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橋下徹氏率いる大阪維新の会が、次期衆院選の公約として策定を進めている「維新版・船中八策」の骨子が13日、判明した。しかし、その中には「脱原発」は含まれていない。これは当然のことで、彼は、「脱原発」などハナからやる気がない。本当に「脱原発」を考えているのなら、この1年間にやるべきことはいくらでもあった筈だが、彼は何一つやってこなかったことでも明らかだ。
もともと橋下氏は「維新の会」という名称を使用するにあたって、かつて「平成維新の会」を立ち上げた大前研一氏に直接了承を打診してきたという。
橋下氏は大前研一氏に心酔しているらしいし、大前氏も「橋下市長を全面的に応援している」と明言している。昨年10月28日、大前氏が立ち上げたプロジェクト・チームが「民間の中立的な立場からのセカンド・オピニオン」としての報告書「福島第一原子力発電所事故から何を学ぶか」をまとめ、細野豪志環境相兼原発事故担当相に提出したとのことであるが、「中立的な立場」とは聞いてあきれる。
大前氏は、米MITで原子力工学博士号を取得し、日立製作所で高速増殖炉「もんじゅ」の炉心設計に携わった経歴がある。私は随分むかし、大庭里美さんに「もんじゅ」の冷却剤がナトリウムと聞いて、ひっくり返るほど驚いた。2兆円近い税金をドブに捨て続けた、あの「もんじゅ」である。現在の大前氏の原発に対するスタンスは、一言で表現すると「再稼働を早くしろ派」である。
「再稼動の決断が遅れ、「全原発停止」で電力不足の長期化も」では、「「40年で廃炉」は絶妙な年数設定」とか、「40年未満の原発について再稼動プランを示せ」などと主張されている。
「脱原発」で「大阪維新の会」に期待させるようなニュースもあった。
これはこれで、ぜひやっていただきたい。しかし、ここで提言されていることは全て、関電やそのとりまきの政治家に対する、そしてあらゆるものに優位性を確保しようとする、彼の権力欲からきている。政治家のパーティー券購入実績の開示を求めることなど、特にそうである。どこにも「脱原発」など謳われていない。
「橋下市長、原発20年延長に反対 関電への株主提案で」という記事においても「原子炉等規制法改正案で原則40年とする原発の運転期間を例外的に最長で20年の延長を認めた政府の規定に関し、関西電力への株主提案で反対する意向を明らかにした」とのことであるが、これは大前氏の主張と同じで、40年の稼働を認めるということである。
彼が東電原発事故後に「脱原発」をほのめかしたのは、大阪市長・府知事選挙をにらんでの票集めのための詐術でしかない。くりかえすが、橋下氏が本当に「脱原発」を考えているのなら、この1年間にやるべきことはいくらでもあった筈だが、彼は何一つやってこなかった。この期に及んでも橋下氏に「脱原発」を期待している人が居るらしいが、まことにもって、だまされる人は何度でもだまされるものである。「おそらく今後も何度でもだまされるだろう」。
それにしても、「維新」だとか、「船中八策」だとか、「脱藩」(民主党議員が「維新の会政治塾」に応募したことをさすらしい)だとかの言葉がニュースのキーワードとなっている世情をみるにつけ、この国はまもなくマンガ的な結末を迎えるのではないかという漠然とした不安がよぎる。
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