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「バラ科サクラ属の落葉高木または低木の一部の総称」(広辞苑)のことを、日本語では、
「さくら」
「サクラ」
「桜」
といいます。というか、書きます。3種類の書き方があります。
文章の中に例えばその「sakura」という日本語を使うとき、われわれは瞬時にひらがなにするのかカタカナにするのか、はたまた漢字にするのかをほとんど無意識に、あるいは逆に思い切り意識的に判断します。
さくらが咲きました。
サクラが咲きました。
桜が咲きました。
abcだけを使っている人たちから見たら、もしかすると「なんという効率の悪さなんだよ」としか思われないかもしれないんですけど(でまた、彼らっていうのはたぶん、そういうふうに思う人たちなんですよね)、じつは、文字の種類の使い分けによって視覚的に訴え、表現の幅を広げてみたり、強めてみたり。
「さくら」「サクラ」「桜」の違いだけで、読むほうだって受け取る印象が微妙に変わってしまいます。
無意識であろうがなかろうが、みなさんは日々、そんなすごいことをやっています。
テレビを見ていると、植物や魚の名前はすべてカタカナで表記されています。
もちろん、これはこれで何の問題もないんですけれども、そして基本的に常用漢字以外は使用しないという原則があったとしても、例えば「ミズバショウ」よりは「水芭蕉」とあったほうが視覚的に美しいし情緒も感じるし、「コバンザメ」よりは「小判鮫」とあったほうが「コバン」の意味が分かるのに、と思ったりなんかしたり。
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