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ある日、ずぶ濡れになって帰ってきた少年。
母親がそれをみて
母『あんた傘持って行ったんやないん?』
子『持って行ったけど、帰り傘立てになかった…』
少年の傘は、とあるメーカーの珍しい傘だった。
母『間違えられて、誰か持って帰ったんかね?』
子『いや…傘立てには他に一本もなかったけぇ〜…盗られたんと思う…』
ガチャ!
その時、玄関が開き少年の父親が帰ってきた。
父『どうしたん、ずぶ濡れで』
母『この子の傘がないんやって』
父『なんで?なくしたんか?』
母が経緯を説明すると…
父『おい!いますぐ学校に電話せぇ!』と父親は母親に言った。
トゥルルル…
教『はい、○×小学校です』
母『あ、○年○組の△▽ですけども…』
と、電話に出た教員に母親が経緯を説明する。
教『事情はわかりました。なくされてないか、もう一度確認して下さい。なければ朝の会で各クラスに聞いてみますがよろしいですか?』
母『はい、お願いします』
そして、父親に事情を説明して、電話を切ろうとした時…
父『電話かせ!』
と、受話器を取り上げる。
父『先生ね、ウチの子はなくしたモンを盗られたなんて、言うようにはしつけちょらん!。ばれた時どんな仕置をされるかこの子が一番しっちょる。散々探したやろうし、家も学校の傘立てにも傘はないんよ?わかる?』
教『はぁ…でも誰か間違えて持って帰っ…』
話に割り込む父
父『あんた、今俺と嫁の話きいちょった?傘立てには一本も傘がないんよ?わかる?間違えちょんなら、一本残ってないかね?』
教『はぁ、そうですね』
父『らちがあかんけぇ、今から一年〜六年までの連絡網、全部まわして』
教『はぁ…』
気のない返事をする教員。
父『ええかね?先生。泥棒がおったとは思いたくないんやろ?でもね先生、実際にこの子の傘はないんよ?』
教『はい』
父『おっ!ええ傘があるわぁーや!雨も降っとるし持って帰ろう!って子も中にはおるやろ?あとの事考えんのも、一人はおるやろ?』
教『いや、ウチの生徒にはそんな子は…』
父『うそ言いんな!俺だって小学生やった事あるけぇ〜そんくらいわかる!あれやろ?角がたつのが嫌なんやろ?』
教『……』
父『じゃあ、各家庭には間違えて傘持って帰ってませんか?生徒の父親が探してますって言ったらどんなかね?角もたたんやろ?』
教『はい…わかりました。今から回します』
父『何時になってもいいから、回し終わったら連絡下さい』
ガチャ…
電話を切る。
30分後
トゥルルル…
父『はい△▽です』
電話は学校からだった。
教『△▽さん!ありました!傘立てに一本!』
先程の覇気のなさとは変わって、それみろ!忘れてるだけじゃないか!と言わんばかりの意気揚々な声だ。
父『そうですか。傘濡れてます?』
教『え?確認します』
20秒後
教『はい…濡れてます…』
父『わかりました。』
一転した声で教員は
教『明日の朝礼でみんなに伝えます』
父『そこまでせんでええ。返って来たって事は、その子も親も悪いと思ったけぇやろ。
それに僕はウチの子が嘘を言ってなかっただけでいいです。』
とある家庭の実話に基づいた話でした。
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