この夏は いかがお過しですか
町のグリーンセンターで購入した珈琲の木が 机のわきの窓辺でのびやかに育つて ときに白い小花と 刺すやうな衛生的な香と 赤い実をたのしませてくれるのですが 奔放な幹の先端がたうとう天井に届き 右へ伸びるか左へ張るかと注視するうち けざやかな緑の光彩を見せてゐた葉むらのなかで 老いた手足に滲み出るシミのやうに をちこち茶に変色しはじめるものがあり 間もなく床に落ちて けふは二つあすは三つと 潜在腰痛の身をかがめて落葉をひろふのも時の流れ はてさて この木をここに置いたのは何年前だらうと振り返るものの 記憶に定かなものとてなく
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