人感センサーの付いた照明器具が巷では普及している。それは防犯の役割を果たしたり、また人が近づくと反応して自動的に明かりが点くので高齢化社会にも応用が利き便利視されている物である。
そのような人感センサーの付いた照明器具がKM邸(仮の名で示す)に取り付けてある。このお宅では空き巣に度々入られていた。裏手の目の行き届かないところから侵入されたのだ。幸いに家族が居ない時間を狙って入られたので生命の危険性は無く、不幸中の幸いでしたが、もしも夜寝静まっているところへ入られたら怖いなと言う訳で夜間の防犯で取り付けたのだ。
ところがである。この人感センサーライトが深夜、時々反応して点灯するのである。KMさんは誰か入ってきたのだろうかと心配になりソーッとその様子を見に行くのですが人の姿は見えません。猫等の小動物でも反応する場合があるらしいので、それだろうと思っていたのでした。時々人感センサーが反応してライトが点灯することがあるのでした。
しかし、びっくり仰天の話を聞かされた。
それはお隣のご主人からでした。KM邸の裏は北側、お隣のお宅の南側のリビングや寝室に位置するのです。ですからお隣はKMさん宅の人感センサーライトが付くたびに分かるのでした。ある晩のこと、恐ろしいものが見えたのでした。
お隣のご主人が言いますには人感センサーライトが点灯する時に人の気配を感じていたのでした。人感センサーライトが点灯した時、雨戸の隙間から光が部屋へ差し込んで来たのでお隣さんもだれか来ていると思ってその雨戸の隙間から外を覗いたのである。
その時は夜もかなり更けたころでした。ご主人はその時に見えてはならないものを見てしまったのでした。それは幽霊でした。人間の姿形をした幽体が蠢いていたのでした。それに人感センサーが反応したのだ。そういう幽霊を何度も見たお隣さんは黙ってはいられませんでした。それで打明けたのでした。
KMさんはお隣さんからその話を聞かされて驚いてしまいました。KMさんはどちらかと言うとそのようなことは信じていませんでした。それにKMさんは人感センサーライトが点灯した時、そのような幽霊は見なかったからである。
そういうKMさんにお隣のご主人は真顔でそう語るものですから、困ってしまいましたし、これは只ごとではないなとも思ったのでした。彼は嘘をつくような人ではなかった。
お隣さん自身、もしそのようなことを世間に主張したら、友達ならともかくそういう関係が無い他人では、自分がどのように思われるかわからないというリスクがあるはずだ。ですから、そのリスクを背負ってまでして、そして勇気を振るって打ち明けたのでした。
“人感”センサーライトが“霊感”センサーライトを兼ねていたとは、これは面白いですねぇ。
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