文太郎の日記帳

景気、財政赤字、国際経済、政治・政局、世界情勢、日米関係など現代の諸問題を広い視野で解明します。

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 参院選後の東京市場の株価は、選挙(7月21日)のわずか2日後に大きく失速した後、しばらく回復していたが、8月7日(水)、8日(木)に再び失速した。
 すなわち、日経平均株価は選挙後の7月24日(水)から29日(月)まで4営業日連続で計1117.38ポイントも下落し、参院選前の7月2日(火)からその直後の23日(火)まで続いた日経平均1万4000台を割り込んだが、その後は7月30日(火)からの戻りで、8月1日(木)から6日(火)までは1万4000台を回復していた。ところが同7日(水)、8日(木)の2日でまたもや計795.5ポイント(6日の終値に対する下落率は5.52%)も下げて、8日の終値13,605.56は参院選24日前の6月27日(13、213.55)以来の安値となったのである。
 このことは、日本の株価は参院選後にはアベノミクスや自公安定政権期待によっては動かされず、「景気の実勢(企業業績を含む)や國際経済環境の動静に、より敏感に反応するようになった」(当「診断録」7月29日号)ことが再確認された、ということだ。

 具体的には、8月7日の株価大幅安(576.12ポイント、4%)は「米国の量的緩和政策の縮小観測から、市場参加者がリスクオフ(株や高金利通貨などのリスクがある資産への投資を避けること…引用者の加筆)の売り姿勢を強め、ドル・円相場が約1ヵ月ぶりの円高水準をつけたことも嫌気された」(Bloomberg、7日)からだ。また8日の株価続落(219.38、1.59%)は、「米国金融政策の不透明感を背景にした円高への警戒感が強いうえ、国内の街角景気統計(注)の減速を受け、取引終盤に売り圧力が強まった」(同上、8日)ためという。

 (注)「景気ウォッチャー調査」(内閣府の調査)のことで、「地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的」(内閣府ホームページ)とするもの。
 具体的にはタクシーの運転手、小売店の店長、娯楽施設の従業員、派遣従業員、設計事務所長など計2050人を「景気ウォッチャー」に任命、景気の現況、2〜3ヵ月後の景気先行きなどを5段階評価で回答してもらって指数化している。各地域(北海道から沖縄まで全国を11地域に分ける)の調査とそのとりまとめは、北海道二十一世紀総合研究所など民間研究・調査機関が分担担当し、全体を三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が取りまとめている。

 上記の内「米国の量的緩和政策の縮小観測」とは、米国の中央銀行であるFed(連邦準備制度)が行っている金融の量的緩和の第3弾(QE3)が近く縮小されるだろうという予想のことで、6日にシカゴ連銀(Fedを構成する12の地区連銀のひとつ)のエバンス総裁が「9月に連邦公開市場委員会(FOMC。Fedの政策決定機関…引用者の加筆)が債券購入プログラム縮小を開始する決定」をすることを「明確には排除しない」と語ったことが根拠とされた(ロイター、7日)。なお、エバンス総裁はFOMCの構成メンバーの一人である。
 QE3が縮小から廃止へと向うと、金融の引き締まりから株価(直接には米国NY市場の)は打撃を受けると考えられている。NY株価の下落は東京の株価の下落に連動しやすいし、前者はまたドルの下落・円高をもたらす傾向がある。ただし、前に“QE3の縮小が先延ばしされる”との観測が流れた際には、NY株価の上昇とともにドル安が起きたこともあり、QE3の縮小あるいはその延期とドル相場との関係には不確かな面がある(注)。7日と8日には、QE3縮小の具体化の観測がNY株安とドル安をもたらした。

 (注)米国の現行の量的金融緩和(QE3)が縮小されると、米株価には下げ圧力が加わる(日本の株価に連動しやすい)が、他面で金利の上昇から米日の金利差が拡大してドル高・円安をもたらす(日本の株高要因となる)という二面があるためではないか、と考えられる。

 また、8日発表の「景気ウォッチャー調査」の指数は、「52.3と前月比0.7ポイント低下」した。「低下は4カ月連続」である(ロイター、8日)。「企業動向調査と雇用関連が上昇した一方、家計動向関連が低下した」(同上)ことが影響した。このことは、“安倍政権の政策は企業にはプラスを、家計にはマイナスをもたらす”という従来からの野党などの批判を裏付けるものだと言えるだろう。
 それはとにかく、東京市場の株価に国内景気の負の面が影響を与えたことは注目に値する。

 しかし、全体的には、やはり米国の金融政策の有りようが米国及び日本の(のみならず世界の)株価に最も大きい影響を与えていることは否定できない。端的に言えば、世界の市場(株式市場だけではなく、債券、商品などの市場も)はいまFed、とくにそのバーナンキ議長の言動に振り回されているようだ。
 そうした流れの中では、アベノミクスも黒田日銀の「異次元金融緩和」も沈没してしまったとの感が強い。(終り) 

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