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某への質問。それから回答。 1、中也は幸せだつたか 詩人として生きれたことは幸福 1、中也の不幸は? ない 1、中也はあなたに何を伝えたか 表現すること。 (11月メモより)
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中原中也
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小林秀雄は、詩人に、本当の文人になりきれぬ己の神経に疲労し、かつ、神経を、ただひたすら支える徒労から一時逃れるための「溜まり」にむかう途中「中原中也」へ言葉を投げかけた。中也といふ亡霊へ。 |
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1 コメント むしろ、面白くなさをかんじたところは韻を踏むことへの力んだポーズがわたくしを冷めたままにしたのでしょうよ。 2 サーカス 幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました 幾時代かがありまして 冬は疾風吹きました 幾時代かがありまして 今夜此処(ここ)での一(ひ)と殷盛(さか)り 今夜此処での一と殷盛り サーカス小屋は高い梁(はり) そこに一つのブランコだ 見えるともないブランコだ 頭倒(さか)さに手を垂れて 汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん それの近くの白い灯が 安値(やす)いリボンと息を吐き 観客様はみな鰯 咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)と ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん 屋外(やぐわい)は真ッ闇(くら) 闇(くら)の闇(くら)
夜は劫々(こふこふ)と更けまする 落下傘奴(らくかがさめ)のノスタルヂアと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん |
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1 コメント 「老男」の感覚器官は仄かに明りを燈します。 そこがちょうど世の悲しみの恥部でもある月に値するのだから、共鳴しているふうにぽっかり明るみを浮かばせるのです。悲しい時は周囲の風景とは無関係に泣き続けます。そういうのが間接的な太陽の光なんです。 2 中也の詩 月 今宵月はいよよ愁(かな)しく、 養父の疑惑に瞳を(みは)る。 秒刻(とき)は銀波を砂漠に流し 老男(らうなん)の耳朶(じだ)は螢光をともす。 あゝ忘られた運河の岸堤 胸に残つた戦車の地音 銹(さ)びつく鑵の煙草とりいで 月は懶(ものう)く喫つてゐる。 それのめぐりを七人の天女は 趾頭舞踊しつづけてゐるが、 汚辱に浸る月の心に なんの慰愛もあたへはしない。
遠(をち)にちらばる星と星よ! おまへの※手(そうしゆ)を月は待つてる |
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ちょうど春の日の夕暮れに、死の滑車をすべっていた蛇のようなバイパスの脇から、すーっと自転車を走らせていた頃を思い出す。 中也の詩は細胞破壊を想起させます。 ちょっと酔いの中でも、たちの悪い類に思えます。もっと読んでみたい。 みずから静動脈のうちへ入らんとするしこなしに、わたくしネガティブな感慨を受けます。閉鎖空間。 うむ。 春の日の夕暮 トタンがセンベイ食べて 春の日の夕暮は穏かです アンダースローされた灰が蒼ざめて 春の日の夕暮は静かです ああ吁! かかし案山子はないか――あるまい 馬いなな嘶くか――嘶きもしまい ただただ月の光のヌメランとするまゝに 従順なのは 春の日の夕暮か ポトホトと野の中にがらん伽藍は紅く 荷馬車の車輪 油を失ひ 私が歴史的現在に物を云へば 嘲る嘲る 空と山とが 瓦が一枚 はぐれました これから春の日の夕暮は 無言ながら 前進します みづか自らの 静脈管の中へです |
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