時の守護者

チョタとわかしとか皇帝と達人が愛しい、今日この頃

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 ここは、格式と伝統ある全寮制女子校『希咲学園』(きさきがくえん)。その生徒会室。
「わりぃ。明日、俺、用あんだ」
 何故、女子校に男がいるのか。
 男では、ない。『彼女』は、れっきとした女だ。
 白千院速斗。この学園の生徒会長を務めている。
 エメラルドグリーンのロングヘアーに、サファイアブルーのキレのある大きな瞳。可憐な容姿とは裏腹に、クールで男勝りな性格。そして、学園の用心棒。
 付いたあだ名が、『希咲学園の王子様』。
 バレンタインに本命チョコをもらったこともある。
「用とは…?」
 訊かれて、淡々と、でも優しく答えた。
「魅咲学院の生徒会長にちょっとな」
 魅咲学院(みさきがくいん)。
 街の北に位置する希咲学園の真反対。街の南に立地する名門男子高校で、イケメン揃いと評判。
『えー!!』
 全寮制女子校に通う女の子には、魅力的。
 速斗は違うけど。
「行きたいのか?」
『はい!!』
 生徒会役員たちの見事なハモリっぷりに、速斗は怯み気味。
「まあ。お前らなら、ついて来てもいいか」

ー翌日ー
「わー」
「うわ〜」
「おい。遊ぶのは、話が終わってからだぞ」
 みんなを振り返って、歩いていた速斗は、誰かにぶつかった。
「うわっ。悪ぃ」
「ボクこそ、ごめん」
 柔らかい訛が耳に心地いい。
 見上げると、銀色の髪をした美しい青年が立っていた。
 制服を見るに、ココの生徒だ。
「あ、小学生?迷子になったん?」
 と、そう言いながら青年がかがむと、速斗の必殺アッパーが入った。
 確かに、速斗は小柄で幼顔だが、小学生は言いすぎである。
「ダレが、しょぅがく、せ、ぃだ…」
 怒りの余り、抑揚もおかしい。
「え?もしかして、希咲女子の…」
「生徒会長、白千院速斗だ」
 速斗は、ズドンと一発、地面を鳴らした。
「お前か…」
 後ろを振り返ると、濃紺の髪に大きな翡翠色の瞳の美少年が立っていた。
「ウルキオラ…」
 魅咲は、インターナショナルスクールだったりする。
 速斗がノックアウトした青年の目線の先の美少年の腕には、『生徒会長』の腕章が。
「うちの先輩に何してくれるんだ」
「こいつが、俺様のこと小学生呼ばわりしやがったからな」
 速斗は、床に横たわった青年を思い切り睨む。
「ごめん…」
 速斗は、それを無視した。

「じゃ、来週よろしくな」
「ああ」
 魅咲の生徒会室をあとにする速斗。
 その目線にさっきの銀髪の青年がとまった。
「てめえ…」
「ほんまにごめんな。お詫びに食べ物とうちの部のええ男用意したから」
「どうやって…?」
 眉を顰める速斗の後ろから、
「その人は俺の所属する陸上部の部長だ」
「うわっ」
 静かにウルキオラが出てきた。
「市丸ギンや。よろしゅう」
「ふ〜ん。この学校、帝王サマか…。仲良くしといて、損はなさそうだな」
 不敵な笑みを浮かべながら、速斗はギンの握手に応える。
「そんな仲良くの仕方嫌やけど、キミ可愛えから、オッケ」
 そう言われた途端、速斗は赤くなってしまった。
「どないしたん?」
「いや。普段『王子様』なんて言われってから、可愛いなんて言われると…」
「王子様?女の子やのに?」
「女子校で用心棒みてえなことしってとな。あと、この性格だしな」
「ははっ。ええなあ。ボクなんて、たま〜に、女の子のカッコとかさせられるからなあ」
 苦笑するギンは、可愛くて、速斗はときめいてしまった。
「なあ。俺の後輩とか、呼んで来ていいか?」
「うん。大歓迎や」


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笹藤沙羅
笹藤沙羅
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