「開かれた市政をつくる市民の会」編集者ブログ

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 日曜日10/22の深夜、台風21号が四国から東海の太平洋岸をかすめて翌10/23未明に静岡県に上陸しました。鳥取県東部では、10/21からこの台風の影響で雨が降り始め、10/23にかけてかなりの雨量を記録しました。

 昨年秋に「市民の会」では鳥取市の「新庁舎の防災に関する学習会」を開催しました。この学習会の資料内容(Page4〜5)によれば、千代川の過去の水害の発生パターンには明らかな特徴があります。次の三条件がそろった時に洪水発生の確率が極めて高くなるのです。

①洪水発生の時期は9月、又は10月。
②強い台風の襲来時に洪水が発生。
③台風の進路としては、九州と四国の太平洋岸沿いに接近して近畿か東海地方に上陸した場合に洪水発生。

 今回の台風21号は、この洪水発生パターンにピッタリだったので、ここ数日間、注目していました。ちなみに、先月9/17に兵庫県に上陸した台風18号も同じパターンでした。

(1)台風21号による増水

 台風が過ぎた翌日(10/23 am10h)の千代川の様子を下に示します。撮影場所は千代川右岸、富桑小近くの堤防の上です。河川敷の全てが水没。橋の上から見ると、川の中央付近の水の流れは極めて速く、「あそこに落ちたら到底助からないだろう」と恐怖さえ覚えるほどでした。

 なお、この時点での行徳地点での水位は、水位のピーク時(10/23 am4h)に比べて65cm下がっていました。

 (1)上流方向
イメージ 1

(2)下流方向
イメージ 2

 増水時の行徳地点の水位は、次のサイトで知ることができます。

  このサイトに表示された10/22から10/23にかけての水位の変化を下に示します。10/23のam4hに最高水位5.0mを記録しました。

イメージ 3

 行徳地点の水位は、ライブ映像(ただし静止画像)でも見ることができます。次の国交省のサイトから千代川水系四地点の映像が見られます。

 10/23 am8h17m時点での画像を下に示します。

イメージ 4

 今回の増水では黄色の「氾濫注意水位」の範囲内で収まりましたが、あと90cm増水していれば「避難判断水位」5.9mに到達していました。「水位危険度レベル」によれば、「住民が避難を始めなければならない水位」です。さらに今回の水位からあと1.7m上がっていれば、氾濫の危険性が高い「氾濫危険水位」6.7mに達していました。

 今回の台風では、中流の河原町袋河原地区で「避難判断水位」を超えたために、真夜中に周辺住民が避難を強いられる事態になりました。もう少し降雨が続いていたら、行徳の周辺地域の住民にも同様に避難命令が出ていたことでしょう。

(2)先月の台風18号との比較

 先月の台風18号では、行徳の水位のピークは「水防団待機水位」2.6mのわずかに下でした。記録は残していませんが、多分2.5m位だったと思います。以下に気象庁の「過去の気象データ検索」から拾った、千代川水系の観測点五か所の降り始めからフリ終わりまでの降雨量と水位上昇の相関を示します。

① 台風18号(9/17最接近)
 ・9/16〜9/18の合計降雨量(mm)
 湖山101.5 鳥取162.5 佐治235 智頭220 若桜152.5
  平均値=174.3mm
 ・行徳の最高水位 2.5m

② 台風21号(10/22最接近)
 ・10/21〜10/23の合計降雨量(mm)
 湖山167 鳥取178 佐治283 智頭227 若桜249
  平均値=220.8mm
 ・行徳の最高水位 5.0m

 今月の台風では先月の台風よりも降水量平均値が46mm増えており、水位に関してはは2.5mも上がっています。もちろん、雨の降り方の時間と降雨場所のパターンにも大きく影響されるのですが、仮に平均三日間合計の降雨量が300mmだった場合には、行徳の水位が「氾濫危険水位」6.5mを超える可能性が非常に高いと言えるでしょう。

 実際に、降雨量が判っている過去の千代川の水害の12例のうち8例については、流域の48時間平均降雨量が200mmを超えているのです(前述の昨秋の当会学習会資料のpage4)。今回の台風では、東海・近畿での降雨量は500mmを超えるとの予報が出ていました。今回は秋雨前線が南の太平洋上にあったために鳥取県東部の降雨量はこの程度で済みましたが、秋雨前線が日本列島上に停滞している時に強い台風が来ていたら、既に台風接近前から当地には強い雨が降り続いていたことでしょう。

(3)新市庁舎は千代川からの水害に対して安全なのか?

 近年では温暖化に伴って、以前には考えられなかった規模の台風や集中豪雨が毎年のように日本列島各地を襲うようになりました。今回の台風は十月末にしては異例の強さでしたが、今後はこのような台風の襲来が常態化するものと思われます。

 気になるのは、新袋川と千代川の合流点のすぐ近く(合流点からは800m、新袋川からは直線で300m)にある現在建設中の新市庁舎です。深澤市長は「防災拠点のためにも新庁舎が必要」と強硬に主張して、日本の自治体では初めて住民投票結果をひっくり返して、市庁舎新築移転を決めました。その防災拠点となるべき移転先地域は、よりにもよって千代川流域の中では一番堤防の高さが足りない地域なのです。

 今回の増水に見るように、新庁舎近くでの千代川の堤防決壊は、もはや仮定の話ではなく現実の脅威になってきているのです。早ければ来年の秋にも発生して、建設中の新庁舎が水没する可能性があるのです。その時には、市庁舎新築移転を推進して来た竹内前市長と深澤現市長、さらに新築移転に賛成した市議会与党(会派新生、公明党、市民フォーラム、無所属議員の一部)はどう責任を取るのでしょうか?「新庁舎が洪水に会うとは、完全に想定外だった」と言うのでしょうか?

 2012年に市自らが公表した「市総合防災マップ」によれば、新庁舎の予定地の特に西側は、洪水発生の際には1mから5mの深さで浸水すると予想されています。当然周囲の道路も浸水して、新庁舎が水没して「陸の孤島」となる可能性が大です。一方、現庁舎の周辺の大半は浸水深さ1m未満です。どちらが水害の危険性が少ないかは、下に示したこの防災マップ中の「浸水予想図」を見れば一目瞭然でしょう。

イメージ 5

 市議会で市庁舎移転の位置条例が可決されたのは2014年12月でした。新庁舎予定地が水害に会う可能性が高いことは、その時点で既に「想定の範囲内」だったはずです。知らなかったと言うのでは、市政に関わる人間としては完全に失格です。

 水害の危険性が高い地域に、「防災拠点」と称してあえて市庁舎移転を決定した前市長と現市長、その案に賛成した市議会議員の責任は極めて重大です。

/P太拝

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