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壁に寄りかかって、なんか呟いているモモとウラ。
「いや、なんでも…」
「なんでもねぇよ…」
「鼻血出てるよ」
良太郎に、指摘されて鼻血に気づいた2人は、慌てて血を拭き取った。
「壁にぶつけたんじゃない?」
帝が、冷静に言った。
「痛そうやなぁ…」
大出血ぶりを見て、壁に強打した思ったキンは、哀れむように言った。
「…リュウ放して」
「やだ」
リュウは、満面の笑みだ。その時、反論しても返ってくるのは、
「答えは、聞いてない」
だと言うことを、帝は最近覚えた。
夕食の時間。
今回は、モモの隣。
「じゃあ、はめられたってこと?」
「うん」
「みかちゃんはめられたの?そいつら、殺して来ようか?」
「いやいや!駄目だよ!!」
リュウの極端な発想には、帝は未だに慣れない。
「そぉ…?」
「うん」
帝が、首を千切れんばかりに縦に振るとリュウは大人しく戻った。
「何が、あったか詳しく話してくれへんか?」
キンが、珍しく冷静に訊いた。
「えっと…舞台発表の時に、着る衣装を合わせるから着てみてって言われて、試着室みたいなところで、着替えようとして、服脱いだら…」
『ガタッ』
急に、モモとウラがむせてしまった。
「どうしたの?なんか喉に詰まった?」
「あぁ…」
モモの目線だと、自分を心配そうに見る帝にキラキラの加工が掛かっている。
「…」
「顔、赤いよ?大丈夫?」
もう、帝の顔が見られないモモは目線を合わせないように、頷いた。
「いいじゃん。モモタロスなんか、放っといて」
モモには冷たいリュウの隣のウラは、良太郎に介抱してもらって回復した。
「もう大丈夫だから、話の続き…」
「あ、うん…。で、気づいたら、衣装の代わりにあれが掛けてあって、制服もなくなってて…外見たら誰もいなくなってたから、とりあえずあれ着て、誰にも見つからないで部屋に戻った、までは良かったんだけど、みんなが戻って来ちゃったから…」
「まさか、あそこにずっとおったんか?」
キンが驚いた様子で、箸を止めずに帝に訊いた。
「うん」
「そんなことしねえで、素直に言えば良かったじゃねーか」
帝を見ないようにしながら、モモが平静を装いながら言った。
「だって、リュウとかキンとか良はわかってくれても、モモとかウラにバカにしたり、冷たくするって思ったんだもん」
隣にいるモモには、見えないムッとした帝の表情をウラが見ると、もわもわとしたピンク色の加工がついた状態になっていた。
「亀ちゃん?顔、赤いよ」
「あ…ああ」
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