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放課後。
帝は、凄い勢いで鞄を掴み、扉に向かって走って行った。
「みかちゃん、どこ行くの?」
「部活!」
思いっきり女の子らしい笑いを浮かべて、帝は出て行った。
「あいつ、部活何やってんだ?」
帝の走る音が、聞こえなくなってから、モモが呟いた。
「演劇部。今度、舞台発表があるらしいから、その練習か何かじゃない?」
ウラが、どうでもよさそうに答えた。
「大変やなぁ」
「だね」
キンとリュウが、心底そう思って言った。
野上家と帝の部屋。
外が、暗くなっているのに帝は帰って来ない。
「みかちゃん、遅いね…」
「部活の時間は、過ぎてるしね」
良太郎とリュウが、窓から見える空を見ながら言った。
「迷子にでも、なったんやろか?」
「そりゃねぇだろ」
「電話してみる?」
ウラが、訊くとリュウが頷いた。
水色の携帯を開いて、電話を掛ける。すると…
「帝国のマーチ?」
凄いセンスの着信音が部屋に響く。つまり、帝の携帯はこの部屋の中にある。
「あいつ、携帯置き忘れてるじゃねーか」
「押し入れには、忘れないと、思うよ」
押し入れのふすまに寄りかかっているリュウが言った。
「押し入れ?」
携帯を止めながら、ウラがリュウに訊き返した。
「うん。ここから、音がしたよ」
ふすまを指差して言いながら、リュウは前から移動する。
リュウが移動し終わると、ウラが容赦なく、ふすまを開いた。
「うわっ」
中から、帝の声がした。その帝を見てウラは、固まっている。
「ウラタロス?どうしたの?」
ウラの異変に気づいた良太郎が、その後ろから覗き込んだ。
「何?何ー?」
リュウも、便乗した。で、中にいる帝に飛びついた。
「みかちゃん、可愛いー」
「ちょっ、リュウ…!」
リュウに、帝を引っ張り出された帝は、女の子がしていてもとんでもない格好だった。
「帝…なんで、メイド服、着て…」
ウラ、錯乱状態。
因みに、猫の耳と尻尾がついている。
「…」
モモ、硬直。
「ほんまの女の子みたいやなぁ」
笑いながら、キンが言った。
「う…うるさいなぁ」
帝は、真っ赤になってスカートの前と後ろを引っ張った。
それを見たモモとウラは、キュンとしてしまった。
「発表で、その服着るの?」
「着ない!」
真っ赤になって、全力否定する帝に抱きついたリュウは、あるものを見つけた。
「亀ちゃんとモモタロス何してんの?」
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