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「森林を守れ」が森を殺す!」田中淳夫氏著 <筆註> 林業関係者はぜひ先生のこの本を読んでください。間違った認識が改まります。 「森林は酸素と二酸化炭素を自給自足していた」(17ページ) <筆註>先述した箇所でも私の誤認識に頭を打たれた思いであったが、先生の話で私はさらに打ちのめされた。私たちは認識の浅い中で自然や森林とと接していることに気がついた。森林の持つ意味をもっと追求しなくてはならい。 ところで私も大人になって、もう少し賢くなった。植物のなかには光合成を行わない種もいる。たとえばキノコやカビなどの菌類だ。そのほか微生物も光合成をせず、酸素は出さない(ただし、最近の分類学では菌類や原核生物などを植物から分離して第三、第四の生物と考え始めている)。 また老木などほとんど生長しない植物もある。これは、光合成量と呼吸量(正確には落葉落枝を加えた量)が均衡しているわけだから結果的に酸素を出していないことになる。もし呼吸量が光合成量を上回ったら、木が痩せる、なんてことはありえないから、即枯れるだろう。 つまり植物は、常に酸素を放出しているわけではない。だが、酸素を出さない植物(菌類、微生物を含む)も、呼吸は必ず行う。この事実に気づいた私は、植物生態学が専門の滋賀県立大学環境科学部の依田恭二教授に確認した。 「植物は、芽が出て、背丈を伸ばし、枝や葉がいっぱいになる時は、光合成が活発に行われて酸素を放出しています。しかし、ずっと生長を続けているわけではありません。生長を止めた木もあるでしょう。枯れると腐って分解されます。すると、二酸化炭素が排出されます。つまり、植物が分解される時には微生物が活動しますが、彼らは酸素を消費するんです。微生物を無視して森林を『地球の肺』扱いするには無理がありますね」 植物が生長している時は、光合成による酸素の生産量が呼吸による消費量を上回っている。しかし、森林全体で見ると、森林の中には生長する草木だけではなく、枯れた草木や落ち葉があり、さらに動物も生息する。枯れた植物は、やがて分解される。分解して、「土に還る」のだ。植物だけでなく、動物も人間も死ねば「土に還る」。その作業を司るのが菌類や微生物である。微生物(嫌気性細菌を除く)が活動する際には、酸素を消費する。呼吸するといってもよい。だから二酸化炭素を放出する。その量は、分解される植物が生長する際に吸収した量とぴったり同じになゑ有機物の合成と分解は、裏返しの関係だからだ。 なんだかむずかしそうだが実は単純である。 「おおざっぱなところ、十分成熟した森林では植物の呼吸による酸素消費量と光合成の酸素放出量は、1対2ですね。そして微生物に消費される酸素の量は1に相当します。すなわち森林全体の酸素消費量と酸素放出量は、2対2になって均衡しているんです」 つまり森林の酸素の供給と消費は、プラスマイナス・ゼロ。 だから、酸素は森林から外部の出ていかない義林は、酸素と二酸化炭素を自給自足しており、見かけ上は外部とやりとりしない。当然、「地球の肺」とはいえない。
(略)
では、我々が呼吸している酸素はどこから来ているのか。どこからも供給されていない、といえるかもしれない。古代、地球上の大気は二酸化炭素濃度が高く酸素はほとんどなかったが、光合成する生物が現れ、二酸化炭素を石灰岩や有機物である生物体に固定し、かわりに酸素を放出した。現在、死体が石炭や石沖石灰岩になつた部分も含めて、その分だけ酸素が大気中に存在するのである。我々は、昔生産された酸素を呼吸させていただいているに過ぎない。 |

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