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 ちょくちょくとTwitterで記載した事に対して、DMで質問が来たりします。
 1件,2件くらいの質問であれば、ちょろっとお答えすりゃいいだけかと思うのですが、それなりに数が来る書き込みというのはDMを頂いた数以上に疑問や意見をお持ちな方がいるだろうって思いますので、こちらで説明するのもアリかなって思いました。

 結構な数が来るDMとして「打ち上げ角」と「アローライン」の話。
 これはデジタルコミュニティ小電力無線(札幌近郊のユーザー群ではVCBにするべって事になっております)のアンテナに、アローラインを使う=打ち上げ角低いしね〜という話からなんですけども、「打ち上げ角が低いアンテナが良いアンテナなのか?」とか「そもそも打ち上げ角ってよく聞くけどよくわからないし、今更あまり聞けない」という話がちらほらと。

 まぁ無線に限った話じゃないですけど、専門用語的なものを何も考えずに使う事が多い業界ですが、何それ?的な言葉は当然ありますよね〜
 んでもって、皆に話は通じているから聞くに聞けないとか、ネットで調べたけどよくわからんって事もありますわな。

 さて、とりあえず超絶専門的な説明はしませんが、「何と無くイメージができる」レベルでお話をさせて頂きます。イメージが出来ればちゃんと説明されているHPを見る事で意味が理解出来ると思いますので。

 「無指向性アンテナ」と「指向性アンテナ」の違いがわかれば一発でわかる事なんですけど、これは「水平方面」に対して「指向性が有るか無いか」って事。
 でも電波は当然上下にも飛びますから、上下にどんだけの幅(角度)で電波が出るか、これが「打ち上げ角」です。
 「水平方面に対してどんだけの角度で電波が上がっていくか」という事になりますから「上げ」なだけで、下方面にも同一じゃないにしろ角度が高いものは下にも飛んでいきます。

 無指向性アンテナより、指向性アンテナの方が飛ぶ感じしますよね?アンテナの向きさえ合っていて同じ利得であれば確実に指向性アンテナの方が遠方と交信は可能になります。
 無指向性アンテナは全方向に満遍なく電波が発射(正確には違いますが)されますが、指向性アンテナは一方向だけに電波が発射されます。便宜的に電波が発射される方向を「前」としますが、横と後ろから出る分の電波も前に集中させられるので、強い電波を発射出来ると考えていただければ。

 水の蛇口の出方を変えられるやつで、シャワーとジェットの切り替えをした時の水の出方の差を想像してくれればわかりやすいでしょうね。

 ここまでイメージ出来れば、「打ち上げ角が低い」方がより強い電波を出しやすい感じはご理解頂けれるかと思います。

 だから「打ち上げ角が低いアンテナは良い」とされる事が多いんです。
 その背景には、アマチュア無線・フリーライセンス無線、まぁ業務無線もそうでしょうが「少しでも遠距離まで飛ぶアンテナは良い」と思うのは当然の話です。

 ただ、高所に打ち上げ角が低いアンテナを設置した場合、直下や周辺の低所との交信は難しくなります。上下に電波が飛びにくい(受けにくい)んで。
 これはアパマンでも実感出来る事で、近隣のモービル局の波が極端に弱くなる傾向にあります。特にUHFで実感出来るでしょうね。

 またモービル局もロケが一定ではないので、常に全方向に電波を出せる方がよろしいでしょうから、打ち上げ角は高いほうがよろしいんです。

 マンションの屋上やら、30mHクラスのタワー上に設置されるVUのGPは2段GPクラス迄の物が多いと思いますが、これも打ち上げ角を考慮されております。まぁ防風対策でもあるかと思いますが、GP等を多段化する事で利得は当然上がりますが打ち上げ角は低くなります。
 レピーターに設置されるアンテナだと単純に高利得にしたい所ですが、多段アンテナで無いのは「比較的高所」に設置される為に、直下周辺で使えないのは困りますので打ち上げ角が高いアンテナを使う事が多いわけでございます。

 まぁ高所の場合利得で稼がなくても、高さが何よりの利得になりますので、それであれば無理に打ち上げ角が低いものを使う必要がないという考えも当然あります。

 なんて説明をすると
 「でもあんた、マンションの上にアローライン(打ち上げ角低い)とか、モービルでアローラインとか言ってるじゃん?おかしいだろ?」
 という話も出てきます(笑)

 UHFでは顕著にこの差は実感出来るのですが、VHFだと反射やら回折等でそこまで厳しく打ち上げ角に影響されない点(されない事はない)があります。
 特に住宅密集地であれば、他のマンション等にぶつけて飛ばしてやれくらいの気持ちの方がよろしい結果が出るかと思います。

 逆に周辺に高層建造物が無い所で、タワー上にそんなもんをつけちゃったりすると、ローカルとの交信は厳しくなるかも知れませんけども。
 札幌の場合ですと、藻岩山やら旭山記念公園等で運用する際にアローラインを使ったりすると市内中心部付近との交信は難しくなる可能性はあると思いますが、郊外や市外向けにはFBに飛んでいくでしょうね。

 モービルにしても、市内中心部を多く走行する私にとってみればビルやマンションに電波をぶつけてなんぼ的な運用になりますから、アローラインの方が適していると思っております。

 と、あくまで一般説ではこんなもんです。
 しかしながら、デジタルコミュニティ小電力無線ではどうなるか、実際の所わかりません。
 ほぼ145MHz帯と同じになる筈ですが、実際145MHzでも「実験」はした事がないので近々にローカル各局にご協力頂き実験を実施したく思います。

 145MHz帯の2.14dbi 1/2λのモービルホイップ(打ち上げ角高い)と、Sがどんだけ違うか、また距離及び海抜高低差等も含めたく思っております。

 実験方法は、当日協力していただける局にもよるでしょうが、送信側は上記の通りアンテナを2種類用意し、他より高い場所で障害物が無い箇所より送受信をし、その結果(Sメーターというか、アンテナマークのアレ)を比較対象する。
 相手局には極力利得の低いアンテナ(送受信可能であれば付属ホイップ等)で送受信試験を行ってもらう。
 また、可能であれば平地で同様の試験を行う。

 なんて事を想定しております。
 予想としては、札幌市内の場合なら全面的にアローラインの勝利のような気がするんですけどね〜、私が机上で学んできた事と数少ない145MHzでの運用実績からすると。
 ただ0.5wでの運用なんぞほとんどした事がないので、実験してみる価値はあると思っております。

 その上で考察をまとめていきたいので、それまではしばしお待ち頂きたく思います。

 最低限「さっぽろ雪まつり」が開催される前迄には行いたいと思いますので、各札幌周辺局にもご協力をお願い致します。

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