文太郎の日記帳

景気、財政赤字、国際経済、政治・政局、世界情勢、日米関係など現代の諸問題を広い視野で解明します。

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参院選に野党は無戦略

 投票日(7月21日)まで1週間を切った今も参院選の盛り上がりは見られない。それはなにか。世論調査などで自民・公明両党の優勢(両党で改選後参院の過半数を獲得の勢い)が伝えられていることが大きいが、これに対する野党各党に“自公による過半数を阻止”といった基本戦略も、その気迫も欠けているからであろう。

 14日(日)9時からのNHKTV「参院選特集・徹底討論」で、国会に議席を持つ9政党(こんどの参院選に候補を立てていない新党改革を除く)の代表による「討論」が行われるのを視聴したが、上記の認識を変えるものは何もなかった。この討論の出席者は石破茂(自民幹事長)、細野豪志(民主幹事長)、橋下徹(維新共同代表)、井上義久(公明幹事長)、江田憲司(みんな幹事長)、鈴木克昌(生活幹事長)、市田忠義(共産書記局長)、又市征治(社民幹事長)、谷岡郁子(みどり代表)の各氏。
 この「討論」なるものは実際にはとても討論と言えるようなものではなく、基本的には各党がそれぞれ自分の主張を述べ、ついでに他の党を批判するという程度のものだった。このうち、与党の自公両党は政権担当以来の実績(特に円安と株高)を誇示し、参院での過半数を獲得して、「成長戦略」の確実な実行を目指すというお決まりの主張。対して各野党は、もっぱら参院選で自党の党勢を伸ばすことだけが眼中にあり、自公による衆参両院の制覇をいかに阻止するかといった共通目標などはまったく見られなかった。

 野党のうちで特に目立ったのは、一つは民主党の迫力の無さである。同党は、未だに民主党政権末期における「民自公3党合意」(社会保障と税の一体改革についての)にしばられて、現在における野党としての立場を明確に出来ないでいると見えた。また、いわゆるアベノミクスについてもその副作用を批判する程度で、安倍・黒田路線による日銀の「異次元金融緩和」という放漫金融を批判する視点などは皆無である。これも、黒田氏を日銀総裁に任命する前国会での人事案で、民主党が黒田支持を表明したことの後遺症である。要するに、いまの民主党は真の野党になっていないのである。これでは、反安倍政権票が民主党に流れるはずがない。
 野党の主張でもう一つ目立ったのは共産党の主張である。同党は、いつものことだが、「米軍基地の全面撤廃」をはじめ、あらゆる政治・経済問題で「安倍政権と真に真っ向から対決する党」だとの主張を展開した。この「安倍政権と真に真っ向から対決する党」という自讃は認めていいが、では、それで安倍政権の施策にいささかでもブレーキをかけられるのか、あるいはそういう意思を持っているのかといえば、それはまったく「ノー」だといわざるを得ない。これでは、共産党は現実政治における政党ではなく、実態では一思想団体に過ぎないということになる。

 それでは、今回の参院選で、野党が共同戦線を張って自公政権にブレーキをかけ得る問題がないのかと言えば、あるのだ。それは、例えば来年4月から予定されている消費税の引き上げをストップさせることだ。現に、野党(民主を除く)はそれぞれの立場はあるが(特に維新)、予定されている消費税の引き上げ(2014年4月に8%へ、15年10月に10%へ)は景気の回復に水を差すとして反対しているのである。
 民主党は前政権時代の3党合意にしばられて、消費税引き上げに反対できないでいる(わずかに、この秋の景気情勢を見て慎重に最終決定をするようにと言う程度)。しかし、安倍・黒田の「異次元金融緩和」路線は、2年以内における「物価の2%引き上げ」を目指しているのである。実際にその狙い通りに行くかどうかは疑問だが、そういう政策目標は、国民に対して消費税の引き上げ(2年間に合計で5%)を2%加重する負担をかけるものにほかならない。なぜなら、物価の上昇はまさに目に見えない増税であるからだ。民主党は、この際、安倍政権・黒田日銀によるこうした「異次元金融緩和」という政策目標の採用を理由として、予定されている消費税の引き上げに反対すべきなのだ。

 実は、自民党自身が消費税問題で腰が据わっていないのだ。14日のTV討論においても、石破自民幹事長は矛盾したことを述べていた。すなわち、財政再建問題をテーマとする討論では、同氏は「財政再建の目標は堅持するが、とにかくそれに先立って経済成長を実現することが必要」との立場を述べ、財政赤字対策をいま急いで実施すべきではないと主張した。
 ところが、討論のテーマが変わって「社会保障」に移り、その財源の問題が議論になると、石破氏は「いま消費税の引き上げ(社会保障費の財源として予定されている)を見送れば、政府が財政再建をなおざりにしていると内外から受けとられ、国債相場が暴落するだろう」と述べ、事実上、財政赤字対策を先延ばしすべきではないと平気で主張したのだ。
 「異次元金融緩和」を安倍首相に吹き込んだ浜田宏一内閣官房参与も、今になって急に消費税の引き上げに懸念を表明している。すなわち、同参与は13日に都内で講演し、消費税引き上げという「増税は経済に対して大きなショックを与える」と述べた(msn産経ニュース、13日)。

 このように、野党は与党の持つ最大の弱点を共同戦線で突くという有利な戦略をとれないでいるのだ。もしこのことが実現すれば、今回の参院選で自公両党が過半数を獲得することは不可能になるであろうに。(終り)

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