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リュウは、にこっと笑うと急いでお盆を置いてきた。
「みかちゃん!」
猛ダッシュで帝に飛びついた。
「リュウ…?」
「みかちゃん、大好き〜」
ぎゅうっと抱きついて、猫みたいにすりすりする。
「リュウ…」
放課後。
「〜♪」
「……」
「……」
「ZZ」
「はは」
部屋に帰るとき。
モモとウラは、不機嫌。
キンは、微睡んでる。
良太郎は、苦笑している。
その前を帝とリュウが手をつないで歩いている。リュウはかなり上機嫌。
「リュウ…?」
「なぁに、みかちゃん?」
「手、痛い…」
リュウは、放すまいと思い切り帝の手を握っていた。
「ごめんね」
少しだけ力を緩めたが、一向に放す気配がない。
「まあ、いいか。リュウだから」
(何だよ、それ…)
(リュウタはいいって…)
モモとウラは、よけいに不機嫌になった。
「みかちゃん〜」
「うわっ」
「リュウタ…今日、ちょっと帝にくっつきすぎじゃない?」
「気持ち悪ぃんだよ」
「2人程じゃないよ〜」
いつも通り、喧嘩が始まった。
「…」
帝は、無視して舞台の台本読みを始めた。
「帝。何読んでるんや?」
珍しく寝ていないキンが、押入の襖に寄りかかっている帝の横に座った。
「今度の発表会でやる劇の台本。結構台詞が多い役だからさ」
「大変やな」
「好きなことだから、あんまりそう思ったことないな」
帝は、にぱっと笑った。
「…リュウタの言う通りやな」
「何が?」
「女の子みたいや言うてたやろ。あれ」
そう言ったキンの顔は少し赤かった。
「そう、かな?」
帝は、動揺した。
「ちょっと、なぁ」
「そぉ…」
納得行かないまま、帝は台本読みに戻った。
「…」
「かー」
「寝た」
会話が途切れた途端に、キンは寝てしまった。帝は無意識にその寝顔を覗いて
いた。
「…あ」
その内、キンがぱたりと帝の方に倒れた。
「しょうがないか。キンだもんね」
「……」×3
その様子を、喧嘩を中断してモモとウラとリュウは見ていた。
(だから、理屈がおかしいだろ)
(…今、キンちゃんの寝顔見てたよね?)
「僕もー」
心の中でぼやくモモとウラとは違い、リュウは即行動。楽しそうに帝のところ
に行く。
「僕も熊ちゃんみたいにしていいよね?答えは聞いてない」
嬉しそうに言いながら、リュウはキンと同じように、帝の肩に寄りかかった。
「リュウ…?」
「みかちゃん。お姉ちゃんみたいな匂いがする」
そう言って、リュウも寝てしまった。
「どうしよ…」
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