解できない。あるいは、小沢氏自身、自らの資金管理団体の政治資金虚偽記載問題をめぐる検察の動きにびびっているのか。
 もしそうでないとすれば、小沢幹事長は鳩山下ろしのタイミングを計っているのではないか、と思われる。選挙での勝利最優先といわれる小沢幹事長の世評通りであれば、そうした動きがないわけはない。

 それはとにかく、経済面では本稿初めに述べたように、11月25日以降のドル安・円高及びドバイ信用不安表面化、それらによる株価の低落のあとで、日銀が12月1日に10兆円規模の追加資金供給を決め、また同2日に政府が09年度第2次補正予算で行う経済対策の規模を7兆円以上とする方針を決めたことを契機に、東京株式市場の株価が大きく反転したことは注目に値する。
 このことは、1965年、底知れないと思われれるような株価低落と大型倒産に萎縮していた当時(いわゆる昭和40年不況)、同年7月に福田赳夫蔵相(佐藤栄作内閣)が第2次大戦後初めての公債発行による景気対策実施の方針を表明したこと(同年11月に約2000億円の赤字国債の発行を正式に政府決定)、そのことを境に東証平均株価が7月24日(土)の1028.09円から8月4日(火)の1135.31円へ、わずか1週間余の営業日で9.8%も上昇、経済界の空気が一変したことを想起させる。実際に、40年不況は公式にも1965年(昭和40年)10月に底を打っている。
  
 問題は、最近の経済面でのいわば空気の変化が、上述のような政府危機によってまた腰を折られるかどうか、である。その意味で、いまやわが国はまた「政治の季節」に入った感がある。  (この項 終り) 

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政党のリーダーになると、自身の政治資金の管理の問題で政治家本来の仕事ができない状況が続いています。政治家本人の問題だけでなく仕組みにも問題があるように思います。
結果論ですが、3党連立に無理があったようにも思います。政策毎に協力を求める方が運営がスムーズだったのではないでしょうか。

2009/12/6(日) 午前 8:31 [ ねずみ ]


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