文太郎の日記帳

景気、財政赤字、国際経済、政治・政局、世界情勢、日米関係など現代の諸問題を広い視野で解明します。

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参院選と憲法改正問題

 明21日に投開票が行われる参議院議員選挙は、与党の自民・公明両党の優勢が伝えられるのに対し、野党側に与党による過半数の議席獲得を阻止する戦略も気迫も見られない、まことに盛り上がりに欠けた選挙戦だった(当「診断録」7月16日号)。そうした中で、実は自民党が秘かに狙っているのは、単に参院で過半数を制するだけではなく、維新の会などを含めて「改憲」勢力で3分の2を獲得することであろう。
 憲法改正が安倍首相の念願(悲願?)であることは周知の事実であり、今回の参院選を通じて衆参両院で3分の2以上の改憲勢力の議席を確保して、まず改憲のための国会での発議の要件(憲法第96条はこの発議には衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要と定めている)を改正し、改憲発議の要件を各議院の総議員の2分の1以上に改めた上で、憲法第9条(戦争の放棄などを定めた条)などの改正を行うつもりだと推察できる。
 しかし、世論調査などで有権者の改憲への疑問が意外に(安倍首相にとって)多いことから、参院選では表向き「改憲」の主張は前面に出さない作戦に出ている。

 だが、さすがに自民党の有力なマスコミ応援団と目される読売新聞は、「政策的な争点もはっきりしています」として、アベノミクスについての賛否に次いで、「憲法改正の是非が選挙の争点になるというのは絶えてなかったことです」と明言している(同紙20日第1面、「拝啓 有権者の皆さんへ」、特別編集委員橋本五郎)。 
 続けて同紙は次のように書いている。「改憲に積極的な自民、維新、みんなで3分の2を獲得するのか、慎重な公明がどう対応するのか、注目点はいろいろあります」。
 「読売新聞は20年前に憲法改正試案を発表しております。私も作成に加わりましたが、当時は改正を口にするだけでも、マスコミ他社も含めて激しい批判に晒されました。それが今や選挙の争点として俎上に上っているのです。隔世の感があります」。

 「絶えて…ない」と否定の語を伴って使われる「絶えて」とは、「ちっとも。全然」(広辞苑第6版)という意味で、したがって讀賣の橋本特別編集委員は憲法改正が国政選挙の争点になったことはなかったと言い、ついでに讀賣と自らの“先見の明”を誇っているわけだ。
 ところが実際には、戦後の政治史を顧みれば、改憲が選挙の争点となったことはしばしばある。ここでは、やはりマスコミの東京新聞が取り上げた二つの例を紹介する。

 その最初は1956年の参院選。「『米国の押しつけではない独自の憲法を』という改憲論が台頭したのは、連合国の占領が解かれた52年前後。中心は鳩山(一郎…引用者の加筆)ら連合国軍総司令部(GHQ)に一度は公職を追放された保守政治家だった。
 世論も賛否が拮抗(きっこう)する中で行われた56年7月の参院選。前年の衆院選に続き、憲法改正を阻止できる3分の1の議席を、革新勢力がぎりぎりで確保した。『憲法改悪反対』を旗印にした社会党の作戦が当たった」(東京新聞TOKYO WEB、2013年4月19日)。
 次いで1958年の衆院選。「安倍(現首相…加筆)の祖父である岸信介は1958年、保守合同による自民党誕生後の衆院選で、首相として初めて改憲を争点に掲げた。結果は過半数をはるかに超える圧勝だったものの、3分の2には届かず、改憲は遠のいた」(同上、同6月28日)。

 以上のように、戦後の国政選挙では、よく改憲の是非が争点になってきたのだ。讀賣の橋本特別編集委員には、“政治や選挙を論ずるのであれば、もっと勉強してものを言え”と言いたいが、それはとにかくとして、今回の参院選には、改憲をめぐって1958年の衆院選と似通った点があることに気づく。だが今回は、社民、共産、民主の各党などは改憲反対を唱えてはいるが、まとまった強い主張にはなっていない。
 そのため、今回の参院選の結果で、改憲勢力(潜在勢力を含め)が衆参両院で3分の2を占める(衆院では、公明の態度は曖昧だが、すでに自公両党で326議席を占め、3分の2の320議席を上回っている)可能性があるのではないか。その意味で、参院選の結果とともに、その後における公明、みんな、維新などの党の動向には要注意だ。(終り)

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