「開かれた市政をつくる市民の会」編集者ブログ

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 ちょうど一週間前の9/10に鬼怒川の堤防が決壊して大水害となりましたが、同じ日に鳥取市周辺にも洪水警報が発令されていました。
 筆者は当日の朝10時前に千代川にかかる千代大橋を通りましたが、警戒水位まではまだ3m以上の余裕がありました。ただし、あと1mほど水位が上がれば水が河川敷の上にあふれて、道路やグラウンドが水没する寸前の状態でした。グラウンドの土が流された場合、過去に何回も繰り返されたように、数百万円か数千万円の市補正予算を新たに組んで復旧工事をすることになります。

 鳥取での水害の歴史を示す資料を見つけたのでご紹介します。
 「千代川水系の概要」(国土交通省)

 この資料の三ページ目に過去の主な洪水の一覧表が載っています。注目されるのは、この表に載っている11件の洪水のすべてが九月と十月に発生、かつ、そのすべてが台風に伴う豪雨によるものであるということです。

 一番最近の平成16年10月20日の洪水について詳しく見てみましょう。この時の台風23号による被害は全国的なものであり、特に日本海側での水害がひどかったようです。鳥取市は若干の家屋の床上・床下浸水だけで済みましたが、京都府や兵庫県では堤防が決壊して広範囲に洪水が発生しました。京都府では15人、兵庫県では26人もの死者を出しています。当時の様子を伝える記事を紹介します。

 舞鶴市の由良川では、堤防が決壊して観光バスが水没。バスの屋根に上って救助を待つ乗客の姿は新聞やテレビでも報道されたので、今でも記憶に残っています。この記事を読むと、上流にある大野ダムも決壊の危機に瀕していたことがわかります。鳥取市の袋川では、中流にできた殿ダムが洪水防止の役割を果たすと言われていますが、本当に大丈夫でしょうか?「想定外」の豪雨が集中してダムが一気に決壊した場合、下流の市町村は壊滅状態になることは明らかです。ダムに頼るのではなく、上流の山地全体の保水力を高める必要があります。

 円山川と支流の出石川の合流点に近い地点で右岸側堤防が決壊。左岸側の堤防は決壊しなかったものの、「内水氾濫」という現象が発生。左岸の河近くにあった公立豊岡病院は完全に水没しました。このブログによると、公立豊岡病院は水没の翌年に川から遠く離れた丘陵地に移転したそうです。「内水氾濫」については、後でまた触れます。

 当時の台風23号のデータを見ると、その進路は鳥取よりも東寄りの本州縦断コースとなっています。このコースの場合、北西からの強い風が、気温に比べてまだ温かい日本海で集めた水分を大量に山陰地方に運び、豪雨として降らせることになります。この台風があと数十km西よりのコースを進んでいたら、舞鶴や豊岡を襲ったのと同様の豪雨が鳥取市を襲っていたでしょう。

 さて、豊岡市の病院を襲った内水氾濫について。

内水氾濫」(独立行政法人 防災科学技術研究所)
 このサイトによれば、「 内水氾濫が生じやすい地形には,平野の中のより低い個所である後背低地・旧河道・旧沼沢地,・・・・,市街地化の進んだ丘陵・台地内の谷底低地,台地面上の凹地や浅い谷,地盤沈下域,ゼロメートル地帯,干拓地などがあります。」とのこと。市街化が進んだ地域では、舗装でおおわれた面積が増えて雨水が地中にしみこみにくくなり、地表にあふれてしまう現象が発生しやすい。

 昨年十二月に鳥取市議会は、鳥取駅から南西に約300mの旧市立病院跡地に市庁舎を新築移転することを内容とする位置条例を可決しました。このために要する費用は、建設費だけでも約百億円に達するとしています。

 移転先の旧市立病院跡地は袋川から約300mの距離にあり、袋川の氾濫原からなるこの跡地の土壌には旧河道の名残である砂利層が大量に含まれ、しかもこの砂利層の中を現在も水が流れている可能性が高いことが明らかになっています。このような地層は、地震発生の際には地下から水がしみ出して液状化現象が発生する可能性が極めて高いとされています。当然、地下水位も高く、内水氾濫が起きやすい地域であると考えられます。

 巨額の費用を使って、わざわざ水害被害を受けやすい川のそばに市庁舎をなぜ持ってこなければならないのでしょうか。しかも、新築移転の第一の理由として防災体制の強化を挙げているのですから、鳥取市の姿勢は実に滑稽というほかはありません。

 地球温暖化に伴って、過去には百年に一度の発生確率とされていた豪雨が、数年に一度の頻度で発生するようになってきています。今回の関東・東北の大水害で明らかになったように、現在の堤防は、従来の百年に一度の豪雨には耐えられないものがほとんどです。
 巨額を費やして移転新築された市庁舎が、近い将来、今回の常総市の市役所と同様に水没した場合には、この移転計画を推進した深澤現鳥取市長と、市庁舎新築移転に賛成した市議会現議員の責任が厳しく問われることになるでしょう。

/以上

・追伸

 常総市役所浸水に関する本日付の記事を見つけたので、追加で紹介します。

 この記事によると、常総市は防災に関しては地震のことしか頭になかったとのこと。また、ハザードマップで予想されていた市役所付近の浸水は1〜2mだったとのことです。

 ついでに、鳥取市のハザードマップも紹介しておきます。次のサイトのマップ1を選ぶと鳥取市旧市街地の浸水深さ予想を見ることができます。
 
 やや見づらいものの、マップを拡大してみると、現市庁舎の敷地は50cm〜2mの浸水、移転予定地の旧市立病院跡地も同じく50cm〜2mの浸水予想となっています。

 しかし、大きな差があるのは、これら二か所の敷地を取り囲む周囲地域の浸水予想です。現市庁舎を取り囲む住宅・商業地の大半は50cm未満とされているのに対して、旧市立病院跡地と袋川にはさまれた跡地西側は2〜5mの予想となっています。また、跡地北側と東側は1〜2m、跡地南側のみが50cm〜1mとなっています。

 つまり、病院跡地付近で内水氾濫が発生した場合、袋川の土手に阻まれて水の逃げ場がありません。水は病院跡地の西側に溜まり続け、その水位は時間と共に上がることになります。

 おまけにこのマップには、浸水深さの予想の前提として、「・・内水による氾濫は考慮されていません」とのご丁寧なただし書きまでついています。現市庁舎と病院跡地と、どちらが水害に会う危険性が高いかは、小学生でもわかるでしょう。

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