文太郎の日記帳

景気、財政赤字、国際経済、政治・政局、世界情勢、日米関係など現代の諸問題を広い視野で解明します。

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ダウ6日続落で15000割れ

 NY株式ダウ平均株価は、8月21日(水)も105.44ポイント下落し、これで14日(水)以来6日連続の下落(合計下落幅は553.46ポイント、下落率は3.58%)となり、ダウは7月3日以来の15000割れとなった(この事実を内外のマスコミは大きくは取り上げていない)。8月21日の終値14897.55は6月25日(14760.31)以来の安値である。

 
 21日の市場がもっとも注目したのは、当日公表されたFed(連邦準備制度《中央銀行》)の7月30〜31日のFOMC(公開市場委員会《Fedの政策決定機関》)の議事録で、そこからFedの量的金融緩和政策第3弾(QE3)縮小のタイミングについて具体的な手がかりを得られないか、と期待したのだった。だが、議事録では「『ほぼすべての参加者』が年内の債券購入ペース縮小を『おおむね支持』したと記され」(Bloomberg、21日)たが、「その縮小のタイミングについては一致しなかった」(NYTimes電子版、21日)ことも明らかになった。
 しかし、6月の同委員会ではQE3の継続が決められただけであったことと比べて、7月の委員会では大勢が「Fedによる巨額の経済刺激策を縮小する方向に近づいた」(edging closer)」(NYTimes同上)ことはたしかなようだ。

 それでも、7月のFOMC議事録からは、「経済の基礎的な強さについての大きな疑問が残っていること」、したがって「政策のいかなる変更も、FOMCの次回の会合(9月17〜8日)までに明らかになる経済データいかんにかかっていることも明らか」である 。「いく人かの委員会メンバーは、住宅市場と自動車販売には好転が見られるが、経済成長が近いうちに高まる可能性については6月の委員会当時よりは懐疑的になっている」という(同上)。

 NY市場の株価がこのところ下げているのは、市場には、QE3という超金融緩和が縮小された場合の、リスク資産市場へ加わるその下方圧力に対する警戒とともに、現実における景気の強さに対する疑問とが併存しているからではないかと思われる。こういう状況では、QE3縮小でも、景気悪化によるその延期でも、その“どちらに転んでも”市場にはいいことではない、ということになるわけだろう。
 21日の市場では、QE3の縮小を見越して、株価の下落とともに、「10年もの米国債の利回りが2.89%に上昇し、ドル相場の指数(諸通貨のバスケットに対する)は0.5%上昇した」(Financial Times電子版、21日)。米国においてのみならず、世界的にも「株価指数は下落し、債券利回りは上昇している。そして最近のインドなどの新興国市場は混乱に陥っている。インド・ルピーの相場は(資金の流出でー引用者の加筆)水曜日(21日)にはドルに対して最低に陥った…」(Financial Times、同上)。

 片やQE3縮小の可能性、他方では米国や新興国などの景気の不透明さは、いろいろの面で日本経済にも影響を与えている。
 QE3の縮小見通しによる米金利高・ドル高が,日本の株価に影響を与えるとともに円相場の上昇を抑えていることは周知の事実だが、日本の輸出の伸びが7月には止まったことは注意されていない。すなわち、19日(月)に発表された7月の貿易統計(財務省)によると、輸出は対前年同月比で12.2%の増加で5ヵ月連続の増加、数量ベース(価格の影響を除いた)でも1.8%増と「14ヵ月ぶりに前年を上回った」(日経、19日夕刊ほか)。ところが季節変動(及び取引日数の差)を調整した額(同じく財務省)によると、7月の輸出は5兆7816.79億円で6月の5兆8862.13億円から減少、2012年12月以来7ヵ月続いていた輸出の増加が止まった。

 さすがにFinancial Times (電子版、19日)はこの事実(季節調整値で見た輸出の推移)を見逃さず、「日本の輸出はこの8ヶ月間で始めて7月に減少した。これは、円安による輸出の押し上げ効果が、米国やアジアといった主要市場(key markets)における需要の沈滞によって相殺されたからだ」と報じた。ただし、同紙が指摘している米国での需要沈滞の影響の根拠については明らかでない。
 このFinancial Timesはさらに、「この憂鬱な数字は、先日発表された期待を下回るGDP(4〜6月のー加筆)の数値とともに、安倍氏が増税計画を修正するとの期待を高めるだろう」と述べているが、これも的確な指摘と言えるだろう(当「診断録」8月12日号参照)。

 とにかく、世界市場が米国中央銀行の超緩和的金融政策及び米国景気の行方に振り回される状況はまだ当分続きそうだ。(終り)

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