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芥川龍之介
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(*引用ページ新潮文庫)
★★河童の世界の慣習●出産――知能のある胎児に生まれ出るか否かの権限あり。
●結婚(とイデオロギー)――悪い遺伝子を駆逐するためというイデオロギーがある(77)。このイデオロギーは人間界への揶揄。令嬢が下層階級の男を好きになるのもイデオロギーだと。満州鉄道の利権争う人間界に比べたらよっぽど高尚だとも皮肉っている。
●恋愛――雌の河童は嫉妬心が強い。それでいて誘惑的。雌の河童が基本的に雄の河童を追いかける。正直雌は一人でもくもく。ある雌は家族総出で追いかける。雌の誘惑の力は追いかけさせ相手をなぶり殺しにするためにも用いられる(騙し 82)。
官史に雌河童が少ないのも取締甘い理由だが居ても結局行政内で追いかけっこするので無意味(83)
●芸術について――人間よりも理解力ずばぬけてある。それゆえにその行いそのものを禁止する策のほかない、反抗。(85)
●国家――近代国家の体裁はあるようだ。内閣がある。支配しているのは党首ロッペ(めぐりめぐってゲエル婦人が)。戦争もある。仮想敵は獺(かわうそ)(93)。かつて、獺を招いたある雌河童が夫を殺すために入れた青酸カリをどこで間違ったか客人の獺に飲ませ戦争勃発(94)。
●食物――なんでも食べる。石炭殻も食べる(94)。河童の肉も。
●死刑――河童の世界にもある。河童の神経作用は人間よりも微妙。ゆえにある社会主義者に「貴様は盗人だ」の言葉で心臓麻痺させれる。(110)。
人非人=蛙、という言葉となる。
●宗教――キリスト教・仏教・モハメット教・拝火教とあるが一番勢力あるのは「生活教」
生活教について
●ニコライ堂10倍もある大寺院。(116)
●礼拝は正面の「生命の樹」である。金の実が「善の果」で緑の実が「悪の果」(117)
神は一日で世界をつくり雌の河童を最初につくるが退屈のあまり雌は雄を求めていた。それを神は嘆き雌脳髄切り取り雄をつくった。二匹に「食えよ、交合せよ、旺盛に生きよ」と祝福を与えた。・・・(生活教)
●両側の龕(がん)の半身像には
①ストリントベリイ
②ニイチェ
③トルストイ
④国木田独歩
⑤ワグネル
⑥ストリントベリイの友だちの画家ゴーガン。
⑦説明省く(119) |
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河童
(*引用ページは新潮文庫より)
★★要約1精神病棟から回想、穂高山の穴へ精神病院23号のジェスチャー大きい僕はいつも「この話」をくりかえす。語り手僕は続けている。彼は話が終わると、、
「出ていけ!この悪党めが!貴様も莫迦な、嫉妬深い、猥雑な、図々しい、うぬ惚れきった、残酷な、虫の善い動物なんだろう。出て行け!この悪党めが!(66−67)」
これは河童の世界を体験して、河童より劣る人間を見てそれさえ気づかない人間たちに暴言をおもわず吐いてしまったのだろう。
僕は病室で語りはじめる。今から3年前に穂高山に登り霧が濃くなり梓川の谷を頼りにええいっと登ってしまい―――と突然腕時計に反射して河童に遭遇。おもわず捕まえようとするも逃げられ(河童は擬態をするらしい)追いかけると・・穴にころげおちる・・
2 特別保護住民仰向けに倒れたままの僕を河童たちは担架で運びチャックという医者の家で療養されます。そこにはバッグという漁師やゲエルという硝子会社社長など興味心でやってきます。僕は「特別保護住民(71)ということで一週間後チャックの隣に住むこととなります。バッグはわざとキチガイのふりをして僕を驚かすこともしました(72)。
3 河童の生態河童は1メートル超えぬくらいの体格で肌の色は擬態でいろいろかわります(73)腹に袋をもち着物もしてませんのでむしろ僕・人間を笑うほどです(74)
4 河童の知能とイデオロギー彼ら河童の滑稽は人間と異なり、たとえば正義・人道などマジメにいうと笑われます。(74)
また彼らの世界の出産は胎児に生まれてきたいか父親が尋ねる・・という形式をとっています(75)河童は頭がよく何でも出産後26日目に神の有無を語る子どももいたほど・・が2月目にその子は死亡。
街角で歩いてた時にみかけたポスターの話をしましょう。そこには学生のラップが暗唱してくれましたが劣性なる遺伝を駆逐するために健全なる河童が率先して結婚せよと書いていました。(鉄道の利権で争い、また売春で生きる)人間の世界よりはよっぽど高尚といってました。
5 詩人トックと超人倶楽部学生のラップから紹介されたトックという家族を捨てた詩人と超人倶楽部に行きました(79)
6 河童の恋愛河童の恋愛の主導権は雌がもっており、その力は絶大です。ときにかけひきのため雄の人生・生命はめちゃくちゃにされます(81)。ある日、学生ラップも雌河童につかまえられた・・ということでショックからか嘴が腐って落ちるほどでした(河童は過敏 81)
7 演奏会或る日、トックと音楽会に出かけたときに超人倶楽部の会員のクラバックの演奏中に(河童の芸術の感受性は完璧ゆえに)演奏中止のシュプレヒコールに見舞われめちゃくちゃに(85)
「元来画だの文芸だとは誰に目にも何を表わしているのかは兎に角ちゃんとわかる筈ですから、この国では決して発売禁止や展覧禁止は行われません。その代わりあるのが演奏禁止です。何しろ音楽と云うものだけはどんなに風俗を壊乱する曲でも、耳のない河童にはわかりませんからね」(86)
8 職工屠殺法僕は硝子会社社長のゲエルの友人の書籍製造会社の工場にゆき近代的な装いに驚くももっと驚いたのは近代化に伴い発生する労働者の解雇についてこの国では「職工屠殺法」で殺し食肉にするという合理化が図られている、、という点だ(89)。
9 河童を支配するゲエル夫人ゲエルの属するクラブにゆきそこでは現在河童の国を支配する内閣の党首ロッペは新聞社プウフウに支配され、かつ新聞社の社長はクイクイである。がクイクイを支配しているのは背後から援助しているゲエルことこの私でありまた私を支配するのはまぎれもないゲエル夫人ゆえに、この国を支配しているのはゲエル夫人だともいえると(92)
またこの国では戦争もあり、仮想敵とする獺をかつて自宅に招いた雌河童が夫へ飲ませるつもりの青酸カリを何を間違ったのか客人たる獺に飲ませ戦争の発端に(94)。河童の国は戦勝したけども多くの犠牲者がでた。もちろんこのときゲエルは多くの物資を送った(石炭の殻を食糧としてなど)。すると隣のゲエルの保険をかけた借家が火災に見舞われ鎮火した後にゲエルはお金が入るゆえにほくそえむ。彼は合理主義者だ。
10 詩人トックの憂鬱火事の翌日にラップが「おや虫取り菫が咲いた」の呟きが原因で雌の家族たちが憤慨し余計なトラブルに見舞われたことを零していた(97)。
二人はクラバックの家にゆくと、クラバックは詩人トックの抒情詩に嫉妬し、かつロックという音楽家の星に恐怖していた(99)。彼はかなり神経が乱れておりお暇する間際哲学者マッグの書いた「阿呆の言葉」の本をワレワレに放り投げた(100)。
帰り道、神経衰弱気味の詩人トックに出会う。彼はふと車から顔を出した緑の猿をみかけたと言い放ち別れる。
続けて憂鬱な学生ラップもあまりに疲れていたために大股あけてそこから世界を逆さまに眺めたりと、、。(102)
11 哲学者マッグの「阿呆の言葉」阿呆の言葉には、河童の処施術と、それから音楽家クラバック自身の爪の徴が3つみられた。自身の意識を超越する河童は自殺しかないのだけども(ボルテールは白雉後ゆえに生活、つまり女陰が人生観のすべてと述べるが胃袋という語がぬけていたが・・)時代の習慣を軽蔑しつつ習慣を守ることが必要だと。ゆえに鎮座された阿呆・悪人・英雄は神々に恵まれたものとしてみなければいけない。平和のためには精神的欲望を減じなければいけないのだ。
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12 河童の刑法前に僕の万年筆を子どものためとはいえ盗んだ河童、グルックをみつけた。警察に捕まえてもらうよう頼むが彼は免責。つまり親であったものが親でなくなったら犯罪要件を構成しないそうだ。マッグの家につき彼にその説明を受け、さらに河童はかなり繊細ゆえに死刑制度あれども、たとえば社会主義者に盗人、というだけで心臓麻痺を起させることできると(110)。
13 トックの自殺すると哲学者マッグの家の壁のむこう、詩人のトックの家からピストルの音が。自殺(111)彼は肩越しに1枚の紙を残して自殺してしまいました。
そこへ偶然自動車でとおりかかったクラバックが何かのインスピレーションをえて傑作が欠けそうだと立ち去っていきます。ちなみに、このときはじめて僕は詩人トックの雌河童、それから子供たちの中で涙しました(114)。
マッグはそばで河童の生活というものを考えていました。
「兎に角我々河童以外の何ものかの力を信じることですね(115)
14 河童の宗教宗教という言葉を思いださせたマッグの言葉から物質主義者の僕は学生のラップにこの世界の宗教についてたずねると、ここではキリスト教・仏教・モハメット教・拝火教とあるが一番勢力があるのは生活教だとおしえられる(115)
生活教の大寺院に学生ラップとでかけ長老からこの宗教の教義(1日で世界をつくり雌をはじめに次に退屈そうだったので雄をつくってあげた、「食えよ、交合せよ、旺盛に生きよ」と祝福を神は与えた 120)それから、龕の中のいくつかの銅像(聖徒)を6つ紹介された。どれも生活教徒だった。(ストリントベリイ、ニーチェ、トルストイ、国木田独歩、ワグネル、ストリントベリイの友人ゴーガン・・)
この長老も後に妻らしき雌河童からどなられるように信仰に動揺があった(122)
15 詩人トックの幽霊一週間後、医師チャックに聞いたところでは詩人トックの部屋に幽霊が出ると。心霊協会の会員たちが霊媒をしたとの記事をみると心霊協会会長ペックは9月17日午前の10時30分に詩人トックの部屋に14人の会員とともに集まり夫人ホップに降霊させ対話する。
どうも彼は死後の名声を気にしており死後もこことかわらず過ごしが、退屈すると自殺する気構えもあると。また懐疑主義者ゆえにここの在り方に確証をもっていない。交友関係はもっぱら自殺者。がショペンハウエルについては交際してないと(126)
16 さよなら河童ここでの生活が憂鬱となると僕は漁師バックに尋ねて帰り道をしっている老人河童にもとにゆく(彼は生まれたとき老人で現在115・6歳だけど子どもの様相)。そして
「それはお前さんがここへ来た路だ(130)」とぞっとすることを言われ、天井からくだった綱を握りしめ、この世界とお別れをする(130)。
17 帰還後収容される最初は人間の匂いに閉口したが最初の半年は誰ともあわず、しだいに外に出るようになるもついつい河童の言葉を口走ってしまう(130)。
河童の国から帰って一年が経過したころある事業に失敗したこともあって(この話の詳細を語ると医師によれば手に負えないほどとなるらしい)、河童の国へ「帰りたい」と思うようになったが(132)そっと家を抜けだし中央線の汽車に乗ろうとしたところ巡査につかまり病院へ。
ある今日のように曇った午後に、あの漁師のバッグが姿を現します。お見舞いにきてくれたのです。水道管、消火栓とたどってきたらしいです。それから2・3日いろいろの河童の訪問を受けます。
S博士によると早発性痴呆症との診断ですが医者チャックによれば、S医師を含めてみんなたが、ソレだという。夜には学生ラップも哲学者マッグも見舞いにきますが昼間は漁師のハバッグだけでした。音楽家クラバックも夜にきてはバイオリンを弾いてくれました。
彼は黒百合の花束をもってきてくれました(が、机にはない)。
さて、僕は詩人トックの全集の一冊をあなたのために読んであげます。
椰子の花や竹の中に
仏陀はとうに眠っている
路ばたに枯れた無花果と一しょに
基督ももう死んだらしい
しかし我々は休まなければならぬ
たとい芝居の背景の前にも
(その又背景の裏を見れば、継ぎはぎだらけのカンバヴァスばかりだ。!)
そういえば裁判官のペップは職を失い発狂し精神病院に入院しているそうです。見舞いにいきたい(135)
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