文太郎の日記帳

景気、財政赤字、国際経済、政治・政局、世界情勢、日米関係など現代の諸問題を広い視野で解明します。

現代短評

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 新聞・通信・放送など各種マスコミ機関による政党支持率の調査は、総選挙が近づくにつれて一層注目されるようになっている。ところが、その調査結果は調査主体の各機関によってかなり違う。とくに最近は政界新勢力である「日本維新の会」への支持率についての各種調査による違いが甚だしい。いったい、そうした違いはなぜ起きるのだろうか。各種調査のうちで信頼できるものはどれなのか。そもそもこうした調査結果は総じて信頼に値するものなのか。

 まず、11月末頃以降に発表された日経(11月29日)、朝日(12月3日)、読売(同)、NHK(同日夕)の世論調査結果につき、それぞれの機関が主として伝えた政党支持率(NHK)、「比例選での投票先」(朝日、読売)、あるいは「衆院選で投票したい政党」(日経)について、その主な政党の比率(カッコ内)を見ると次の通り(%)。

◇日経:自民(23)維新(15)民主(13)公明(4)みんな(4)
◇朝日:自民(20)民主(15)維新(9)公明(4)みんな(3)共産(3)
◇読売:自民(19)民主(13)維新(13)みんな(5)未来(5)
◇NHK:自民(24.7)民主(17.0)維新(4.1)公明(3.8)共産(3.2)

 これで見ると、維新の支持率あるいは比例選での投票先の比率は、日経と讀賣の調査でずば抜けて高く、NHKでの支持率はかなり低い。

 ここで問題なのは、「政党支持率」と「衆院選の比例選での投票先の比率」とがどういう関係にあるのか、ということだろう。これは、例えばX党の支持者でも比例区の投票先ではこんどはY党を選ぶ、ということだと思われる。しかし、総選挙には小選挙区があり、しかも衆院議席数では小選挙区選出300,比例代表180と小選挙区の比重の方が大きい。その小選挙区では、むしろ政党支持率がものを言うのではないか。
 そこで、各社の調査で「政党支持率」を調べた結果を取り上げて、それを比較してみよう(NHKについては再掲)。

◇日経:自民(27)民主(16)維新(15)公明(4)共産(3)みんな(3)
◇朝日:自民(15)民主(12)維新(5)公明・共産・みんな・未来(各2)
◇読売:自民(17)民主(13)維新(5)公明(3)みんな(3)
◇NHK:自民(24.7)民主(17.0)維新(4.1)公明(3.8)共産(3.2)

 政党支持率調査では、日経調査で維新の支持率がやはり断然高く、また自民の支持率がずば抜けて高い点が目立つ。日経以外では、維新の支持率がいずれでも公明党をやや上回る程度である点が共通している。
 こういう場合には、特異な結果を出した調査(今回は日経)は除外して考えるのが一つの有力なやり方だが、今はその点は措く。

 次に、各社の調査がどの程度の数の有権者を対象とし、そのうちの何人から回答を得たのか、その回答率はどうであったかを比較しよう(以下は各調査機関ごとに、調査対象者数、回答者数、回答率の順)。なお、各機関とも無作為にコンピューターで抽出した電話番号に電話をかけて回答を求めるという「RDD」方式(Random Digit Dialing=乱数表をもとにコンピューターで無策に抽出した電話番号にダイアルして質問するやり方)で調査している。

◇日経(1406世帯、865世帯、61.5%)朝日(1690人、926人、55%)読売(1808世帯、1071人、59%)NHK(4042人、2678人、66%) 

 これで見ると、日経、朝日は1000人に満たない回答者をサンプル(標本)として有権者全体の動向を探ろうとしていること、読売でも回答者は1000人をわずかに上回る程度であることにあらためて驚く。
 しかも、このRDD方式は固定電話の所有者の中から抽出した人たちであるから、固定電話を持たない最近の人たち(とくに若い人)は始めから調査対象に入ってこない。また、電話を受けながら回答をしなかった人はどういう考えだったのかもわからない。あるいは、調査主体のマスコミに好意を持っていないために回答を断った人もある得るだろう。
 
 そのように考えると、マスコミ各機関が行っている政党支持率や選挙での投票先の比率についての調査結果は、具体的数字としてはあまり信用できないと言えそうである。
 強いていえば、NHKの調査が調査対象者の数も比較的多く、回答率も最も高いことから、唯一取り上げて検討してみるに値する結果かも知れない。しかし、NHK調査ということになると、回答者の多くはNHKの報道ぶりに影響される場合が多いとも考えられ、その点を割り引いて考える必要があるだろう。
 このような報道機関の性格、傾向(好み)などによる「偏向」の可能性を考えると、日本でも米国のギャラップ社のような専門的・中立的な世論調査機関が世論調査で主役を演ずるようになるべきだと思う。

 以上を総合して考えると、マスコミ各機関の調査結果は、政党支持率ないし総選挙での投票率の「順位」だけを示す程度のものと考えるのが適当であろう。そういう中では、日経調査における維新の「衆院選での投票先としての比率」(15%)と政党支持率(15%)はいずれも異常で、調査対象者の少なさと共に、日経調査の信頼度を損なうものであると指摘しておこう。

 要するに、有権者も各政党も候補者も、マスコミ各機関による「世論調査の結果の数字」に惑わされることなく、それぞれ独自に判断し、行動すべきだ、ということである。(終り)

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初めまして!

そもそも調査の仕方が「自民と民主と維新のどれを支持しますか?」と、
この3党の支持率が高くなるように誘導しているそうですね。

2012/12/4(火) 午後 8:25 [ ]


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