学問の部屋

体系的に学問する こころから学問する

芥川龍之介

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全1ページ

[1]

イメージ 1
★★感想

 
23号こと僕とは物質主義者である。
彼の経歴はわからないが、或るとき河童の世界に迷い込んだ。
それから帰ってきて1年(それから事業ははじめていたが・・・)その架空の事業の破たん?と同時に、、精神も限界にきて河童の世界に帰りたいと一人家を飛び出す。
おそらく、彼の事業とは幻想だろう。だからこそ自宅で監視されていた。
だから(経歴があったのだろう)巡査に中央線の汽車の乗ろうとしたところを捕まえられ強制入院させられる。
(いきなり強制入院させられることはないから前科があったはずだ。またある人の説では事業は実際にありそこで首にした労働者の肉を食べた、それで精神病棟へ、という論があるがこれは間違いだ。そんなことをした人間を自宅で放置はさせない。)
 
 
さて河童の世界に行ったのは穂高山へ登山にいって霧にみまわれときのこと。
河童と遭遇、穴に転げ落ちて河童の世界へ。すでにこのとき彼は精神的限界があったのだろう。
そして河童の世界で特別保護住民として河童の世界を堪能する。
 
出産・恋愛・イデオロギー・芸術とその弾圧・労働者の処分、、そして宗教。
その間に詩人トックが自殺します。
彼の思想の危機をまえもって哲学者マッグが「阿呆の言葉」で要約してます。つまり生活教につきます。人知を超えた河童ゆえに生活というラインを鉄のルールとして守る。それに対して疑義をもっている懐疑主義者である詩人トックはまるで芥川のように自殺します。
生活教という生きる為のたしなみさえ攻撃の矛先をむけると・・それはマッグの書いた「阿呆の言葉」にあったボルテールが理性の行き先に自殺しかないところを理性を神とすることで自殺を免れた・・・というところに行きつきます。
彼はピストルで自殺。この自殺は哲学者マッグの阿呆の言葉とリンクしてます。その生活教を信じ得ないトックは自殺するのですから上手い予言。
 
河童の世界を「僕」は気に入ります。それはあまりに自覚した上での(欺瞞という)合理主義の上に立っているからでした。
ゲエルのように合理的に(確信的に)生きることもできれば、労働者を屠殺するように制度さえある。雌が主導権をもった恋愛は政治をも国家をも戦争をも主導権を持つことも周知の事実です。
 
こんなに住みやすい河童の世界にしばらくいましたが、トックについての記事をよんで憂鬱になっていよいよ人間の国へ帰りたいと思うようになります。
ある老人の導きで人間の世界へ。
さて、人間の世界に戻りやがて収容される僕は、人間にあるときは罵倒をはきます。
 
なぜか。
生活教をもってないからです。
さて、くりかえします。
 
生活教とは人間生活の醜悪な部分を知った上での生きる為のたしなみです。
たしなみ【嗜み】
たしなむこと。すき。このみ。特に、芸事などに関する心得。「いささか茶道の―がある」
心がけ。用意。覚悟。狂言、止動方角しどうほうがく「あの伯父御様のやうなお―のよいお方はござるまい」
つつしみ。遠慮。好色一代男[6]「おのづから身の―出来て言葉もせまり」。「―がない人」
広辞苑第六版より引用
それがない、ただ生活に拘泥する人間、あるときなどはボルテールのように理性を神として生き延びる姿に反吐を催す。
龕の中の半身像の聖人を思い出しましょう。
国木田独歩がいました。
自殺者に同情しました。その上で、それでも生活に従事することです。神経衰弱などダサいのです。それが生活教。
さてみなさん、この青年、30過ぎの青年は、はたして狂人なのでしょうか?
ねえみなさん?
 
彼の訴えとは「生活教」のようにあらゆることを知った上で生活に留まれ!という遠吠え。
 

河童4/3  芥川3

イメージ 1
 
 
 (*引用ページ新潮文庫)

 

★★河童の世界の慣習

●出産

――知能のある胎児に生まれ出るか否かの権限あり。

●結婚(とイデオロギー)

――悪い遺伝子を駆逐するためというイデオロギーがある(77)。このイデオロギーは人間界への揶揄。令嬢が下層階級の男を好きになるのもイデオロギーだと。満州鉄道の利権争う人間界に比べたらよっぽど高尚だとも皮肉っている。
 

●恋愛

――雌の河童は嫉妬心が強い。それでいて誘惑的。雌の河童が基本的に雄の河童を追いかける。正直雌は一人でもくもく。ある雌は家族総出で追いかける。雌の誘惑の力は追いかけさせ相手をなぶり殺しにするためにも用いられる(騙し 82)
官史に雌河童が少ないのも取締甘い理由だが居ても結局行政内で追いかけっこするので無意味(83)

●芸術について

――人間よりも理解力ずばぬけてある。それゆえにその行いそのものを禁止する策のほかない、反抗。(85)

●国家

――近代国家の体裁はあるようだ。内閣がある。支配しているのは党首ロッペ(めぐりめぐってゲエル婦人が)。戦争もある。仮想敵は(かわうそ)(93)。かつて、獺を招いたある雌河童が夫を殺すために入れた青酸カリをどこで間違ったか客人の獺に飲ませ戦争勃発(94)
 

●食物

――なんでも食べる。石炭殻も食べる(94)。河童の肉も。
 

●死刑

――河童の世界にもある。河童の神経作用は人間よりも微妙。ゆえにある社会主義者に「貴様は盗人だ」の言葉で心臓麻痺させれる。(110)
人非人=蛙、という言葉となる。
 

●宗教

――キリスト教・仏教・モハメット教・拝火教とあるが一番勢力あるのは「生活教」
生活教について
●ニコライ堂10倍もある大寺院。(116) 
●礼拝は正面の「生命の樹」である。金の実が「善の果」で緑の実が「悪の果」(117)
神は一日で世界をつくり雌の河童を最初につくるが退屈のあまり雌は雄を求めていた。それを神は嘆き雌脳髄切り取り雄をつくった。二匹に「食えよ、交合せよ、旺盛に生きよ」と祝福を与えた。・・・(生活教)
●両側の(がん)の半身像には
①ストリントベリイ
②ニイチェ
③トルストイ
④国木田独歩
⑤ワグネル
⑥ストリントベリイの友だちの画家ゴーガン。
⑦説明省く(119)
 

イメージ 1★★登場人物

(*引用ページは新潮文庫より) 
 
――精神病棟の患者。
第23号。ジェスチャーの大きい人。河童の国にいったという幻覚にいる(134 べクラバックがくれた黒百合の花束がない)
理由なく登山にでかけ深い霧の中、河童に遭遇し深い穴に落ちる。そこは河童の世界。阿呆の言葉も、やがて退屈となった。唯一河童の世界で涙したのはトックの自殺(114)
生活教の神話は退屈だった。
 
チャック――河童。医師(70)
 
 
バッグ――漁師(71)。彼の細君の出産風景を見て河童の出産秘話を知る(75)
 
 
ゲエル――硝子会社の社長(72)。僕の部屋に顔を出す一人で仲よくなる(72)。資本家(87)。ゲエルの属している倶楽部は僕にとって深みなくとも心地よかった(90)。内閣を支配していた党首「ロッペ」を支配しているのはプウフウ新聞で社長クイクイに援助しているのがゲエルゆえに、ゲエルがロッペをこの国を支配していると述べる(92)。いやゲエルを支配しているゲエル婦人(92)がこの国を支配していると述べる。倶楽部にいるとき隣の借家が火事になるが鎮火し保険金を得れるとほくそ笑む(96)
 
 
ラップ――学生(76)。家族とともに生活(97)義勇隊を求むポスターに書いてる螺旋のような河童の文字を翻訳してくれた。雌河童に抱きつかれ嘴が腐って落ちる(81)。容姿が醜悪になる意。それから嘴が腐っていることがあらゆることの躓きの原因だと思うようになる(97)
虫取りすみれが咲いた、という何気ない言葉にも家族のうち雌は憤慨し(雌への揶揄と思い)おもわぬトラブルにみまわれる(97)
憂鬱気味でもある。トックの神経症の感染されるように同じく世の中を逆さまにみたりもする(102)
 
 
トック――詩人(78)。一人で自由に生活。雌の河童もいる。ラップ(学生)を軽蔑している(らしい 97) 超人倶楽部に出入りする(79)。知り合いの音楽家(クラバック)はトックを一方的にライバル視している。
トックは神経症気味。ある日、自動車の窓から緑色の猿が首をだしたと狂言を(102)
後に何故か自殺してしまう(本人も理由わからぬ。111) ペップからは胃病だったから、ともいわれる(112)
遺書。
いざ、立ちて行かん。娑婆界を隔つる谷へ。岩むらはこごしく、やま水は清く、薬草の花はにほへる谷へ(112)
●記事によれば後にトックの自宅で幽霊がでると。霊媒師により降臨させ対話するイベントもあった。心霊協会会長の項参照。
 
●物語最後で僕が読んだ全集の1冊。
 
椰子の花や竹の中に
仏陀はとうに眠っている
路ばたに枯れた無花果と一しょに
基督ももう死んだらしい
 
しかし我々は休まなければならぬ
たとい芝居の背景の前にも
(その又背景の裏を見れば、継ぎはぎだらけのカンバヴァスばかりだ。!)
 
 
 
 
マッグ――哲学者(82)醜い河童。阿呆の言葉(100)という本がある。
阿呆の言葉の抜粋の要約(103−105)
阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。
−阿呆は自分以外を阿呆とする。
 
我々の自然を愛するのは自然は我々を憎んだり嫉妬したりしない為もないことはない――自然は無垢で無害だから愛するだけ。
 
最も賢い生活は一時代の習慣を軽蔑しながら、しかもその習慣を少しも破らないように暮すことである―― 生活教の神髄を述べている。賢い生活は習慣を軽蔑しながら習慣を破らないこと。
 
我々の最も誇りたいものは我々の持っていないものだけである――我々がもっとも誇るものは我々が持っていないもの。だから自分を超えたものを支柱にするのだ。詩人トック死亡後哲学者マッグのセリフ河童以外の何ものかの力を信じること、とリンク(115)
 
何人も偶像を破壊することに異存を持っているものはない。同時に又何びとも偶像になることに異存を持っているものはない。しかし偶像の台座の上に安んじて坐っていられるのは最も神々に恵まれたもの――阿呆か、悪人か、英雄かである。――――偶像を破壊も、なることも異存はない。がそこに座るのは阿呆・悪人・英雄。(爪跡)
 
我々の生活に必要な思想は三千年前に尽きたかもしれない。我々は唯古い薪に新しい炎を加えるだけであろう――――生活に必要な思想は3千年前に尽き古い蒔に今は新しい炎を加えてるだけ。三千年来「衿誇・愛欲・疑惑」からあらゆる罪・徳発している。
 
我々の特色は我々自身の意識を超越するのを常としている―――河童の特色は自意識を超越するのを常とす。
 
幸福は苦痛を伴い、平和は倦怠を伴うとすれば、―――?――――幸福は苦痛、平和は倦怠・・
 
自己を弁護することは他人を弁護することよりも困難である。疑うものは弁護士を見よ。―――自己弁護は他人を弁護するより難し。弁護士みればわかる。
 
衿誇(*自慢すること)・愛欲・疑惑――あらゆる罪は三千年来、この三者から発している。同時に又恐らくはあらゆる徳も
物質的欲望を減ずることは必ずしも平和を齎さない。我々は平和を得るために精神的欲望も減じなければならぬ――――――――物質的欲望減ずるは平和齎さないし平和を得るためにだから精神的欲望減ずべき。(爪跡)
 
我々は人間よりも不幸である。人間は河童ほど進化していない。――――我々河童は人間より不幸。人間は河童ほど進化しないから(僕は笑う)
 
成すことは成し得ることであり、成し得ることは成すことである。畢竟我々の生活はこう云う循環論法を脱することは出来ない。――即ち不合理に終始している―――――成すこと成し得ること、成し得ること成すこと。循環論法から脱しえない我々は不合理に終始している。生活教の神髄!!
 
ボードレールは白雉になった後、彼の人生観をたった一語に、――女陰の一語に表白した。しかし彼自身を語るものは必しもこう言ったことではない。寧ろ彼の天才に、――彼の生活を維持するに足る詩的天才に信頼した為に胃袋の一語を忘れたことである。―――――ボードレールは白雉後人生観を一語に「女陰」。彼は胃袋、この一語を己の天才を信頼するあまり忘れた。(爪跡)
 
若し理性に終始するとすれば、我々は当然我々自身の存在を否定しなければならぬ。理性を神にしたボルテールの幸福に一生を了ったのは即ち人間の河童よりも進化していないことを示すものである。―――――――理性に終始した先に存在の否定がある、、がボルテールは理性を神にして幸福に一生をおわったのは人間が河童より進化していないことを示す。詩人トック自殺の理由がここにありありと。そしてこの項は最初の項とリンクする。
 
まとめ
自意識を超越せんとする河童は自殺しかない理性(トックのように)を生活のために平和のためにさような精神的欲望を減ずることができる。ゆえに時代の習慣を軽蔑しながら習慣を守る。阿呆・悪人・英雄の鎮座する偶像を破壊も賛成もしない。自然は無害ゆえにだから愛する。―――理性からみれば、不合理が支える生活教を徹底して指示することだ。
 
 
 
 
 
クラバック――音楽家、超人倶楽部の会員(84)クラバックを捕まえそこなった雌の観客は舌をぺろぺろしている(85)。演奏中の演奏禁止の暴動をおこされる(85)
クラバックはトック(の抒情詩)に嫉妬している(98)。またロックという音楽家を怖れている(98)。ロックを支配している星を(99)。クラバックはトック自殺の後の陰鬱とした部屋の雰囲気から傑作(葬送曲)をひらめく(114)
 
ロック――登場しないがクラバックが恐れる音楽家(98)
 
 
ペップ――裁判官。ゲエルの友だちの書籍工場に僕と行ったときに解雇された河童の措置は「職工屠殺法」で合法的に殺すことを説明する(89)。その死体は食肉として利用する。売春婦のようなミジメなことさせておいてと反論(嘲笑)する場面あり。
物語最後では、彼は裁判官の職を失った後、発狂してしまい今は河童の国の精神病院にいる(135)
 
 
グルック――僕の万年筆を子どものために盗んだ河童(77)。後に子供が死亡するために死亡診断書を警察にみせて刑は免除。(刑法1285条より)それは「親だった河童も親である河童も同一にみるのこそ不合理(109)」というものがあるから。
 
長老――生活教の大寺院を案内した長老。彼も信仰のブレがあった。雌(妻?)の河童から財布からぬすんだ金を咎められる(122)
 
 
 
ペック――心霊学協会会長。9月17日午前10時30分・・朝だ。ポップ夫人とともに17名の会員は円卓に座り、彼女にトック君を憑依させて問答はじめる(124)
以下要約
幽霊として出るのは死後の名声知るため。死後名声を気にする詩人はトック以外で芭蕉。
諸君の生活とここはかわらないし倦めば(あきたら)自殺すると。生命の永遠については懐疑主義者だと。交友は自殺者が多いがショペンハウアーとは交際せずも彼はここでも自活できるかどうかを論じている。その他、ドストや孔子やダーウィン・クレオパトラと尋ねるが詳細を述べないので自身への質問へ。
トックは「群小詩人の一人」の名声で全集出版されども売れ行き振るわない。女友だちはラックの夫人になり子どもたちは国立孤児院へ。家はスタジオになり。そして消える。
 
バッグ――漁師の河童。出口を知る老河童の居場所を教える(128)
年寄の河童――生まれたとき老人で年重ね年々若返る。現在子どものよう(128)。115・6歳。
「わたしは若い時は年よりだったし、年をとった時は若いものになっている。従って年よりのように欲にも渇かず、若いもののように色にも溺れない。兎に角わたしの生涯はたとい仕合せではないにしろ、安らかだったには違いあるまい」(129)
「・・しかし一番幸せだったのはやはり生まれて来た時に年よりだったことだと思っている(129)
 
「ではあなたはほかの河童のように格別生きていることに執着を持ってはいないのですね?」
「わたしもほかの河童のようにこの国へ生まれてくるかどうか、一応父親に尋ねられてから母親の胎内を離れたのだよ(130)
 
 
 
イメージ 1
河童
 
 (*引用ページは新潮文庫より)
 

★★要約

1精神病棟から回想、穂高山の穴へ

精神病院23号のジェスチャー大きい僕はいつも「この話」をくりかえす。語り手僕は続けている。彼は話が終わると、、
「出ていけ!この悪党めが!貴様も莫迦な、嫉妬深い、猥雑な、図々しい、うぬ惚れきった、残酷な、虫の善い動物なんだろう。出て行け!この悪党めが!(66−67)
これは河童の世界を体験して、河童より劣る人間を見てそれさえ気づかない人間たちに暴言をおもわず吐いてしまったのだろう。
 
僕は病室で語りはじめる。今から3年前に穂高山に登り霧が濃くなり梓川の谷を頼りにええいっと登ってしまい―――と突然腕時計に反射して河童に遭遇。おもわず捕まえようとするも逃げられ(河童は擬態をするらしい)追いかけると・・穴にころげおちる・・
 
 

2 特別保護住民

仰向けに倒れたままの僕を河童たちは担架で運びチャックという医者の家で療養されます。そこにはバッグという漁師やゲエルという硝子会社社長など興味心でやってきます。僕は「特別保護住民(71)ということで一週間後チャックの隣に住むこととなります。バッグはわざとキチガイのふりをして僕を驚かすこともしました(72)
 

3 河童の生態

河童は1メートル超えぬくらいの体格で肌の色は擬態でいろいろかわります(73)腹に袋をもち着物もしてませんのでむしろ僕・人間を笑うほどです(74)
 
 

4 河童の知能とイデオロギー

彼ら河童の滑稽は人間と異なり、たとえば正義・人道などマジメにいうと笑われます。(74)
また彼らの世界の出産は胎児に生まれてきたいか父親が尋ねる・・という形式をとっています(75)河童は頭がよく何でも出産後26日目に神の有無を語る子どももいたほど・・が2月目にその子は死亡。
街角で歩いてた時にみかけたポスターの話をしましょう。そこには学生のラップが暗唱してくれましたが劣性なる遺伝を駆逐するために健全なる河童が率先して結婚せよと書いていました。(鉄道の利権で争い、また売春で生きる)人間の世界よりはよっぽど高尚といってました。
 
 

5 詩人トックと超人倶楽部

学生のラップから紹介されたトックという家族を捨てた詩人と超人倶楽部に行きました(79)
 

6 河童の恋愛

河童の恋愛の主導権は雌がもっており、その力は絶大です。ときにかけひきのため雄の人生・生命はめちゃくちゃにされます(81)。ある日、学生ラップも雌河童につかまえられた・・ということでショックからか嘴が腐って落ちるほどでした(河童は過敏 81)
 

7 演奏会

或る日、トックと音楽会に出かけたときに超人倶楽部の会員のクラバックの演奏中に(河童の芸術の感受性は完璧ゆえに)演奏中止のシュプレヒコールに見舞われめちゃくちゃに(85)
「元来画だの文芸だとは誰に目にも何を表わしているのかは兎に角ちゃんとわかる筈ですから、この国では決して発売禁止や展覧禁止は行われません。その代わりあるのが演奏禁止です。何しろ音楽と云うものだけはどんなに風俗を壊乱する曲でも、耳のない河童にはわかりませんからね」(86)
 

8 職工屠殺法

僕は硝子会社社長のゲエルの友人の書籍製造会社の工場にゆき近代的な装いに驚くももっと驚いたのは近代化に伴い発生する労働者の解雇についてこの国では「職工屠殺法」で殺し食肉にするという合理化が図られている、、という点だ(89)
 

9 河童を支配するゲエル夫人

ゲエルの属するクラブにゆきそこでは現在河童の国を支配する内閣の党首ロッペは新聞社プウフウに支配され、かつ新聞社の社長はクイクイである。がクイクイを支配しているのは背後から援助しているゲエルことこの私でありまた私を支配するのはまぎれもないゲエル夫人ゆえに、この国を支配しているのはゲエル夫人だともいえると(92)
またこの国では戦争もあり、仮想敵とする獺をかつて自宅に招いた雌河童が夫へ飲ませるつもりの青酸カリを何を間違ったのか客人たる獺に飲ませ戦争の発端に(94)。河童の国は戦勝したけども多くの犠牲者がでた。もちろんこのときゲエルは多くの物資を送った(石炭の殻を食糧としてなど)。すると隣のゲエルの保険をかけた借家が火災に見舞われ鎮火した後にゲエルはお金が入るゆえにほくそえむ。彼は合理主義者だ。
 

10 詩人トックの憂鬱

火事の翌日にラップが「おや虫取り菫が咲いた」の呟きが原因で雌の家族たちが憤慨し余計なトラブルに見舞われたことを零していた(97)
二人はクラバックの家にゆくと、クラバックは詩人トックの抒情詩に嫉妬し、かつロックという音楽家の星に恐怖していた(99)。彼はかなり神経が乱れておりお暇する間際哲学者マッグの書いた「阿呆の言葉」の本をワレワレに放り投げた(100)
帰り道、神経衰弱気味の詩人トックに出会う。彼はふと車から顔を出した緑の猿をみかけたと言い放ち別れる。
続けて憂鬱な学生ラップもあまりに疲れていたために大股あけてそこから世界を逆さまに眺めたりと、、。(102)
 

11 哲学者マッグの「阿呆の言葉」

阿呆の言葉には、河童の処施術と、それから音楽家クラバック自身の爪の徴が3つみられた。自身の意識を超越する河童は自殺しかないのだけども(ボルテールは白雉後ゆえに生活、つまり女陰が人生観のすべてと述べるが胃袋という語がぬけていたが・・)時代の習慣を軽蔑しつつ習慣を守ることが必要だと。ゆえに鎮座された阿呆・悪人・英雄は神々に恵まれたものとしてみなければいけない。平和のためには精神的欲望を減じなければいけないのだ。
-

12 河童の刑法

前に僕の万年筆を子どものためとはいえ盗んだ河童、グルックをみつけた。警察に捕まえてもらうよう頼むが彼は免責。つまり親であったものが親でなくなったら犯罪要件を構成しないそうだ。マッグの家につき彼にその説明を受け、さらに河童はかなり繊細ゆえに死刑制度あれども、たとえば社会主義者に盗人、というだけで心臓麻痺を起させることできると(110)
 

13 トックの自殺

すると哲学者マッグの家の壁のむこう、詩人のトックの家からピストルの音が。自殺(111)彼は肩越しに1枚の紙を残して自殺してしまいました。
そこへ偶然自動車でとおりかかったクラバックが何かのインスピレーションをえて傑作が欠けそうだと立ち去っていきます。ちなみに、このときはじめて僕は詩人トックの雌河童、それから子供たちの中で涙しました(114)
マッグはそばで河童の生活というものを考えていました。
「兎に角我々河童以外の何ものかの力を信じることですね(115)
 
 

14 河童の宗教

宗教という言葉を思いださせたマッグの言葉から物質主義者の僕は学生のラップにこの世界の宗教についてたずねると、ここではキリスト教・仏教・モハメット教・拝火教とあるが一番勢力があるのは生活教だとおしえられる(115)
生活教の大寺院に学生ラップとでかけ長老からこの宗教の教義(1日で世界をつくり雌をはじめに次に退屈そうだったので雄をつくってあげた、「食えよ、交合せよ、旺盛に生きよ」と祝福を神は与えた 120)それから、龕の中のいくつかの銅像(聖徒)を6つ紹介された。どれも生活教徒だった。(ストリントベリイ、ニーチェ、トルストイ、国木田独歩、ワグネル、ストリントベリイの友人ゴーガン・・)
この長老も後に妻らしき雌河童からどなられるように信仰に動揺があった(122)
 
 
 

15 詩人トックの幽霊

一週間後、医師チャックに聞いたところでは詩人トックの部屋に幽霊が出ると。心霊協会の会員たちが霊媒をしたとの記事をみると心霊協会会長ペックは9月17日午前の10時30分に詩人トックの部屋に14人の会員とともに集まり夫人ホップに降霊させ対話する。
どうも彼は死後の名声を気にしており死後もこことかわらず過ごしが、退屈すると自殺する気構えもあると。また懐疑主義者ゆえにここの在り方に確証をもっていない。交友関係はもっぱら自殺者。がショペンハウエルについては交際してないと(126)
 

16 さよなら河童

ここでの生活が憂鬱となると僕は漁師バックに尋ねて帰り道をしっている老人河童にもとにゆく(彼は生まれたとき老人で現在115・6歳だけど子どもの様相)。そして
「それはお前さんがここへ来た路だ(130)」とぞっとすることを言われ、天井からくだった綱を握りしめ、この世界とお別れをする(130)
 

17 帰還後収容される

最初は人間の匂いに閉口したが最初の半年は誰ともあわず、しだいに外に出るようになるもついつい河童の言葉を口走ってしまう(130)
河童の国から帰って一年が経過したころある事業に失敗したこともあって(この話の詳細を語ると医師によれば手に負えないほどとなるらしい)、河童の国へ「帰りたい」と思うようになったが(132)そっと家を抜けだし中央線の汽車に乗ろうとしたところ巡査につかまり病院へ。
ある今日のように曇った午後に、あの漁師のバッグが姿を現します。お見舞いにきてくれたのです。水道管、消火栓とたどってきたらしいです。それから2・3日いろいろの河童の訪問を受けます。
S博士によると早発性痴呆症との診断ですが医者チャックによれば、S医師を含めてみんなたが、ソレだという。夜には学生ラップも哲学者マッグも見舞いにきますが昼間は漁師のハバッグだけでした。音楽家クラバックも夜にきてはバイオリンを弾いてくれました。
彼は黒百合の花束をもってきてくれました(が、机にはない)
さて、僕は詩人トックの全集の一冊をあなたのために読んであげます。
 
椰子の花や竹の中に
仏陀はとうに眠っている
路ばたに枯れた無花果と一しょに
基督ももう死んだらしい
しかし我々は休まなければならぬ
たとい芝居の背景の前にも
(その又背景の裏を見れば、継ぎはぎだらけのカンバヴァスばかりだ。!)
そういえば裁判官のペップは職を失い発狂し精神病院に入院しているそうです。見舞いにいきたい(135)
 

全1ページ

[1]


.
sat**ukurod*wi*
sat**ukurod*wi*
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事