文太郎の日記帳

景気、財政赤字、国際経済、政治・政局、世界情勢、日米関係など現代の諸問題を広い視野で解明します。

世界大不況

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 このところ、不況対策の切り札として、政府紙幣を発行すべきだというアイディア、そしてそれに反対する議論がしばしば見られる。たとえば2月3日付の日本経済新聞によると、自民党の菅義偉選挙対策副委員長が1日のテレビ番組で政府紙幣の発行について前向きな考えを示したのに対して、細田博之同党幹事長は2日の記者会見でこれを「空理空論」だと切って捨てている。
 すこしさかのぼると、雑誌「週刊ポスト」新年合併特大号(2009年1月2日/9日号)は「これが平成の救国札−日本再生計画だ」と題し、政府紙幣25兆円を発行し、これでもって国民1人あたりに20万円を支給すべきだ、というキャンペーン記事を掲載した。

 専門的な議論としては、2003年4月に財務省の「関税・外国為替等審議会・外国為替等分科会」が開いた「最近の国際金融の動向に関する専門部会」(第4回)において、招かれて出席したコロンビア大学のジョセフ・E・スティグリッツ教授(ノーベル経済学賞受賞者)が、デフレーションの時期には紙幣(Printing Money)の発行は許されるべきだと論じている。
 この会議の場では、岩田日本銀行副総裁(当時)がこれに対し、1930年代における日本の経験を引きながら、それは日本銀行の独立性を損なうし、政府支出のブレーキを取り去ることになって、インフレーションを引き起こすとの反対論を展開している。これは、政府紙幣発行論に対する標準的な経済学の考え方であろう。

 また財務省の財務総合政策研究所で出している「ディスカッションペーパー」に、2004年4月付で「政府紙幣発行の財政金融上の位置づけ−実務的観点からの考察−」と題する同研究所特別研究官大久保和正のペーパーが公表されている(No.04A−06)。
 これは、仮に政府紙幣を発行するとした場合にはどのような手続き・方法・影響があり得るかを、現行法との関連を踏まえつつ、まさに「実務的に」多面的に検討したもの(個人的見解として)であり、たいへん参考になるものであるが、同研究官の結論は発行に否定的である。しかし、政府紙幣発行を論ずる場合には、こういう議論を踏まえた上で行うべきであろう。

 このほか、アイディアとしては、丹羽春喜(雑誌「諸君」2002年3月号)、榊原英資(「中央公論」2002年7月号)、岩国哲人(「日本海新聞」2005年8月1日)などが政府紙幣発行積極論を述べている。

 私は政府紙幣発行論は真剣に検討すべきテーマだと考えており、このブログのシリーズでもやがて本格的に論ずる予定である。ただ、現時点では、この問題については学問的(とくに貨幣論的)な検討が不可欠であることを指摘するにとどめておく。  (この項終り)
 

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政府が公認で偽札づくりをするのと同じことだ。

物価は上がり、給料は実質下がり、銀行預金も目減りが著しい。

それでもいいのですか。

2009/2/3(火) 午後 4:18 [ nakayamagoro ]

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今回の金融危機でこの世から消えた分と同等のお金を刷ればいいんです。それを給付金として国民に配ればいい。銀行や企業はダメです。それでリセットです。

2009/2/4(水) 午前 1:07 [ walktokky ]


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