文太郎の日記帳

景気、財政赤字、国際経済、政治・政局、世界情勢、日米関係など現代の諸問題を広い視野で解明します。

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東京株式低迷 予想以上

 東京株式市場では23日(木)の暴落(日経平均1143.28ポイント、7.3%下落)の後、週明け27日(月)にも大幅下落(469.80ポイント、3.2%の下落)を記録し、この両日の合計下げ幅は1613.08ポイントに達した。
 これに対して、日経平均は24日(金)には128.47ポイント、28日(火)には169.33ポイント戻したものの、この合計の上げ幅297.8ポイントは23,27日の合計下げ幅の1.85%に過ぎなかったし、29日(水)に至ってはわずか14.48ポイントの上げにとどまった(この上げを加えた暴落後の合計上昇幅は312.28ポイントで、上記下げ幅の1.94%に止まる)。
 とくに29日は、前日の欧州市場やNY市場で株価が上昇し、ドル/円の為替相場も東京株式市場オープン直前には102.50円の円安(株式関係者お好みの)だったため、オープン直後には日経平均は14512.28ポイントと前日終値比で200.3ポイント上昇していたのだが、終値は14.48ポイント高と完全な尻すぼみになってしまったのである。 
 端的に言って、暴落後の東京株式の反発力は極めて弱く、相場の低迷ぶりは予想以上である。

 このような相場の推移は、前週の株価急落にショックを受けた投資家が、株価が戻るのを待って売り逃げようとしている状態を暗示している。すなわち、“株価急落はこれまでの急ピッチの上昇の一時的修正に過ぎない”と見る強気筋の買いに対し、急落のショックから売り逃げようとする弱気筋が拮抗ないし上回る勢いにあるということのようだ。この意味で、“アベノミクス”に煽られた株式投資ブームはひとまず去ったと言えるだろう。
 株式市場関係者には、「日本株に関しては、経済のファンダメンタルズや企業業績が変わったわけではないとして、長期では海外投資家の日本株買いが期待できるとの見方も多い」(ロイター、27日)という。しかしそう言うのなら、これまで経済のファンダメンタルズなどがとくに変わったわけではないのに、ほとんどアベノミクスへの期待と円安だけで株価が不相応に急上昇したのだから、そのような幻想に支えられた株高が反落するのは当然、という理屈にもなるはずだ。

 今回の株価の屈折に大きな影響を与えたのは長期金利の急上昇で(当「診断録」5月24日号参照)、長期金利の指標となる10年物国債の利回りは28日には終値が0.905%と0.9%台乗せを記録、29日には0.935%に達した。この利回りは、黒田新日銀総裁がその大金融緩和策を発表した4月4日には0.455%へ低下していたのである(「診断録」5月18日号)。
 黒田日銀の金融大緩和によるデフレ脱却戦略の第一の狙いは、長期金利の低下を促して民間の投資や住宅取得を刺激することにあったから、その金利が上昇しているのは大誤算である。さすがに黒田氏もその誤算を認めざるを得なくなったようで、26日に行われた金融学会大会での講演では次のように述べている。

 
 「仮に金利がこれくらい上昇したとしても、経済・物価情勢の改善を伴うものであれば、貸出の増加や利鞘の改善、株価の上昇などにより金融機関の収益にプラスの影響が及ぶため、金融システムが不安定化する懸念は大きくないと考えています」。
 「一方、経済状況が改善しない中で財政懸念が強まることを背景に金利が上昇する場合は、…金融機関には債券評価損という負の影響が出て来ることとなります」。
 「財政の持続性に対する懸念を生じさせないためにも、政府における財政構造改革に向けた取り組みを着実に進展させていくことが重要です」(以上、日銀のホームページによる)。

 すなわち黒田総裁は、最近の長期金利の上昇が好ましくないもの(悪い金利上昇)であることを認め、その原因を除去するよう今さらのように政府に注文を付けたのである。それでも同総裁は、長期金利上昇がデフレ脱却への安倍・黒田戦略を脅かしていることを認めていない。
 また同総裁は、最近の株価の急上昇や直近におけるその急落を意識して次のように述べている。「様々な指標や金融機関行動を見る限り、現時点では、資産市場(株式市場などー引用者の加筆)や金融機関行動において、過度な期待の強気化を示す動きは見られていないと考えています」(同上)と。つまり、最近までの株価の急上昇を「過度な期待の強気化を示す動き」とは見ていないし、その株価の急落も「過度な期待の強気化」の反動とは見ていないのである。

 とにかく、最近の黒田総裁の発言には自己弁護に過ぎないと思われるものが多く、市場からも日銀総裁としての信頼を失い始めているようだ。
暴落後の株式市場の低迷には、そうした“黒田幻想の陰り”も影響していると言えるかも知れない。(終り)
 

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