こんな精神科医ですいません

半年分の遅れていたご返事をいたしましたです。こんなに遅れてすいません

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どっかのタイミングで紹介したかった曲。
それがこのアンジェラ・アキの「手紙〜拝啓、十五の君へ〜」だ。
でもどうにもタイミングが合わなくて、今まで記事にしたことがなかった。

いろんな場所でのいろんな方とのいろんな事があって、まさに今こそが、
この曲を記事にすべきタイミングだと思いたって紹介しまつ。
(それに最近、アルバムも出されたみたいだしね。初回限定版がまだ購入可能な時期だしね・・・)


基本的に僕はメジャーがキライだ。どうにもウソくささを感じてしまうのだ。
しょっちゅうテレビに出ているミュージシャンはあんまし好きになれないことが多い。
ましてや誰もが知っている、さらには合唱コンクールで採用されるような曲なんて論外だ。
偽善のかほりがぷんぷんとただよってきて、僕は思わず吐き気すら催しそうになる。

やだやだ。おーやだ。虫酸が走る。

表舞台のしゃなりしゃなりと着飾ってスポットライトの中心に立っている
最初っからデフォルトで決まってる主役なんて僕はダイッキライなんだよぉ!

アウトローで脇役な、芸能界とは無縁な連中のほうが僕はずっと共感と好感と持てるんだ。
これはもう初期設定で、生理的なもので、どうしようもない・・・と思っていた。


でもこの曲は例外中の例外で、最初にこの曲を聞いたとき、僕は鳥肌が立ち、不覚にも涙してしまった。

なんでだろ?

ところでこの曲の題名ってちょっと不自然だ。

なぜって歌詞を内容を読んでみると・・・
「15の僕には誰にも話せない悩みの種があるのです。
未来の自分に宛てて書く手紙なら、きっと素直に打ち明けられるだろう」
・・・これは明らかに『15歳の自分』が『今の自分』に向けて書いた手紙だ。

なのに題名は「手紙〜拝啓、十五の君へ」・・・
これは明らかに『今の自分』から『15歳の自分』に向けて書かれた手紙ってゆう意味だ。

この謎は2番の歌詞へと進むとだんだん分かってくる。それはこんなふうに始める・・・
「背景、ありがとう。15のあなたに伝えたいことがあるのです。」
・・・そう。つまり・・・

1番の歌詞では『15歳の自分』から『今の自分』への手紙が読まれ、
2番の歌詞では『今の自分』から『15歳の自分』に向けた返事になってるんだ。

だから曲調が激しくなって訴えかけられる次のメッセージも当然・・・
人生の全てに意味があるから・・・恐れずにあなたの夢を育てて・・・
Keep on believing...Keep on believing...Keep on believing...
・・・『今の自分』から『15歳の自分』に向けられたメッセージと考えてよいだろう。

そして曲調が静かになると・・・
今度は『15歳の自分』から『今の自分』へと悲痛な叫びが訴えかけられ、
すぐに『今の自分』から『15歳の自分』へと祈るような励ましがなされ、
そうやって二つの自分の間でのやりとりがなされて最後に・・・

「拝啓、この手紙、読んでいるあなたが幸せなことを願います・・・」

・・・と締めくくられている。

あれれ、最後のメッセージは誰から誰へのメッセージなの?


ここで最初の疑問に戻ってみる。曲の題名が不自然じゃない?・・・って疑問だ。
題名は「手紙〜十五の君へ〜」であって「手紙〜十五の僕から〜」ではない。
「手紙〜今の自分から〜」でもないし、ましてや「手紙〜今の自分へ〜」でもない。
つまり、この曲はあくまで『今の自分』から『15歳の自分』へ宛てた手紙ってコトだ。

でも歌詞の中には確かに『15歳の自分』から『今の自分』への手紙の内容も書いてあるよ。
ど〜ゆ〜こと??

ひょっとして実は、『15歳の自分』というのは本当は、文字通りの『15歳の自分』ではなくて、
今の自分の『心の中に』ひっそりと今もひそんでいる『15歳の頃の自分』ってコトなんでないかな?

すると歌詞全体の意味が変わってくる・・・というか分かりやすくなってくる。つまり・・・

この歌は『今の自分』と、今の自分の心の中に今も住んでいる『15歳の頃の自分』
とのやりとりの歌であって、そうなるとこの曲は本質的には、
15歳向けの歌じゃなくって、15歳を遠くなつかしむ世代向けの歌なのかもしれない。

1番の歌詞は、今の自分の心の中に潜んでいた『15歳の頃の自分』から、『今の自分』への手紙。
2番の歌詞は、『今の自分』から、今、現在もこうしておびえている『15歳の頃の自分』への手紙。
激しい曲調でのあのメッセージも『今の自分』から、今のおびえている『15歳の頃の自分』へ・・・
そして互いに助けを求め、必死に励まして・・・

最後に「拝啓、この手紙、読んでいるあなたが幸せなことを願います」と・・・
『今の自分』から、今のおびえていた『15歳の頃の自分』へと・・・そして同時に・・・
今のおびえていた『15歳の頃の自分』から、『今の自分』へと・・・手紙を交わす。

一人は今の表向きの自分のことで、
もう一人は15歳の頃のまま、取り残され、おびえている自分だ。
それも間違いなく今の自分の一部分ではある。

つまり、この曲の作者の心の中には、未だ、癒されることなく、
おびえたまま物陰に隠れている、『15歳の頃の自分』がいるんだ。

表向きがどんなにしっかりしているように見えようとも、
「負けないで!泣かないで!」と誰か他人を気丈に励ますことがあろうとも、
あるいは別のときには誰か他人に対して、人生を知り尽くしているかのように・・・
人生の全てに意味があるから・・・恐れずにあなたの夢を育てて・・・
Keep on believing...Keep on believing...Keep on believing...
・・・なんてセリフを吐くことがあったとしても実は作者の心の中ではまだ、
弱く、おびえた15歳の自分が、物陰で震えているんだ・・・

そしてこの曲では、今まで自分が無視してきた『15歳の頃の自分』にやっと耳を傾けて、
その存在を認めて、癒そうとしている。自分でも確信の持てない言葉。
でも作者はその言葉を『15歳の頃の自分』に向かって、
つまり、今の自分自身の癒されていないところに向かって、祈るように伝える。
人生の全てに意味があるから・・・恐れずにあなたの夢を育てて・・・
Keep on believing...Keep on believing...Keep on believing...
この曲はそんな今の自分から、今の自分の中に潜む癒されていない自分に宛てた癒しの曲なのだと思う。

だからこそ「十五の君へ」ではなくてはならなかったのだろう。
「今の自分から十五の君へ」じゃない。「十五の君から今の自分へ」でもない。
なぜって「君」は過去の「君」じゃなくて「癒されず過去のまま取り残された自分」という、
あくまで現在の「自分」の一部分なのだから。


なんで僕はこの曲にこんなに感動するのだろう?

そっか・・・きっと僕は、この曲を聴くと思いだすからだ・・・
いろんな患者さんの持っている傷ついた『過去の自分』たち・・・
癒されることなく、物陰に隠れて今もおびえて震えていた『過去の自分たち』・・・
そしてそんな自分たちを認めて、再び愛するようになったたくさんの患者さんたち・・・

再び自分で自分のことを認めて、愛していくようになっていく数々の物語を思い出すからだ・・・



アンジェラ・アキ 手紙
人生の全てに意味があるから・・・恐れずにあなたの夢を育てて・・・
Keep on believing...Keep on believing...Keep on believing...
今、いろんな場所で出会ったいろんな方々にこの曲を贈ります。最後に・・・

拝啓、この記事を読んでいるあなたが幸せなことを願います・・・

閉じる コメント(25)

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お久しぶりです。ワトソン先生ちょっぴり復活ですね。人気がありすぎて大変ですけど、皆が楽しみにしているので{休み休みつつ}10年後も続行していてくださいまし(^−^)いつか同窓会できるといいですね。おじいちゃんおばあちゃんの集まり。この記事は涙腺がゆるみました(涙

2009/4/25(土) 午後 2:32 [ rie*ie*k20*5 ]

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mayuさんもでありますか。うれしいです。ね〜、いい曲ですよね〜。で、そうそう。この曲はちょっと謎めいたトコロがありまして、そこを解明するとますます感動的な曲になるとです。

2009/4/25(土) 午後 3:47 Dr.Watson

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「n」のナイショさん。いえいえ、僕だって何度となくナイショさんに勇気づけられてきたのだから、お互い様であります。で・・・うん。アンガトです。

うん。そうやって未来の自分からのエールに支えられていきませう。その未来の自分だって、決して完全ではないし、きっと自分の言葉に確信を持てているわけではないのだろうけれど、でも、たった一人の自分自身のことだから、祈るように、あたたかく、エールを送ってくれるに違いないと思います。

2009/4/25(土) 午後 3:51 Dr.Watson

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「な」のナイショさん。うん。自分のことを愛しく思えるようになるのって難しいことだけど、とても大切なことですよね。それでもまだ、残されている過去の自分。その自分を認め、包み込んでいく・・・うん。僕がこの曲で感じたのはそういうことなのです。うほ。お気に召していただき光栄であります。

2009/4/25(土) 午後 4:01 Dr.Watson

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sam*dar**midori*5さん。いえいえ、どういたしまして〜。

実を言うと僕もつい最近、CDを買ったであります。で、初回限定版はDVD付きでして、まだ見れていないんだけど、楽しみであります。久しぶりの非番ですので、この機会に見てみる予定であります。

2009/4/25(土) 午後 4:04 Dr.Watson

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あうう・・・「n」のナイショさんが二人いらっしゃったですね・・・うう・・・こちらのほうは午後 1:50の「n」のナイショさんへ。

うおお・・・そ・・・そうだったのですね・・・僕、GBへの返事は全部、書き終わったのですが、コメントへの返事を書きのこしておるとですよ。これからやろうと思っているのですが・・・すんません。

で・・・そうそう!!僕もそこの歌詞が好きです!!感情的には一番好きですね〜・・・うん、あの対話している感じがジ〜ンとくるであります。気が合う〜♪

2009/4/25(土) 午後 4:08 Dr.Watson

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aga*an7*5さん。うん。そうそう。そうなんです。僕はそうやっていろいろと考え込むのが好きなタチでして、そんな発見をしたのでした。お気に召していただき光栄であります♪

2009/4/25(土) 午後 4:12 Dr.Watson

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「さ」のナイショさん・・・あうう・・・結果的に具合が悪くなっちゃったらごめんなさいです。すんません。結果的にマイナスだったら聞き流すに限るです。占いみたいなモンです。いいものだけちゃっかり採用するようにしてくださいまし。

考えすぎも体に毒であります。さしあたりは今の自分の状態のことを「ともかく、やむにやまれぬ事情で、自分なりに精いっぱい、生きてきた結果、やむをえず、こうなっているのだろうから、それはそれとして『よくやっているね』って労をねぎらって、認めてあげよう」って考える程度でいいかなあって思います。

2009/4/25(土) 午後 4:17 Dr.Watson

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そんなナイショさんに一つ、言葉を送るです。お気に召したら、食べちゃってくださいまし。

http://blogs.yahoo.co.jp/satokhj/39518632.html

2009/4/25(土) 午後 4:21 Dr.Watson

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「y」のナイショさん。う〜ん・・・読んでいて僕のほうこそ、なんか、ジ〜ンと来てしまいました・・・うん・・・本当にそうですね。そんなふうに伝えてあげたいですね。僕も同じように伝えてあげたくなりました。優しい気持ちを教えてくれてありがとうございます。心がとても暖かくなりました。

2009/4/25(土) 午後 4:25 Dr.Watson

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うほ。りえりえさん。おひさしぶりであります。うん。いい曲ですよね〜、ほんっとにいい曲♪

で・・・同窓会!うひゃひゃ、ホントですね。やれたらおもしろそうであります。そんときはヨロシクです♪

2009/4/25(土) 午後 4:27 Dr.Watson

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ブログ復活、うれしいです。ワトソン先生の今回の記事には涙が止まりませんでした。今直面している壁が、まさしく私の中にある「15の頃の私」がその存在を認めてくれ!と暴れているようなところで。ワトソン先生の深い洞察に、そんな自分を許し、いつくしむことしかないよなあと再確認しました。これからも、ぼちぼち続けていただければと思います。楽しみにしています!

2009/4/25(土) 午後 11:02 [ spm*sa*u ]

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spm*sa*uさん。僕の記事を、そんなふうに再確認するきっかけにしてくれて、こちらこそありがとうございます。すごくすごくうれしい気持ちにもなれました。アンガトです。うん。これからもぼちぼちで続けていきますです。これからもヨロシクです♪

2009/4/26(日) 午前 1:16 Dr.Watson

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もう何度となく紹介した言葉ですが・・・贈りたくなりました。

http://blogs.yahoo.co.jp/satokhj/39633754.html

2009/4/26(日) 午前 1:22 Dr.Watson

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連投失礼します。ご紹介頂いたロジャースの言葉、かみしめました。
打ち捨ててきた自分がその存在を認めてほしいと暴れているのは、もしかしたら、無縁仏が成仏しきれずにこの世を彷徨い、化けて出てくるのと似ているように思いました。
自分をそのまま受け入れ、心の声に耳を傾けることは、もしかしたら、ある種の供養であり、喪の仕事といえるのかもしれません。
まだまだ気持ちは揺れてしまいそうですが、基本的には、その時々の私がいなければ、今の自分は存在しない、どうもありがとうといつくしんでいきたいです。
こんなふうに思えたのもワトソン先生のおかげです。ありがとうございました。

2009/4/27(月) 午後 10:14 [ spm*sa*u ]

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spm*sa*uさん。無縁仏、供養、喪の仕事。確かにそんなふうに表現することもできますね。見事な洞察です。

そして・・・うん。だからこそ、無縁仏がかなえたかったのにかなわなかったことを、かなわなかったんだと認め、お葬式をして、無縁仏とともに悲しむことが大切なのかもしれません。そうやって供養してあげることが大切なのかもしれませんね。

僕のほうこそ、素晴らしい洞察を教えていただきありがとうございました。きっとこの洞察は僕の臨床の中で他の患者さんにも生かされていくことと思います・・・

2009/4/29(水) 午後 11:34 Dr.Watson

私は最近流行中の歌は『氷川きよし』以外興味がないので・・・
歌詞は意識して聞いてませんね。
しょうもなさ過ぎて・・・
似た内容、節が多い・・・(汗)

2010/2/1(月) 午後 4:43 [ Wheezy ]

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初めまして。今頃ですが、ひょんなことからこのブログにたどり着き、いろいろ感動させていただいています。今は更新されていないようで残念ですが、過去記事を楽しく読ませていただきます。

2013/2/27(水) 午前 9:08 [ k13*20*2 ]

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さて私もこの曲は大好きです。ワトソンさんの解釈も、さすが精神科医!と思いましたし、何が正しいなんてのは無いと思いますが・・・

私の解釈です。
この曲がはやった当時、NHKで見ました。アンジェラ・アキさんのお母さんが、実際に彼女が青春時代(15歳ぐらい)に未来の自分に宛てて書いた手紙を発見したんだそうです。で、すっかり書いたことを忘れていたアキさんは、それを元にこの曲を書きました。
そして依頼が中学生の合唱のための曲というものだったため、メッセージは当然中学生に向けたものだと思います。

2013/2/27(水) 午前 9:09 [ k13*20*2 ]

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従って最後の
「この手紙読んでいるあなたが幸せなことを願います」のあなたは、この曲を歌っている全国の中学生に向けられたものだと思いますが、いかがでしょう。

もちろん、聞いているほかの全ての大人も子供にも向けられているでしょうね。
音楽の凄いところは、年齢や性別、それぞれの人生を超えて、ストレートに心に響くことだと思います。

長文読んでいただき、有難うございました。

2013/2/27(水) 午前 9:10 [ k13*20*2 ]


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