雲州尼子一族ブログ

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出雲争乱2

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 出雲国内が戦乱状態になったのは、応仁2年(1468)、松田備前守が富田への攻撃を開始したことがきっかけでした。以後、尼子清定はほとんど孤立無援といっていい厳しい状況の中で、松田氏ら海辺領主連合軍相手に戦い抜いたのです。
 今回は清定の戦闘経緯を追ってみる前に、尼子氏を支えた戦力基盤がどういうものであったのか、探ってみようと思います。

 尼子氏は京極氏の守護代ですので、当然ながら守護京極氏の権益と権限が尼子氏の戦力として機能した可能性があります。具体的に言えば、京極氏の所領とそれに属する土豪層の存在、守護方にとどまった国人領主層、および東軍が出雲に送り込む援軍の存在です。

 前回触れたとおり、守護方の領主は尼子氏のほかには赤穴氏、牛尾氏、三刀屋氏の三氏に限られたものと思われます。そして東軍の援軍として山名九郎らが送り込まれたようですが、これも前回述べたように、畿内の情勢を考えれば充分ではなかったでしょう。
 ちなみに『陰徳太平記』などの軍記物では、三刀屋氏は後に触れる三沢氏に次ぐ有力領主で、三沢氏同様反覆常なき国人として描かれています。しかし実際には、三刀屋氏は基本的に守護に従順で、三刀屋氏独自の行動というものはほとんど見られません。三刀屋氏がのちに尼子氏に反したのも、近隣領主と歩調をあわせた結果に過ぎなかったようです。

 さて問題は京極氏の所領ですが、守護所富田荘をはじめ、美保関(松江市美保関町)、法吉郷(松江市法吉町)、立原(雲南市加茂町)、多弥郷(雲南市掛合町)などが確認でき、そのほかにもいくつかの守護権益が存在していた可能性があります。
 ただし、当時在地の土豪層は時に応じてかなり主体的な動きができるほどの行動力を持っていたことが知られます。したがって、土豪層の動向如何では、守護領といえども尼子氏の軍事基盤としては機能しなかったと言えるでしょう。

 このように、京極氏の守護権益はきわめて不安定なものであり、これのみで西軍諸領主と戦い抜くことはできません。尼子清定の戦いを支えた戦力はこの守護権益のほかに、尼子氏独自の軍事的経済的基盤が存在したと考えなければなりません。

 尼子氏独自の基盤とは、守護所富田荘内をはじめ京極氏から宛行われた「阿陀加江」(八束郡東出雲町)、「下今津」(安来市今津町)などの給地を中心として構成されたものであることは間違いありません。

 このほかさらに、尼子氏が出雲に下向して以降独自に掌握した在地小領主や土豪層の存在があります。
史料には尼子氏被官として「清水弾正」「神保与三左衛門尉」「福頼与五郎」「立原十郎左衛門尉」「多久三郎左衛門尉」などの名前が見えますが、これらの本拠地と推定される地域を勘案すると、尼子氏が掌握した在地勢力の分布は能義郡北部・意宇郡東部・大原郡北部、さらに宍道湖北岸に及んでいたことが分かります。
 もちろんこれがそのまま尼子氏の領域的支配を意味するものではありませんが、この範囲内に尼子氏の直接的な基盤が存在していた可能性は充分に考えられるのです。

 尼子氏は、以前に述べたようにほかの国内有力領主を抑えるだけの圧倒的な力量を持っていたわけではありませんし、なによりその支配体制は守護京極氏の存在なしには成立せしませんでした。
 しかし、尼子氏が応仁の乱に入る以前の段階ですでに出雲の実勢力として、いち有力領主としての側面を築き上げていたことは確かなのです。

閉じる コメント(4)

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はじめまして、尼子ファンです。わかりやすい解説が楽しいです。これからもよろしくお願いします。

2007/9/12(水) 午前 10:50 [ M.M. ]

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う〜ん、この地図はわかりやすい。勉強になります。

2007/9/12(水) 午後 5:08 [ shigechanizumo ]

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>M.M.さん
はじめまして! こちらこそよろしくお願いします〜。
よりわかりやすく解説できるよう精進してまいります!

2007/9/13(木) 午後 0:20 sas*ki*hit*hisa

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>シゲさん
マイドです!
図をいれると分かりやすくなると考えて地図を一生懸命作成していましたが、簡単に思えてかなりの労力がいりますね^^; いま、次の記事のための図を製作していますが、メンドイw
でも、これからもがんばって図を入れていこうと思います。。。
シゲさんが自分の記事に毎回画像をつけていらっしゃいますが、感心してしまいます。しかも更新ペースはやいし! すごいです!

2007/9/13(木) 午後 0:23 sas*ki*hit*hisa


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